世界に愛があるかぎり

短編(No.10)

お正月和風猫娘

※番外編『萌キャンディ』が元になっています。お正月のお話です♪


「ただいま〜!」
「おかえり。ヒスイ・・・って・・・ええっ!?」


メノウ様の所へ泊まりに行っていたヒスイ。
帰ってきたら・・・和風猫娘になっていた。


猫耳。しっぽ。牙。三種の神器、復活。

(着物!?その上、ミニ丈!!!?)

「ヒスイ、それ、どうしたの?」
「うん?朝起きたら生えてた」
(メノウ様、寝ている間にヒスイに何かしたな・・・)
「これね、お父さんが着せてくれたの。似合う?」
じっとヒスイが見上げる。長いしっぽをユラユラさせて。
「うん、似合うよ」
(っていうか、似合いすぎ!!!ヒスイいぃ!!萌えぇぇ!!)

ヒスイは華やかな桃色の着物・・・型破りな丈の短いデザインで。
脚を動かすと合わせ目から純白のパンツがチラチラ覗くのだ。
(メノウ様って・・・コッチの分野でも天才だ・・・)
さすがに同じ顔をした親だけあって、娘に何が似合うのか熟知している。



【やばすぎる/その可愛さに/即、勃起】



(・・・なんて一句詠んでる場合じゃないぞ。どうする!?)

まずはえっちか、それとも記念撮影か、コハクの中で欲望が渦巻く。
「お兄ちゃん?顔、真っ赤だけど大丈夫?」
「あ、いや、その、ねぇ・・・」
思わず後ずさりするコハク。
萌えキャンディの猫玉はとっくに使い果たしてしまって、ここ数年、猫耳プレイはおあずけだったのだ。
あまりに突然の再来に、興奮MAX。柄にもなく動揺して照れる。

数あるレパートリーの中でも、コハクは、猫耳プレイが大好きなのだ。

(コスプレじゃだめなんだ!実際に生えてないと!感じてる時のピクピクが・・・)
かぁぁぁ〜っ・・・
先走る妄想に、自分でも信じられないくらい赤面。
「おにいちゃん??」
「な、何でもないよ・・・何でも・・・」
猫耳。和服ヴァージョン。その破壊力も知らず、無邪気に迫ってくるヒスイ。
まだ貰っていない“おかえり”のキスを求めて。コハクへ腕を伸ばした。

ジリジリとコハクが下がる。
(まずい・・・判断力が・・・)
理論的に考えれば、記念撮影が先だ。
もっと目で楽しんでから、あとでたっぷりやればいい。
(そう思うのに・・・我慢できないっ!!)
「ヒスイっ!!」
コハクは一気に前進、ヒスイの肩を掴んだ。
「な、なに??」
「お願い・・・やらせて・・・」


はぁっ。はぁ。うっ・・・!

堪えきれずに、何度も果てて。
「ひぁ・・・っ・・・おに・・・」
割れ目から漏れ出す男女の混合液。
「もう1回・・・ね」
ヒスイのしっぽを掴んで、手繰り寄せ、強引な挿入を繰り返すコハク。
ズプ・・・
「あ・・・あっ、あ、あぁ・・・っ、あ」
リンリンリン・・・
「猫ならやっぱりコレだよね」と、三種の神器にプラスワン。
ヒスイの首に鈴輪を付けた。
手前を擦ったり。奥を突いたり。
コハクが腰を叩きつける度にヒスイの体が揺れ、鈴が鳴った。
リンリン・・・
(あぁ、コレ、最高・・・)
「お・・・おにぃ・・・ぅ・・・っう」
リンリンリンリン・・・

ヒスイの喘ぐ声と、鈴の音。
練られる愛液と、コハクの息づかい。

重なるリズム。素晴らしき四重奏。

それは、ほとんど一日中続いた。



そして翌朝、事件は起きた。

「おっ・・・お兄ちゃんっ!?」
すべてを出し尽くしたコハクは寝坊。
珍しくヒスイが先に起きて・・・驚嘆。
「ん・・・うん・・・ヒスイ・・・おは・・・」
コハクが起き上がる。
「お兄ちゃん!耳としっぽ生えてるよ!!」


「な・・・んで僕に・・・」
鏡を見て、茫然。
「あははははっ!!お兄ちゃん、可愛い〜!!」
ヒスイはベッドの上で笑い転げて、脚をジタバタさせている。
勿論まだ猫耳付きだ。
「お兄ちゃん。早くリビングに行かないと。みんなで初詣行く約束でしょ」


「・・・何だ、ソレは」
1階のリビングではすでにメノウとオニキスが待機していた。
メノウはニヤリ、オニキスは露骨に不審な目で、妙に膨れた帽子を被っている
コハクを見た。
「ぷぷぷ・・・お兄ちゃん・・・お尻変だよ」
無理矢理ズボンに仕舞い込んだしっぽで・・・もこっ。
隣でヒスイが肩を震わせている。
「隠さない方がいいよ・・・余計おかしいよ・・・」
「・・・・・・」
そうかもしれないと思い、無言で帽子を取ると・・・
猫耳、ピーン!

あ〜っはっはっは!!
くっくっく!
ぷぷぷぷぷっ!

メノウ、オニキス、ヒスイに散々笑われた。



「・・・メノウ様って結構僕に意地悪ですよね」
犯人はメノウ・・・それは明白だ。
「何なんですか・・・これ」
ヒスイの猫耳は愛しいが、自分のものは鬱陶しい以外の何物でもない。
「伝染病」
メノウが得意顔で答えた。
「えっちすると感染するんだ。ちょっと猫っぽくなるけど、悪影響のないウイルスだから心配ないよ」
「ウイルス性の感染症・・・」
まさかそんな・・・という顔をするコハクを苦笑いで眺めるオニキス。
(あのコハクを翻弄するなど、メノウ殿にしかできない芸当だな)
「そ。で、これがウイルスをカプセルにしたモノ。ヒスイに飲ませたヤツだよ」
「・・・・・・」
「・・・欲しい?」
メノウはいつものイタズラな眼差しで、カプセルの入った瓶を翳した。

コハク、脳内。

コレを飲ませればヒスイを猫耳にできる。
でも、えっちをすれば、僕も猫耳か・・・。
・・・・・・。
・・・・・・。
よし、決めた。

「いただきます」
コハクは笑顔でメノウから瓶を奪い取った。
「お前ってホント、欲望に忠実なヤツだよな」
ケラケラとメノウが笑って。コハクも更にニッコリ。
「いやぁ、それほどでも」

(・・・リスクより欲望を選んだか・・・)
オニキスは呆れ顔で、溜息を洩らした。


・・・その後、モルダバイトではしばしば猫耳男が出没したという。


+++END+++


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