World Joker/Side-B

番外編

S系セックス


[前編]


一家の次女アクアが、ある大人のオモチャを手にしたところから、すべては始まった。

“ペニスバンド”

疑似ではあるが、股間に装着することで自身のペニスとして使うことができる。
これにより、急にアナルセックスへの興味が出てきた。
浮かぶは当然、コクヨウの顔だ。

まずは〜実家にて。
コハクのシャツ一枚身に纏い、ヒスイがリビングの絨毯に転がっているのは日常風景。
子供達は皆、見慣れている。
アクアの調べによると・・・アナルセックス経験者はヒスイのみ。
絶好のお試し相手だった。

ガチャリ!

眠っているヒスイにファー付きの手錠をかけて、仰向けからうつ伏せへ反転させる。
それでもヒスイは起きなかった。
幸せそうに、ムニャムニャ口を動かしている。

「ママのぉ〜、お尻の穴、ちょっと見せてね〜」

ノーパン・ノーブラなので、鑑賞は簡単だ。
シャツの裾を捲り、小さなお尻の割れ目を開く・・・アクアの長い爪が薄い皮膚に食い込み。

「!?」

ついにヒスイが目を覚ました。

「え・・・ちょっ・・・???」

手首を拘束され、何故か下敷きになっている。
訳がわからないのも無理はない。
娘>母で、体型が全く違うため、抵抗のしようもなかった。
しかもアクアは、

「あ、これ、おみやげぇ〜」

と。
高級ブランドのショーツをヒスイの口に捻じ込んだ。

「!!むぐっ!?」

驚きで、吐き出すこともできなければ、助けを呼ぶことすらできないヒスイ。

「女同士なんだから、いいよね〜?」
「???」
(何が???)

お尻を抱えられても、まだ状況を理解できずにいた。
そこに。

「・・・何やってるの?」

と、コハク。

「あ、パパ〜、おひさぁ〜」

アクアは、コソコソする様子もなく、堂々としたもので。
一旦ヒスイから離れると、革のバッグから、ペニスバンドを取り出した。

「ね〜、見てぇ、これ〜・・・て、パパ?聞いてる〜?」

返事がない。
コハクは・・・じっとヒスイを見つめていた。

「あれ、君がやったの?」
「そだよ〜?可愛い〜でしょぉ?」
「・・・・・・」
(か・・・可愛いぃぃぃ!!!)

拘束のうえ、ショーツで口を塞ぐとは・・・まさに鬼畜の所業。
だが。
アクアとは、正直言って趣味が合う。
コハクにとっても眼福だった。

(さすが僕の娘!!)

と、絶賛したくなるが、すぐにハッとして。

(駄目だ!駄目だ!僕は優しいお兄ちゃん・・・優しいお兄ちゃん・・・)

キャラ設定を再確認・・・

「・・・で、話を戻そうか」

こうして何とか取り繕い、コハクは優しくヒスイを抱き起こした。
ただし、拘束も詰め物もそのままである。

「アクアぁ〜、お尻の穴のこと、もっと知りたくてぇ〜。ママに教えて貰おうと思ったんだけどぉ」
「んむ・・・ッ!!」
(そんなことできるわけな・・・)

「いいよ」

ヒスイの心の声に反して、コハクが答える。

「んぅッ!?」
(おにいちゃ・・・)

ヒスイを連れ、ソファーに移動したかと思うと、膝の上で両脚を広げさせ。
すかさずアクアが覗き込む。

「うわ〜・・・ママのちっさ〜・・・これちゃんと開くのぉ?」
「開くよ、ね、ヒスイ?」
「んー!!!」

銀髪を振り乱すヒスイ。
決して、同意している訳ではない。
コハクの強制開脚と、アクアの熱視線に抗っているのだ。

「お○んこも、超綺麗〜・・・」
「でしょ?」

日々、手入れを欠かさない。
褒められて喜ぶのはいつもコハクの方である。

「ママってぇ、なんでココに毛生えないのかなぁ〜」

アクアの疑問に。

「充分魅力的だからね。ヒスイには必要ないよ」

コハクが回答する。
余談だが・・・陰毛はセックスアピールという説があるのだ。

「ちょっとだけ触らせてぇ〜、おねがぁい」

ヒスイではなく、コハクに向けて両手を合わせるアクア。
息子なら、当然NGだが・・・

「手をよく洗ってからね」
「はぁ〜い」

調子良く返事をし、アクアは洗面所へ。
すると、コハクはヒスイの耳元へ唇を寄せ。

「いきなりだとびっくりしちゃうから、ちょっとだけ慣らしておこうね?」

囁きと共に口づけ、それから、うなじを舐め上げた。

「ふぁ・・・」

コハクの舌の感触に、ぞくりとするヒスイ。
セックスをして間もないので、体が敏感なままなのだ。

「んッんッんッ・・・」

両手で胸を揉まれると、脚を閉じるのも忘れ、乳首を尖らせ。
それが、シャツの布に擦れると、よがり声をあげずにはいられなかった。

「んッ・・・ふ・・・」

股間の強烈な疼きから、開いた膝が何度も何度も跳ね上がる・・・そして。

「っひッ・・・!!!」

ずッ・・・ぐりゅッ!
尻肉の間に中指を仕込まれること、10秒。

「あ・・・はぁ・・・」

指が抜かれる頃には、浅ましく快感を求める穴へと変えられていた。

「んぅ・・・ほ・・・にぃひゃ・・・」

コハクは、何事もなかったかのようにアクアを迎えた。

「指は入れちゃ駄目だよ。皺を触るだけ。あ、つけ爪は外すこと、いいね?」
「わかった〜」

コハクの厳重なチェックの後・・・

「は・・・んッ・・・!!!」

指先で中心をつつかれ、ヒスイの声が鼻から抜ける。

「なにこれぇ〜・・・柔らかぁい・・・」

ヒスイのアナルの仕上がりぶりに、感動するアクアだったが。

「あはっ、これぇ〜、欲しがってるんじゃないのぉ〜?入れてあげれば〜?」

いやらしく笑って、唇を舐める。
事前に弄られていたせいで、刺激に耐えられなかったのだ。
ヒスイの蕾は鮮やかに色づき、ヒクヒク・・・今にも開いてしまいそうだった。

「そうしようか、ヒスイ」

ほっぺに、ちゅっ。
で、機嫌を取って。

「見てく?」

アクアに話を振るコハク。

「見る見る〜!!」

こちらは大喜び・・・だが。

「んーッ!!!!!」

娘の前でアナルセックスに及ぶなど、恥辱もいいところだ。
ヒスイは

(ぜったい嫌っ!!)

と、暴れた・・・しかし。
なんとそこでアクアが。

「はぁ〜い、お尻にお注射しましょうねぇ〜」

などと言い出し。
ナースのノリで、コハクの膝からヒスイを抱き上げ、うつ伏せに寝かせた。

「んー!!!!!」
(なによ!子供みたいな扱いしてぇぇぇ!!!)

苦情を言ったところで、その声は大部分ショーツに吸収されてしまう。
そもそも、論点がズレていることに、ヒスイは気付かぬまま・・・

コハクの手が、ヒスイの腰を掴み。
ゆっくりと絨毯から引き上げられる・・・

コハクは、臍に届くほど反り返ったペニスの角度を片手で調節し。
先端の浅い切れ目から湧き出ている自身の体液で、ヒスイの皺をたっぷり湿らせた。
皺の方向に沿って丁寧に塗り込んだ後、中心に先端を押し付け、中まで届くよう、しっかり吸わせる。

「ん・・・ふぅ・・・」

アナルセックスは苦手だが、こうして後孔を濡らされるのは嫌いではなかった。
頬を染め、ヒスイが大人しくしていると。

「こわくないですよぉ〜?」

アクアが頭を撫でてきた。
またまた子供扱いだ。

(怖くないわよ!!お兄ちゃんのだもん!!)

ショーツを噛み、下からアクアを睨んだところで。

「!!んぐッ・・・!!」

今度はコハクがペニスを入れてきた。

「んッ!!ふッ・・・!!!」
(や・・・やめ・・・)

お尻の穴で感じているところを、目の前にいるアクアに見られたくない。
けれど・・・コハクのペニスがそれを許すはずもなかった。

「んふぁッ・・・!!」

肉茎が放出する熱によって、ジュクジュクと腸壁を灼かれながら、最奥まで掘られる・・・そこに亀頭を埋め込まれると、快感が芽吹き。
激しく擦られることで、腸内を循環し始めた。

「ふぁ・・・ぁぁ・・・」
「えっちな顔してぇ〜、そぉんなに、パパのお○んちん気持ちい〜の?」

と、喘ぐヒスイの鼻先に指を乗せるアクア。

「ふえっ・・・」

否定できないヒスイが、羞恥に涙する。
耳まで真っ赤だ。

「こらこら、苛めないの」

と、コハク。

「だってぇ、可愛いんだも〜ん。ね〜、ママぁ〜」

アクアはヒスイのつむじに軽くキスを落とした。
コハクは少々困った顔で笑って。

「君にはコクヨウがいるでしょ」

そう、アクアに言い聞かせた。

にゅりゅるッ・・・にゅちゅッ・・・にゅちゅッ・・・
肛辱は、まだ続いていた。

「結構、えろい音するね〜」

コハクの腰の動きを目で追いながら、生々しく官能的な響きに、アクアが耳を傾ける。

「うん、快感で濡れるところじゃないけど、こっちも粘膜だからね」

消化のために分泌される粘液が、異物に対して流用されているのだ。

「は・・・はぁ・・・あぐ・・・ッ・・・」
(おにいちゃんの・・・さっきからどんどんおっきくなっ・・・)

送り込まれるペニスが途中で詰まるようになってきた。

「!!うッ・・・う・・・」

息もできなくなるほど、腸内を圧迫され。
ヒスイの口から、度々甘い嗚咽が漏れた。

(おにい・・・ちゃん・・・)

セックス中も表情が変わらないので、非常にわかりづらいのだが・・・コハクも興奮しているのだ。

(なんか・・・うれし・・・)

純粋な喜びが、快感を一層煽り。
ヒスイの身体に絶頂の兆しが表れる。

「そろそろイこうか、ヒスイ」

この時を待っていたかのように、コハクが言って。
腸液にまみれたペニスが、急ピッチで出し入れされる。

「ひッ・・・ぃんッ!!はッ!はッ!あ・・・」
「「よしよし、いい子だね〜」」

コハクとアクアに体のあちこちを撫で回されながら、達するヒスイ。
同時に、腸内で育ったコハクのペニスも弾ける・・・

「ひッ・・・んぐッ・・・!!!」

直腸の突き当たりで発射が繰り返され、精液がそこにべっとり張り付く。

「あ・・・ぁぁぁ!!!!」

あまりの熱さにじっとしていられなくなり、狂ったようにヒスイがお尻を振り上げた。

「好きだよ、ヒスイ」

宥めるようにヒスイを抱き締め、コハクが告げる。

「ん・・・っふぁ・・・ほにぃひゃ・・・」

パチパチパチ・・・
両親に拍手を捧げるアクア。

「すっごい良かったよぉ〜、パパもママもありがと〜、じゃ〜ね」

アナルセックスの一部始終を見届けて、満足気に立ち上がる。
俄然、やる気が出てきたようだ。

「アクア、ちょっと話を・・・」

と、コハクが言ったところで、もうそこにアクアの姿はなかった。

「・・・・・・」

いきなり挿入はヒスイだからできるのであって。

(初めは、絶対無理しちゃいけないんだけど・・・)

・時間をかけてゆっくり慣らしていくこと。
・ローションは必要不可欠であること。

肝心なことは何も伝えていない。

「まあ・・・いいか」

どうせ、犯られるのは、コクヨウの方だから。


 
[後編]

 

エクソシスト正員寮。405号室。


人型で寛いでいたコクヨウ・・・だったが。
突然、悪寒がして。
全身、鳥肌。

「なんだ???」

その原因は、すぐさま明らかになった。

「ただいま〜」

と、アクアが帰宅し。

「今日はねぇ、すっごいお土産があるんだよぉ〜」

堂々と公開される、ペニスバンド。
目にした瞬間、コクヨウの顔から血の気が引く。

「今日はこれで〜、コクヨ〜を気持ちよくしてあげる〜」
「そんなモンで気持ちよくなれるわけねぇだろがっ!!」

コクヨウが怒鳴り散らす一方で。

「はぁ〜い、両手こっちね〜」

早くもアクアのペース。
実は、大人のオモチャをもう一つ隠し持っていた。
拘束用の“指錠”だ。

「そうそう〜、親指揃えて〜」

ペニスバンドにばかり気を取られていたコクヨウは、あっさりアクアの罠に嵌り。

「んなっ・・・!?」

いつの間にか両腕の自由を奪われ、うつ伏せに転がされていた。

「おまたせ〜!」

全裸にペニスバンドを装着したアクアに腰を掴まれ。
コクヨウの心拍数が嫌な具合に跳ね上がる。

「それじゃあ、イクよぉ〜!」
「!!いきなりかよ!?」

ズボンと下着を同時に引き摺り下ろされ、思わず声が裏返るコクヨウ。
男女逆ではあるが、後背位で。

「やめっ・・・入るわけねぇっ!!!うぁ・・・!!」

アクアは、コクヨウのアナルに疑似ペニスの先を無理やり埋め込んだ、が。
すぐに押し出され・・・一向に開く気配がない。
何度やっても結果は同じ。赤く充血してゆくばかりだ。

「いっ・・・てぇんだよっ!!やめろって・・・」
「ママのお尻には〜、パパのお○んちん、ちゃんと入ったもん。大丈夫だよ〜」
「“開発済み”と一緒にすんな!!ボケ!!」
「でもぉ〜、コクヨ〜のお○んちんだって、大きくなってるよ〜?痛いの結構好きだったりして〜」
「そんなんじゃねぇ・・・よっ!!」

それは、アクアが・・・
肛辱の合間にじゃれついて、たわわに実った胸を背中にのせてくるからだ。

「やるならやるで、勉強してこい・・・っ!!」

コクヨウは、ついに自棄になって叫んだ。するとアクアは。

「一応、パパとママのとこで勉強してきたんだけど〜?」

心外そうに、唇を突き出した。

「アクア、勉強きら〜い。いいじゃん、勉強しなくたって、死ぬわけじゃないし〜」
「そりゃ、テメェは死なねえだろうが・・・」
(テキトーにケツ掘られたら、オレが死ぬんだよ!!クソッタレ!!)

その時〜アクアの携帯が鳴った。

「もしも〜し、あ、クジャぁ?」

バイト仲間からの電話のようだ。
これによって、強制挿入は一時中断となり。
コクヨウがホッとしたのも束の間・・・。
少しの間、仕事の話をして、次の話題へ。

「そ〜、今、ペニバン使ってるんだけど〜、なかなか入んなくて〜。え〜?ローション?そ〜なのぉ?」

お喋りを続けながら、キッチンの方へと移動するアクア。
それから数分・・・電話を切って、戻ってきた時には。
ペニスバンドが、進化を遂げていた。卑猥なヌメリを帯びている。

「おまっ・・・なんだ・・・そりゃ・・・」
「んふふ。卵白だよ〜」

どうやら、ローションの代用らしい。

「玉子、買い置きしといて良かったぁ〜。これでひとつになれるよぉ〜」
「いやだ・・・なりたくねぇ・・・」

コクヨウが、必死に床を這い回るも。
“S”の捕獲力の前では無力だ。
再び後背位で、マウントポジションを取られてしまう。

「!!ち・・・っくしょう・・・」

先程までとは明らかに違う挿入感。
滑って、押し戻すことができない。

「うう・・・っ!!!」

皺に沿って中心を突破され、コクヨウの口から嗚咽が漏れる。
もうこのまま受け入れるしかなかった。
声を殺し、疑似ペニスによる開門に耐えていると。

「コクヨ〜はぁ、キスもエッチもサンゴちゃんが初めてでしょ〜?」
「アクアだって、ひとつくらいコクヨ〜の初めて欲し〜の」
「・・・・・・」

なんとなく、もっともらしい、アクアの言い分に。
つい、流されそうになるコクヨウだったが・・・

「そういう問題じゃねぇ!!」

と、辛うじて踏み止まる。

「女が男のケツにブチ込むなんて、おかし・・・っあっ!!」

大声を出すと、穴まわりに痛みが走る。
何もかもが手遅れだった。

「はぁはぁ・・・も・・・やめろって・・・」

アクアは見事な腰使いで、疑似ペニスをまるで生き物のように動かしていた。
腸内を食い荒らされる音が、ぬっちゃぬっちゃと、腹部に響く。

(な・・・んだよ・・・これ・・・あり得ねぇ・・・)

“痛い”はずが、“気持ちいい”。
M的快感に翻弄されるコクヨウ。

「!!く・・・うぁ・・・ッ!!」

時折、ひどく感じて。
体を震わせるようになっていた。

「はぁっ・・・!はぁっ・・・!」

羞恥と屈辱と・・・驚きと戸惑い。
怒りはあるが・・・憎しみはない。
心も体もアクアを生涯の伴侶として認めているため、抗いきれないのだ。

「んふふ・・・コクヨ〜、可愛い〜」

アクアの手が、コクヨウのペニスを掴む。

「!?なにすん・・・」

扱かれれば、こんな時でも、ぐんと伸びて、硬くなる。
アクアはそれを操縦桿として握り、コクヨウに腰を振らせた。

「バカッ・・・やめ・・・」
「あっ・・・いいカンジぃ〜・・・」

アクアもまた、一緒になって腰を振り。
楽しそうに乳房を揺らす。
腰の振り合いを5分ほど続けた後・・・

「そろそろイかせてあげる〜」

と、アクア。
コクヨウの嚢のヒダを優しく手で撫で。
ふたつの玉を擦り合わせるようにして揉んだ。
カウパー濡れした切っ先に、爪を割り込ませ。尿道口を刺激すると。

「はぁっ!はぁはぁ・・・!!」

コクヨウの息が一段と激しく乱れた。

「はっ・・・っあ・・・あ・・・はぁはぁ・・・」

何が、何処が、気持ちいいのか、もうわからない。
精を放った瞬間、あらゆるものから解放され〜すべての感覚を失うコクヨウ。
糸の切れた操り人形が如く、一気に床へと崩れ落ち。
ぴくりとも動かなくなった。

「あれぇ〜?コクヨ〜???」

 

「・・・・・・」

気が付くと、見慣れぬ天井。
コクヨウは、診察台の上で横になっていた。

(病院???じゃねぇ・・・)

雰囲気は限りなく近いが、医療プレイ用にリフォームされた客室。
ここは、赤い屋根の屋敷だ。

「大丈夫?」

と、コハクが部屋に入ってきた。

「アクアがね、気絶した君を、ここまで担いできたんだよ。“コクヨ〜が不能になった”“ど〜しよ”って」

事情を知ってはいるものの、さすがに驚いたと話す。

「塗り薬持ってきたんだけど、使う?」
「いらねぇよ!!ででげ・・・」
「じゃあ、こっちを」

コハクは、のど飴をコクヨウの口に放り込んだ。
それから。

「声が枯れるほど、喘いだ?」

と、笑う。

「・・・・・・」
(このドS親子が!!)

しかし、正直今は、虚勢を張る気力すらなかった。
顔を合わせまいと、黙って体の向きを変えようとしたところで。
不意に、コハクに肩を掴まれ。

「本当に災難だったね。でもこれは〜」

「男として、なかなかケジメをつけない君への罰だ」

「・・・なんてね」

穏やかな口調だが、冗談に聞こえないから、怖い。

「まあ、これに懲りたら、指輪のひとつでも買ってあげることだね」

ゆっくりしていって、
と、コハクに言われたものの。

「・・・クソッ!」

根性で体を起こす。
と、そこに。
アクアが顔を出した。

「コクヨ〜?無理しないほ〜がい〜よ?」
「大したことねぇよ」

強がりを言って、床に両脚をつくコクヨウ。
鈍く深い痛みが残っているが、今は構ってなどいられない。
立ち上がった理由は、ひとつ。

「指輪、買いに行くぞ」
「!!うん!!イクイク〜!!」

「ね〜、コクヨ〜。指輪買うの、初めて?」
「初めてだよ!!文句あっか!?」
「ん〜ん〜!ないっ!アクアが、超〜嬉しいだけ!!」
 

+++END+++


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