番外編(お題No.15)
キミがいて僕がいる。
“コハクとヒスイが入れ替わり”結局やることといえばコレしか。
キミがいて僕がいる。
僕がヒスイに。ヒスイが僕に。
そんな魔法があったら素敵だ。と、ずっと思っていた。
「おにいちゃぁ〜・・・ん」
僕の声でヒスイが呼ぶ。
「ん〜?」
ヒスイの声で僕が答える。
“入れ替わり”
ヒスイをもっと知るための魔法を、僕は手に入れた。
ザァァーッ・・・
「ふ〜・・・っ。スッキリした」
トイレにて用を足す。
洗面所の鏡に映るのはヒスイの体を手に入れたコハクだ。
「それにしても・・・立派になったなぁ・・・アソコも」
今更トイレで感動。
「昔はおもらしばっかりしてたのに」
幼いヒスイが描いた地図を洗うこと数限りなく。
「今では違うモノを漏らすようになって・・・」
パンツの上で指を動かす。
少し力を入れて割れ目をなぞるだけでじんわりと愛液が滲みだした。
「う〜ん・・・可愛い・・・」
リビングに戻ると・・・
「おにいちゃん〜・・・私もトイレ〜・・・」
必然的にコハクになってしまったヒスイが内股でモジモジしている。
「どうしよぅぅ〜・・・」
ヒスイはまだコハクの体に慣れていなかった。
“入れ替わり”最初の難関。
ずっとトイレを我慢していたのだ。
(僕は全然抵抗ないけど)
放尿プレイも何のその。コハクはむしろ萌えていた。
(普段丸舐めしているモノがそんなにコワイかな)
どうしていいかわからない・・・と、ヒスイが嘆く。
「教えてあげるから。おいで」
「えぇぇ!?ちょっ・・・おにいちゃん!?」
ヒスイをトイレまで引きずって、便器の前に立たせる。
コハクは背後から手を伸ばし、ズボンのチャックを下ろした。
「う〜んと・・・」
モゾモゾ・・・
奥から垂れ下がったものを引っ張り出し、掴んで持ち上げる。
「していいよ。後ろから持っててあげるから」
「!!!お兄ちゃんが見てる前で!?」
「そうだよ。我慢できないんでしょ?触るのコワイって言うし」
きゅっ。
「きゃ・・・」
「平気。平気。ヒスイのおしっこは見慣れて・・・」
「子供の頃のハナシでしょっ!!変な言い方しないでよっ!!」
(あぁ・・・でもホントに・・・)
我慢の限界だ。冷や汗が出てきた。
「ヒスイ〜・・・し〜・・・」
「ぅ・・・」
おしっこの合図。子供の頃からの条件反射。
(今更・・・こんなのに・・・反応するなんて・・・)
限界点突破。チョロチョロと情けなく流れ出す。
そして止まらない。
「お〜・・・出るねぇ・・・」
後ろから覗き込んでコハクが笑う。
「おにいちゃんのばかぁ〜・・・」
ヒスイは“入れ替わり”を心底後悔した。
(あぁ・・・もう・・・頭変になりそ・・・)
「ええっ!?このままするの!?無理に決まってるよ!」
コハクに体を求められて動揺。
「無理じゃないよ。ヒスイがいて僕がいる。2人揃っていれば何の問題もない!」
コハクが力説する。この機を逃すまいとかなり強引に迫ってきた。
「ヒスイは寝てるだけでいいから。試しに一回、騙されたと思って」
「・・・・・・」
明らかに騙される流れだ。
コハクの顔でヒスイが黙り込む。
しかし、抵抗しても無駄だということもよく知っていた。
「・・・一回だけ、だよ?」
「うんっ!!」
(・・・自分のを銜えるのも複雑だけどこの際仕方ない)
服を脱がせた時点でヒスイは勃起していた。
スムーズな進行だ。
ごく・・・っ。
別の意味で喉が鳴る。
当然、男のモノを口に含むのは初めてだった。
(ヒスイだ!コレはヒスイなんだ!深く考えるのはやめよう)
「あっ・・・おにいちゃんっ!!」
一気に頬張って口を窄める。
表面はプリプリとして活きがいい。
それでいて硬い芯がしっかりと通っていた。
他者と見比べる機会もないが、いいモノを持っている。
色も形も大きさも。申し分ない。自画自賛。
(どこが気持ちいいか・・・なんて)
自分の体だ。考えなくてもわかる。
まずは裏側・・・舌で包み込むように優しく・・・
「ひっ・・・あ・・・っ!!」
奥から手前。手前から奥。
銜える長さを調節しながら、根元から先端までをくまなく舐め上げる。
「う゛っ・・・ぅ」
ヒスイは取り乱し、両手でシーツをクシャクシャに握りしめていた。
きゅぅっ!
強く吸引。口の中の空気を押し出して完全密着。
(この締めつけがヒスイの中に似てて・・・すっごく気持ちいいんだ)
「はっ、あ、んっ、おに、ちゃ、んっ」
ヒスイの・・・正確にはコハクの声が震える。
コハクは舌を左右に動かし、更に上下運動を加えた。
先端を舌先で割って舐めて突く。
「やぁ・・・っ!どうしよう・・・っ!おにいちゃぁんっ!!」
パニック状態のヒスイが涙声で叫ぶ。
「イキそう?」
「はっ・・・ぁ!!」
言葉の代わりに激しい息づかいが返ってきた。
「どうせなら・・・」
パンパンに膨れあがった肉棒をわしづかみ。
「やぁ・・・ぅ」
「逃げちゃだめだよ・・・欲しいんだ。ここに」
ヒスイの上に跨ったコハクが指で割れ目を開いて見せた。
「あ・・・あぁ・・・」
欲情した自分の姿が目の前に。
赤黒くヌメった穴が容赦なく迫ってきた。
飲み込まれる・・・あたたかくぬかるんだ世界に。
ずぷっ・・・鈍い音がゆっくりと響いた。
「あ・・・」
(入れられるのって・・・こんな感じなんだ)
内側の肉をじわじわと開かれる快感。
初めての不思議な感覚。
少しだけ痛みを伴うのはヒスイの体に愛撫が足りないからだ。
「く・・・」
喘ぎ声はあげない主義でも食いしばる歯の間から甘ったるい声が洩れた。
「う・・・」
股の間に打ち込まれた肉の杭が愛おしい。
(自分のだけど・・・)
「あ・・・」
(入れるって・・・こんな感じなんだ)
性感の塊である棒がにゅるにゅるとした肉に挟まれる快感。
初めての不思議な感覚。
ヒスイの喚く声がピタリと止まった。
羞恥心に快感が勝った瞬間だった。
「ん・・・はぁん・・・」
(おにいちゃんって気持ちいいとこんな声、出すんだ)
えっちの最中、滅多に喘ぐことのないコハクの声が新鮮に感じる。
熱くなる下半身とは別に、そんなことを考える余裕が出てきた。
トクン・・・意識してみると色気のある声だった。
淫らな妄想が掻き立てられヒスイの胸が高鳴る。
「おにいちゃん・・・イイよ・・・すごく・・・」
「あぅ・・・ん」
(たまんないかも・・・コレ)
深い挿入。騎上位はやっぱりいい。
自ら腰を動かして、気持ちのイイ場所を刺激することができる。
(ヒスイは入口でも奥でも感じるから・・・)
腰を小刻みに前後しても、縦に大きく上下しても、効く。
はっ。はぁ。は。
体を反らせたり、前のめりにしたり。
どんな動きでも、あたって擦れればどっと快感が押し寄せた。
「ふっ・・・う」
(そうだ、ココ・・・)
大きく仰け反って湧き水のスイッチを擦る。
探るまでもなく、場所はよく知っていた。
「お・・・」
無色透明の汁がドバッと流れ出た。
あまりの量に自分でも驚く。
「あ・・・っ・・・おにい・・・ちゃんっ!?」
「ほら見て・・・ヒスイのココから・・・こんなに出たよ・・・」
「やぁ・・・っ!!」
見せつけられて目を逸らす。
「ねぇ・・・ヒスイ。おっぱい揉んで」
ヒスイの手を取って乳房へ。
恐る恐るヒスイが手を動かした。
(自分の胸を揉むなんて・・・複雑)
「ほんと・・・ちいさいね・・・」
コハクの手で覆ってみると大きさの対比がよくわかった。
客観的に見てみると、思っていた以上に小振りでショックが隠せない。
「いいんだよ。これで」
空いているほうの乳房を掴んでコハクが微笑んだ。
「ここも・・・ここも・・・みんな小さいのが・・・好きなんだ」
塞がれた穴の手前をせっせと剥いて肉の芽を見せる。
やっぱり小さい。
内側の空間も、口の中も、いっぱいいっぱいなのがいい。
(あぁ・・・ヒスイ!!好きだぁ!!)
言葉で言っても足りない。
心で叫んでもまだ足りない。
コハクは狂ったように腰を振った。
あっ。はぁ。ふぅっ。はっ。はっ。
「好きだよ・・・男でも女でも。どんな姿をしていても。ヒスイならいいんだ」
「お・・・にいちゃんっ!わたしも・・・っ!!」
コハクに感化され、ヒスイも大興奮。
好きだから。愛しているから。
快感を与えたいし、応えたい。
きゅ・・・っ。
ヒスイはコハクの胸を強く握って、乳首を指で摘んだ。
「あ・・・っ・・・ヒスイっ・・・イイ・・・」
コハクが喘いで、興奮全開。
股間が破裂しそうだ。
その気配を察してコハクが囁く。
「ヒスイ・・・出して。もう我慢しなくていいから」
「おにいちゃぅん・・・っ!!すきぃ・・・っ!!うッ!!」
そう叫んで、快感の波に身を任せる。
ビュッ!ドクドク・・・
痛いほどに凝縮されたものが解放された。
「あぁ・・・ヒスイ・・・」
受け止めて、感じる。
(あ・・・ピクピク・・・してる)
体内に溶け込んだ棒の状態が変化した。
本能が敏感に反応してしまう。コハクはすぐにヒスイの後を追った。
「ヒスイ・・・僕も・・・んっ・・・」
「気持ちいいね、おにいちゃん・・・」
「そうだね、ヒスイ・・・」
お互い入れ替わったまま、イかせ合って、開き直り。
セックスに於いてタフな二人は、ほとんど休むことなく2回目へ突入した。
「ヒスイ・・・僕の言うとおりにできる?」
こくん。
今度は下になってコハクが細かく指示を出す。
教え込むのは“抱かれる”のではなく“抱く”手順。
「まずはキスして」
「う・・・ん・・・」
はぁ。
はぁ・・・っ。
期待と興奮でお互いキスをする口から溜息が洩れる。
「おにいちゃん・・・」
覚えたての胸への愛撫。
揉んだり摘んだりしているうちに自然とキスが濃厚になる。
ハッと気付いて照れるヒスイに腕を回し、コハクがキスを返した。
下から顔を引き寄せ、隙間なく唇と唇を合わせる。
「・・・ヒスイ・・・クリ・・・触って」
「うん・・・」
「皮の上から少し擦ってくれるだけでいいから・・・」
2回目なので快感はもう充分全身に広がっていた。
ヒスイの指が指示された場所に触れる・・・
「んっ!んっ・・・あっ・・・」
指先で少し乱暴に扱われるのも嫌ではなかった。
それを思い出して実行してみる。
「ヒ・・・スイ・・・あっ・・・う」
軽く腰がひけて、次第にコハクの足が開く。
(おにいちゃん・・・もう欲しくなってる)
自分の体の反応だから・・・わかる。
(私も・・・入れたい。自分のアソコが恋しいなんて、変なの)
思わず笑いが洩れる。
(お兄ちゃんも同じコト考えてるんだろうな)
「ん・・・ヒスイ・・・そろそろ・・・」
二人の視線が交わる・・・そして頷き合った。
基本の正常位。
コハクはヒスイに向けて大きく脚を開いた。
「しっかり持って・・・ここに」
ヒスイは熱くなった肉棒を握り、コハクの局部へぐっと押し当てた。
「うん・・・あ・・・」
ツルッ。
「あれ?あれれ?」
たっぷりと濡れたコハクの入口はとにかく滑った。
入りそうで入らない。
「あはは!最初はそうなんだ。慣れるまで結構難しい」
「うぅ〜・・・ん」
「途中で抜けちゃうこともあるし」
「そういえば・・・」
昔を思い出す。
言われてみれば過去にそんな現象も起こっていた。
「色々あったねぇ〜・・・」
これまで幾度となく重ねてきたココロとカラダ。
くすぐったい気分になってまた笑う。
笑いながら・・・ゆっくりと挿入。
「ん・・・ヒスイ・・・」
「おに・・・ちゃん・・・」
んっ!んっ!
はぁ!あぁ・・・ん!!
お互い最高潮。
「あっ・・・イッちゃ・・・ぅっ!」
射精しながら、下半身を擦りつけるヒスイ。
更に深く迎え入れようとコハクは膝を曲げた.。
「ヒスイ・・・っ・・・」
「おにいちゃんっ!!あ、あー!!!」
一足先にヒスイが果てる。
それは男のカラダでも同じだった。
「ん・・・」
「ヒスイ、もう少し腰振ってみて。まだ残ってるはずだから」
最後の一滴まで射出させて、頬を撫でる。
「おにいちゃん・・・わたし、ほんとにやっちゃった・・・」
男としてのセックスに、ヒスイ感涙。
「ヒスイ・・・」
自分の泣き顔ではあるが、愛らしく見える。
「・・・いい子だ。よく頑張ったね」
抱きしめたヒスイの鼓動。
冷めて小さくなってゆく、僕。
繋がってしまえば、どっちがどっちでも構わない。
キミがいて僕がいれば。
いつだって愛し合える。
「もしこれで赤ちゃんができたら、お兄ちゃんがママで私がパパだね」
と、耳元でヒスイが笑った。