世界に咲く花

短編(No.02)

ジン×シトリン



シトリンと過ごす初めての冬。

 「お前・・・何で服着てないんだ??」
 「何でって・・・気分だけでも味わいたいから」

 「この寒いのに・・・風邪をひいても知らんぞ」
 「風邪なんかひくもんか。こんなにあったかいのに」

 外は雪。でも寒くない。

 愛する女性は、世界でいちばんあたたかい生き物だ。

 二人でいればあたたかい。
ヒトでもネコでも。
シトリンはあたたかい。

オレの存在がシトリンにとってもそうであったらいいのに、と思う。

 「・・・シトリンは寒くないのか?」
 「寒くないぞ。お前と一緒だからな」

シトリンがオレの上で丸くなる。

 心地よい重み。確かなぬくもり。
オレはゆっくりと瞳を閉じた。

この続きは・・・夢の中で。


+++END+++



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