World Joker

番外編

すべて、愛の所業

番外編No.3『H・バレンタイン』を前提にしております。
ホワイトデーに、なぜかお仕置きエッチ。
“コハクが鬼畜なのはわかってるから(笑)”という方向けです。
前編辛口。後編甘口。


3月14日。それは、ホワイトデー。

毎年恒例、ヒスイのう○こチョコのお返しに、トパーズが手作りの焼き菓子+αを持ってきたところから始まる・・・

 

赤い屋根の屋敷、リビング。

 

「・・・・・・」

今日もやっぱりヒスイは昼寝中で。当然、シャツ一枚だ。

トパーズを完全無視・・・頬をつついても、引っ張っても、キスをしても、起きない。

その傍らには、ひと足先に訪れたジストのお返しが、お供え物のように並べられていた。

トパーズはニヤリと笑い。

「ホワイトデーだからな。オレがいいものをくれてやる」

 

 

 

「ん・・・」

ヒスイが目覚めた時には周囲に誰もいなかった。が。

「!!?」

(えええーっ!?お尻からなんか、コードみたいなの出てるっ!!!)

「もしかして・・・」

もしかしなくても、大人のオモチャ、ローターである。

本体部分が、お尻の穴に挿入されているのだ。

電源OFFなのが、せめてもの救いだ。

「もぉぉぉ!!トパーズってばぁっ!!」

こんな悪戯をするのは、トパーズしかいない。

(お兄ちゃんに見つかったら、また喧嘩になっちゃうでしょっ!!)

コハクとトパーズの喧嘩は、とにかく物がよく壊れるのだ。

二人の諍いを未然に防ぐため、慌てて抜こうとするが、そこで運悪く。

「ヒスイ〜、チョコレートのお返しなんだけど・・・」

キッチンでお菓子作りに励んでいたコハクが、リビングを覗き込んだ。

「んっ?」(ヒスイから・・・コード???)

「あ・・・おにいちゃ・・・これはその・・・」

いつぞやの尻尾のように、ヒスイのお尻にぶら下がっているローター。

「・・・どうしたの、それ。またトパーズにやられちゃったのかな?」

眩い笑顔でコハクが詰め寄る。ヒスイはじりじりと下がって。

「ち・・・ちが・・・これは私が・・・自分で・・・」

咄嗟に嘘をつく。露骨に目が泳いだ。

「・・・・・・」(ふ〜ん、そうやってトパーズを庇う訳ね)

猛烈に嫉妬心を煽られる・・・キリがないので、考えないようにしていたが、ヒスイはお尻の穴まで息子に許すのかと思うと、やはり穏やかではいられない。

「ちょっと油断し過ぎじゃないかな?ねぇ、ヒスイちゃん」と、ニッコリ。

「!!」(お兄ちゃん怒ってる!?)

ヒスイは震え上がった。

 

 

“お仕置き”のため、コハクはヒスイを抱え上げ、隣の客間に向かった。

 

 

「邪魔が入るといけないからね」

そう言って、部屋の鍵を閉めるコハク。







※性描写カット










「ね・・・ヒスイ」耳元で、囁く。

 

 

「そんなに苛められるのが好きなら、僕も同じようにしてあげる」

 

 




※性描写カット









「触っててもいいけど」

と、コハクは笑い。ちゅっ。ヒスイの目元にキスをして。

 

 

「一番欲しいものはまだあげないよ」

 


 


※性描写カット










「まだまだできるよね?」

 

 




※性描写カット










「こっちは、これくらいでいいかな?」と、コハク。

 

 

「本番はこれからだよ」

 

 









※性描写カット





 

 

「気持ち良くなるまで、犯してあげる」

 

 

「!!ッあ・・・ごめ・・・なさ・・・」

コハクが怒っているのを思い出すが、もはや手遅れだ。








※性描写カット





 

 

お仕置きエッチは4時間に渡り。




※性描写カット
 

 

「っ・・・ふぁ・・・お・・・にいちゃ・・・わたし・・・おしっこ・・・した・・・トイレ・・・いかせ・・・おねが・・・」

ヒスイの体に生理現象が訪れた。しかし。

一時解放を懇願するも、聞き入れられず。

「!!あッ!あッ!あぁ・・・ッ!!で・・・でちゃ・・・や・・・やだって・・・ばぁ・・・っ!!」

泣き喚くヒスイ。コハクは笑顔で一言。

 

 

「もらせば?」


「ひっく・・・」





※性描写カット






「おにいちゃ・・・や・・・ぁ・・・」

ヒスイは涙声で訴えた。

「・・・・・・」(わかってる、意地悪言ってるって)

それでも、やめない。



(これでヒスイに殴られて、最後は土下座で謝ることになるんだ)

 

わかっているのに、繋いで離さない。

「あ・・・あああ・・・ッ!!」





※性描写カット






「う・・・トイレぇ〜・・・」




※性描写カット





コハクに足首を掴まれ、振り返る。

「お・・・おにい・・・?」

「行っちゃだめだよ、ヒスイ」

「ひぁ・・・ッ!!?」






※性描写カット







「あ・・・やだ・・・も・・・もれ・・・」

(ベッドでおしっこなんて・・・したく・・・ないけど・・・)

快感に抗いきれず。半分諦めかけた、その時。

「どうせなら、こっちも、ね」



※性描写カット



「い・・・ッ!!いやあッ・・・!!おにぃ・・・!!」

激しく抵抗するヒスイ。するとコハクは。

「いいよ、もらしても」

 

 

「あとで全部舐めてあげる」

 

 

・・・火に油の一言だった。

パンッ!!ついにそこでヒスイの平手打ちが決まった。

「・・・・・・」

驚くほど冷静に(ここまでか)と、思う。

まさに、ジ・エンドだ。

ヒスイは目も合わせずベッドを飛び出し、トイレへ駆け込んだ。

ドタドタドタ・・・バンッ!!

乱暴に扉を閉める音で、コハクを責める。

 

 

 

「あ〜あ・・・やっちゃったなぁ・・・」と、コハク。そこに。

「あ〜あ、やってくれたなぁ」言葉を被せてきたのは、メノウだ。

「・・・メノウ様、見てたんなら、もっと早く止めてくださいよ」

 閉めた筈の鍵が開いていたのも、メノウの仕業である。



「ヤリながらブッ飛んでたら止めたかもしんないけどさ、お前、冷静だったじゃん。で、どうだった?」

「まあ・・・思った通りになりました」

ヒスイに殴られた頬が痛い。どんな傷より堪える。

「馬鹿だよなぁ・・・お前。わかってんなら、最初からやらなきゃいいのにさ。あれはちょっとヒドイだろ」

「う〜ん・・・小さい頃は、おもらしばっかりしてたのになぁ・・・」

産まれた時から、ヒスイの下の世話をしてきたコハクには、些細なことなのだが。

「ソレとコレとは違うだろ」と、呆れるメノウ。

「ま、いいや。ヒスイは俺に任せとけ。今日はホワイトデーだからさ」

「ホワイトデー?何か関係あるんですか?」

「お前、俺にチョコくれたじゃん。そのお返ししてやるよ」

「そういえば・・・」

ヒスイの初代う○こチョコが大惨事を引き起こしてから、監視を兼ねて一緒に作るようになった。
その時の副産物チョコだ。
メノウに献上したのは、たまたまだった。

メノウは自前の手帳を取り出し、ペンを走らせ。

そのページを切り離し、コハクに渡した。

「2時間後、この場所に来いよ。気持ち良く仲直りさせてやるからさ」

 

 

 

一方、こちらトイレのヒスイ。

 

ぎりぎり間に合った。

が、当然不機嫌だ。便座の上で膝を抱え。

「お兄ちゃんのバカ!ヘンタイっ!!」

しばらく外に出たくない。

「もうっ!!トイレに籠っちゃうんだからっ!!」

籠城を心に決めるが、すぐにドアがノックされ。

「ヒスイ」メノウの声だ。

「腹の調子診てやるから出てきなよ」

「え?おとう・・・さん???」

 

 

 

それから2時間・・・

 

コハクはその間にチーズスフレを焼き、花束と図書券を用意した。

謝罪の手始めに、だ。無論、これしきで許して貰えるとは思っていない。

残った時間でシャワーを浴び、身だしなみを整えて。

メノウから受け取った住所へ向かった。

 

メノウが所有する広大な敷地内にある一軒の家。

立派なシャンデリアのある洋館だ。

吹き抜けの2階建、1階全体がホールになっていて、中央に階段がある。

その先に豪華な扉・・・ヒスイの気配がする。ノックをして、扉を開く、と。

天蓋付きの大きなベッドの上でヒスイが待っていた。石鹸の匂いがする。

身につけているベビードールは、サーモンピンクの水玉柄。キュンとくる可愛さだ。

「おにいちゃん!」

ヒスイは裸足で走ってきて、コハクに抱きつき。

「こっち」と、コハクをベッドに連れていった。

「横になって」

「うん?こうかな?」

コハクを先に横たわらせ、ベッドサイドに立つヒスイ。

フロントのリボンをほどき、パラリ。

サイドのリボンをほどき、ポトリ。

ストリップさながらに脱いでゆく・・・

「・・・・・・」(これ、どういうこと?)

明らかに、普段のヒスイの行動ではない。

(これがメノウ様の言ってた“気持ち良く仲直り”?)

ヒスイが怒っていない訳がない。なのに、至れり尽くせりで。

疑問に思いつつも・・・反応してしまう。

「よいしょ・・・っと」

裸になったヒスイはコハクの上に乗って。ベルトを外し、ズボンを脱がせた。

途中、髪を耳にかける仕草が(可愛いぃぃぃ〜!!!)けれど。

「・・・ヒスイ」

「なに?おにいちゃん」

「僕に何されたか、覚えてるよね?」

「うん、でも、もうへいきだよ?」

「・・・・・・」

記憶を失くした訳でもなければ、操られている訳でもなさそうだ。

コハクは下から手を伸ばし、ヒスイの顔を引き寄せ、キスを誘った。

ちゅ。ちゅっ。角度を変えて、何度か唇を重ね。



※性描写カット



いつものようにヒスイの頬が赤く染まり、少しホッとする。



※性描写カット




「あッ・・・うぅぅん・・・おにい・・・ちゃん」

そこでヒスイがコハクを呼んだ。

「ん?どうしたの?ヒスイ」

「このまま・・・して・・・いいよ・・・」

「?していい?何を?」

 

 

「おしっこ」

 

 

「・・・・・・はい?」

あまりに突飛なヒスイの発言に、思わず敬語が出てしまう。

「かくご・・・できてるから・・・」と、恥じらいながら瞳を伏せるヒスイ。

「いや・・・あのね・・・?」

(メノウ様ぁぁぁぁ!!!ヒスイに何てこと教えてるんだ!!!)

そんなことをすれば、炎症を起こす危険があるというのに。

(できる訳がない!!)

ヒスイを傷つけ穢す行為に他ならないと、コハクでも思う。しかし、ヒスイは・・・

「いいのっ!わたし・・・おにいちゃんのなら・・・ぜんぜんへいき・・・それくらい・・・す・・・すき・・・だから・・・あんッ!!」

自分で言って、恥ずかしくなり。感じてしまう。

「あッ・・・おにいちゃ・・・はやく・・・」

「ヒスイ・・・」

 

 

『お兄ちゃんのなら、全然平気』

『あとで全部舐めてあげる』

 

 

(ああ・・・そうか・・・)

自分の姿と重なり。ヒスイも同じ気持ちなのだと気付く。

“好きだから、こんなこともできるんだ”という、愛の証明。

(でも・・・していいって言われても、できるものじゃないよなぁ・・・こういうのは)

逆の立場になってみないとわからないもので。

こうして・・・またひとつ、愛を知る。

(完敗です、メノウ様)

もはや、この言葉しか出てこない。

コハクは息を吐いて一言。

 

 

「参りました」

 

 

 

「え?おにいちゃん???」

コハクは上体を起こし、座位でヒスイの体を抱きしめた。

「ごめん、ヒスイ。意地悪して、ごめんね」

「ううんっ!」

ヒスイもコハクの体に腕を回し。

2人、抱き合い。頬を寄せ合い、キスし合って。








※性描写カット



 

 

 

それから30分・・・

 

ヒスイを寝かしつけ、部屋を出るコハク。

「そろそろ来る頃だと思いましたよ」

「よっ!」

階段下には、メノウが立っていた。

「なかなかだろ?俺の演出」

「メノウ様、僕ができないのわかってて、ヒスイに教えたんでしょ」

「んなの、当たり前じゃん。いい勉強になったろ?」メノウがニヤニヤ笑う。

「お陰様で」と、コハクも苦笑い。

確かに、記念すべきホワイトデーとなった。

「まぁ、とりあえず・・・」今、思うのは。

 

 

メノウ様にチョコあげといて良かった・・・!!




+++END+++


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