World Joker

番外編 双子兄弟のイタズラエッチシリーズ第四弾。オトナのストセラ「今夜は明かりを消して」のリベンジ(?)的作品

キミはご馳走

コハク×ヒスイ 双子兄弟 他

[前編]

赤い屋根の屋敷。
思春期アイボリーの部屋にて――


「あーくん、えっちな本、貸して」


ヒスイが言った。
「別にいいけど、どした?急に」
アイボリーが不思議がる。
「お兄ちゃんに、もっと気持ちよくなってもらいたいの。薬とかに頼るんじゃなくて」と、ヒスイ。
アイボリーに手渡された、えっちな本のページを捲りながら、真剣そのものだ。
「テクニックを磨かないと・・・」などとブツブツ言っている。
「・・・・・・」(このひと、またやらかす気だ・・・)
双子の兄マーキュリーもその場に居た。
黙って、弟アイボリーと視線を交わす。

結局のところ、双子の言動がヒスイをおかしな方向へ導いてしまうのだが。

みすみす放ってはおけない。
ヒスイは輪をかけて真面目な顔で。


「お兄ちゃん、すっごく気持ちいいの」


「だから、私と同じくらい、お兄ちゃんも気持ちよくなってくれたらいいな、って」
「・・・・・・」←沈黙のアイボリー。
ヒスイの乱れ具合は半端ない。
(頭ん中まで蕩けたみたいな、えっろい顔してんの、知んねーんだろうな、ヒスイ・・・)
覗きをしてきた立場から。
(コハクまであーなったら、成り立たねーって)
ツッコミが喉まで出かかったが。そこは発想の転換で。
「しばらく“おあずけ”してみたらいーんじゃね?」
我慢した分、快感も倍増!と、ある意味もっともなことを言うアイボリー・・・だが。
「無理。私が我慢できない」
ヒスイが即答する。
「ひとりえっちすりゃいーじゃんか」
「あれ苦手なんだもん」
「・・・じゃあ、俺とする?」
「する訳ないでしょ」
アイボリーが言うと、冗談にしか聞こえないらしく。
ヒスイはふくれっ面で聞き流した。


二人の不毛なやりとりに、見兼ねたマーキュリーが。
「もっと大人の男性に相談してみたらどうですか?」と、提案する。
「大人の?」
ヒスイは目をぱちくり。それから・・・
「セレとか?」
外見的に一番年上に見えるという理由から、名を挙げた。
「いや、あいつはやめとけ」
俺のシックスセンスがそう告げている、と、アイボリー。
「なんつーか・・・アヤシイ」
「そう???」
ヒスイが首を傾げる。
「でも他に・・・」
「いるじゃんか!適任が!」
アイボリーが立ち上がり、ヒスイの手を引く。そして・・・




国境の家にて――

「・・・・・・」
安心安全の、オニキス。
二階の書斎で、椅子に腰掛け、読書をしているところだった。
「しっかり教えてもらえ!!男のカラダについて!!」
「え・・・ちょっ・・・」
アイボリーが勝手にヒスイを抱き上げ、向かい合わせになるよう、オニキスの膝に座らせた。
「・・・・・・」「・・・・・・」
オニキスとヒスイ。互いになんとなく気まずかったが。
「あの・・・えっと・・・」
引くに引けなくなったヒスイはオニキスを見上げ。
「お兄ちゃんって、どのへんが感じるのかな?」
「・・・オレが知っているとでも?」
「・・・思わないけど」
はぁ。オニキスの胸元に額を預け、柄にもなく溜息。その時ふと。
「・・・あ!男のヒトって、おっぱいとかどうなのかな?」
どうしようもない閃きを口にするヒスイ。
「ちょっと触らせてくれる?」
「・・・・・・」(何故、オレで試す)
相変わらず酷い扱いだ。
待て、と、ヒスイの手首を掴むオニキス。
「なに?別にいいでしょ?」
感想を聞かせて欲しい、と、ヒスイが迫る。が・・・
「・・・迎えが来たぞ」
ガラスの窓越し、金色の羽根が数枚落ちてくるのが見えた。
「え?」(お兄ちゃん?)
「俺達が時間を稼ぐ!」と、アイボリー。
「その間に体裁を整えておいてください」と、マーキュリー。
オニキスは素早くヒスイを膝から降ろした。
男達の脳裏に過ぎるは、コハクの“お仕置き”。
ヒスイが泣かされるのは目に見えている。
そうならないために、気を回しているのだが・・・
「え?なに???」
ヒスイ本人はあまりわかっていないようだった。

それから間もなく。

「ヒスイ、帰ろうか」
コハクは笑顔で、ヒスイの前に現れた。
「あ・・・うん・・・」




夫婦の部屋にて――

結局何一つ解決しないまま、夜になり。
(・・・どうしよう)
バスタオルを巻いたまま、ベッドの前で立ち尽くすヒスイ。
シャワーを終えたコハクが、もうすぐ来る。
(とりあえず、今夜はいつも通りに・・・でも、あれ、試してみようかな・・・)
「ヒスイ、お待たせ」
その声と共に、後ろから抱きしめられ。
「ひぁ・・・っ!?お・・・おにいちゃ・・・」
ヒスイは驚き、身を竦ませた。
くすり、隠れてコハクが笑う。
ヒスイの企みについてはアイボリーから聞いていた。
どうする気なのか、今から楽しみだ。
「ベッド、行こうか」
「ん・・・」


バスタオルを身に纏ったまま、ベッドの上、横になる。
そこに乗り掛かるコハクは、何も身に着けていない。
(あ・・・)
硬く反り返るペニスがヒスイの目に入った。
もうそれだけで、濡れる。
「ヒスイ」
優しく名前を呼ばれて、顔を上げると。
ちゅ。右の頬に唇が降ってきて。
「あ・・・」
バスタオルが剥される。
「ん・・・」
続けて唇を塞がれた。
「はぁ・・・」
コハクの熱に溶かされた唇はすぐさま半開きになり。
とろとろとした隙間から、コハクの舌先が入ってくる・・・が。
(だめ・・・このままじゃ・・・いつもとおなじになっちゃう・・・)
「っ!!」
ヒスイは自ら唇を離した。
コハクのキスを拒むことなんて、これまでなかった気がする。
「はぁはぁ・・・」
「・・・ヒスイ?」

[後編]

これ以上先に進んだら、理性も何もなくしてしまう。
(するんなら・・・いましか・・・)
意を決し。コハクの下で更に小さくなるヒスイ。
頭の位置をずらし、コハクの胸元に唇を寄せる・・・

「・・・ん?」と、コハク。

何をするのかと思えば、恐る恐るコハクの胸をまさぐり。ちゅっ・・・くちづけ。
ヒスイなりのおっぱい責めだ。
(や・・・やっちゃったぁぁぁ・・・)
次の瞬間、カーッと一気に赤くなる。
「っ〜!!へんなことして、ごめ・・・」
ヒスイは羞恥パニックに陥り、あたふたしている。早くも涙目だ。
(可愛いなぁ・・・)
コハクは笑って、ヒスイを懐に抱き込んだ。
「気持ち良くしてくれようとしたんだよね。ありがとう、ヒスイ」
その気持ちが嬉しい、と、しっかり伝えてから、キス再開――


「あ・・・おにい・・・」
目を閉じきる前に、唇が掴まってしまう。
「ん・・・ふ・・・」
舌と舌が絡まって、ほどけない。
深く、浅く、唇が触れ合う度、官能の波が押し寄せる。
ヒスイはうっとりとコハクのキスを受けた。
(おにいちゃ・・・きもちい・・・)
コハクのまだ少し湿った毛先を指で摘むのが精一杯で。
もう自分から責める力は残っていない。
「ふ・・・はぁ・・・」
舌がほどけ、唇が離れる頃には、すっかりいつものヒスイに戻って。
コハクに身を捧げていた。
「ヒスイはもう知っていると思うけど、僕はね――」
コハクはそんなことを話しながら、ヒスイの脇下あたりから、腰骨まで、薄いボディラインに沿って、ゆっくりと撫でた。
「尽くされるより、尽くすほうが好きなんだ。だから、今夜も――」


「尽くさせて?」


ヒスイの鼓膜に響くその声は、限りなく甘く。全身がざわめく。
お臍の裏側が熱を持ち、吐く息も自然と熱くなった。
「はぁはぁ・・・おにぃ・・・ちゃ・・・んッ!!」
コハクの唇がヒスイの乳首に被さる。
「んんッ!!あ!!」吸われた途端に勃ち。
じんじんとした快感が乳房を巡る。
「は・・・あん・・・」
乳首は蕩けて、ねっとりと。コハクの舌にくっついていた。
「はふ・・・あ・・・」


側位でヒスイの片脚を持ち上げるコハク。
「あ・・・おにぃ・・・」
開きかけているヒスイの陰唇と、自身の唇の方向を揃えてキスをした。
「ひぁ・・・あッん!!」(これ・・・はずかし・・・)
唇と唇がぴったり合わさり。
「んッ・・・ぅ・・・!」
本物の唇にするのと同じようにするから・・・堪らない。
上下を軽く啄んだり、強く全体を押し重ねたり、そっと表面を舐めたり。
「!?ふぁッ・・・あ・・・」
愛を実感した陰唇・・・肉ビラが、より濃厚なキスを欲しがり。
コハクの口元で、にゅちゅにちゅ、音をたてて動いた。
「や・・・も・・・やめ・・・」
本心なのか、そうではないのか、自分でもわからないまま、口走るヒスイだったが・・・
その言葉はあえて聞き流され。


「ヒスイのココは、キスが好きだね」


涎に見立てた愛液を、指で拭ってコハクが言った。
「いいよ、もっとしようか」
優しく笑いながら、そこに唇を当て。ほつれ目に舌を入れた。
「!!っあッ!!あ!!」
シーツを掻き毟り、喘ぐヒスイ。
腰、肩先、頭・・・体の曲線に快感が走る。
膣内も痺れて。コハクの舌にされるがままになっている。
「あッあッ・・・ん、あぁ・・・」
膣の深いところで、コハクが舌先を遊ばせる。
濡れ肉の中、ぐぷぐぷと音が鳴り響き。
そこからどんどん快感が広がって。
「う・・・ぁ・・・あぁッ!!」
(お○ん○んまだ・・・なのに・・・きもち・・・よすぎ・・・て・・・がまんできな・・・)
「あッ・・・きちゃうっ!!おにいちゃ・・・あ!!」
持ち上げられた足が震える。
舌で淫らに繋がれ。到来する飛翔感から逃れる術がない。
「あ・・・あぁ・・・ッ!!!」
高い声を発し、ヒスイが達すると、コハクは舌を抜き。
ヒスイの体を仰向けにして、上からその姿を眺めた。
(うん、やっぱりコレだよね)
愛らしくハの字になった眉と、下がり気味の目尻。
左右の頬は真っ赤に熟れて。
口の端は完全に力が抜けている。
“気持ちいい”涎を止めることができない。
(僕にとっては――)


感じてるヒスイの顔が、ご馳走だから。




ヒスイが落ち着くまで少し待ってから。
「好きだよ、ヒスイ」
手の甲にキスをして。いつもの告白。それから。
伸ばした状態で両腕をベッドにつき、ヒスイの顔を見ながらペニスを挿入した――
「あッ!!んぁッ!!あぁ・・・ッ!!!」
コハクの腕を掴むヒスイ。
背中を反らし、膝を開き倒しながら、迎え入れる。
途中、ブルッ・・・震えて。
コハクが収まりをつけると、くの字に曲げたヒスイの両脚がビクン!と一回跳ねた。
「・・・ね、ヒスイ。僕の顔、気持ち良さそうに見えない?」
「ん・・・はぁ・・・」
「気持ちいいよ、ずっとこうしていたいくらい」
「はぁっ・・・はぁっ・・・ん・・・」
声をかけられたヒスイは、懸命にコハクの顔を見ようとしていたが・・・
「あッ・・・うぅんッ・・・」
膣内のペニスが気になって、どうしても視線が定まらなかった。
絶頂のあとで、敏感になっているのだ。
「んッ・・・ふ・・・ッ!!」
コハクの下、体を捻じり、悶えている。
そんなヒスイの髪を撫でながら、キスを繰り返すコハク。
「僕も気持ちいいんだ、わかるよね?」
何度もそう言い聞かせた。
どこまで効果があるかわからないが、ヒスイは頷き。
「よしよし、いい子だね」
ご褒美とばかりに、コハクはペニスの抽送を開始した。
「んぁッ!!はッ・・・あ!!あッあッあッ・・・んッ!!」
ずぷッ!ずぷッ!ずぷんッ!!ぱちんッ!ぱちんッ!
「んひッ!!あ・・・!!」
肉の矢尻で内側を深く抉られる快感のあと、肉の重しで外側を甘く叩かれる。
男性器の二重の快感をたっぷりと、余すところなく味わって。
「あ・・・あぁッ・・・!!ひッ・・・あ・・・あんッ!!あんッ!!あうん・・・ッ!!」
突き上げられながら、翡翠色の瞳も一緒に揺れ動く。
鼻先、額、頭のてっぺん、あらゆる場所から快感が突き抜け。
蕩けていた筈の乳首までも、ピンと張って。気持ちいい。
「あッはッ・・・おにい・・・んくッ!!あッ・・ふぇッ!?」
すっかり滑りの良くなった膣肉が、突き込みの勢いのまま、亀頭を子宮まで運び込み。
「――!!!!!」
その瞬間、ヒスイが昇り詰めた。
白い光が瞼の裏で弾ける。
「あ・・・あ・・・ひ・・・」
追って、子宮の中に熱い精液が沸き上がった。
「!!んふぁぁぁぁッ!!!」


「あ・・・おにぃ・・・ちゃ・・・」
コハクの綺麗な顔が近付いてくる・・・が、ぼやける。
「ん・・・・・・」
唇にキスをしてくれているのは、なんとなくわかったが。
そのまま意識が吹き飛んだ。
「す・・・き・・・」
最後にそう言い残して。
「僕もだよ、ヒスイ」




手慣れた様子でヒスイのアフターケアを済ませ、自身もジーンズを穿く。
それから・・・
「どうだった?」と、コハク。
その声は、息子アイボリーに向けられていた。
「やっぱわかりづれーよ」
そう言いながら、夫婦の部屋に入室するアイボリー。
「そんなにわかりにくいかな?昔、アクアにも言われたんだけど」
コハクは苦笑いだ。
「表情があんま変わんねーよな、コハクって。心ん中は違うんだろーけど」
アイボリーはそこまで言って。
「俺にいい案があるぜ」と、続けた。
「へぇ、何?」
「ちょっと屈んで、目つぶれ」
「こう?」
すると、キュッキュッキュッ・・・両頬にマジックペンの感触。
「・・・何これ」
スタンドミラーで確認するコハク。
「よく漫画であんだろ!ほっぺに////ってヤツ」
“照れ”の描写、と、アイボリーが胸を張る。
「これでコハクも照れてるように見え・・・」
「あーくん?コレは何の冗談かな?」
拭いても、落ちない。強力油性。
「じょ・・・冗談じゃねーし・・・」
コハクの怒りを察知し、アイボリーの声が小さくなる。
「お揃いにしようか、あーくん」
マジックペンをひったくり、コハクが笑顔でにじり寄る。
「俺はいい!自力で出せる!!」
「まあ、そう言わずに」

その時。

「う〜ん・・・」と、ヒスイの声。意識が戻ったのだ。
「!?お兄ちゃん!?何、その顔・・・」
驚き、目を丸くする。
そして・・・お腹を抱えて大笑い。
「あははっ!!漫画みたいだよ、お兄ちゃん」
「・・・・・・」
アイボリーには逃げられてしまったが。
(まあ、いいか。ウケてるし)




笑ってるヒスイの顔も、ご馳走だから。

+++END+++

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