World Joker

番外編

レディファーストと夜のオーダー

コハク×ヒスイ(+覗き組3名)

[前編]

梅雨の晴れ間のとある休日――

赤い屋根の屋敷には、住人のアイボリーと・・・ジスト、アクアの姿があった。
入れ替わり立ち替わり子供達が顔を出すため※主にヒスイに会いに※こういうメンバーが揃うのも珍しくはない。
「なぁ、コハク、ヒスイは?」と、アイボリー。
ついさっきまでクッションに埋まっていたのだが、いつの間にかいなくなっていた。
「ヒスイは寝室に移したよ」
コハク曰く。夕べは『春夏秋冬』の任務で帰りが遅く、ヒスイはかなり寝不足なのだという。
「じゃあオレっ!ヒスイが起きるまで待ってるよっ!!」
どうしても会いたいジストがそう言って。
「ま〜、しょ〜がないね〜」と、アクアも頷いた。


「それじゃあ、ゆっくりしていくといいよ」
コハクが紅茶とスコーンをテーブルに並べると、それぞれ着席し、しばらくは近況報告などをしていたが・・・
「なー・・・コハク」
「ん?」


「今までで一番エッチだったエッチって、どんなの?」


退屈を持て余したアイボリーが、突然切り出した。
「あ、それアクアも聞きた〜い」
「オレもっ!!」
アクア、ジストも続き。コハクは苦笑いだ。


今までで一番エッチだったエッチ。


「それを決めるのは、ヒスイだからね」
徹底したレディファースト。
ヒスイの快感をコハクが何より優先しているのは、覗きをする者なら皆知っている。
従って、コハクの言うことは理解できた。
アイボリーは前向きに質問を変え。
「じゃあさ、思い出に残ってるエッチとか」
「毎回、と言いたいところだけど」
コハクは少し考えてから。
「そういえば、この間・・・」
子供達のリクエストに応え、話し出した――


「ヒスイが、“夜のオーダー表”をくれたんだ」
夜のオーダー表・・・ヒスイが照れに照れながら、コハクに渡したそれは、クリップボードだった。
ピンク色の便箋が一枚挟んである。
「あの・・・ね、いつもして貰ってばっかりだから、今夜は私がお兄ちゃんの喜ぶこと、するよ。何がいいか書いて」と。


「うわぁ〜何それぇ〜・・・ママ可愛い〜」
「んでっ!?父ちゃん、何書いたのっ!?」
「何も書かなかったよ」という、コハクの答えに。
「マジかよ・・・もったいねー・・・」アイボリーが呟く。
「いつものように“僕”で気持ちよくなってくれることが一番嬉しいからね。ヒスイにもそう話したよ」
「で〜?ど〜なったの?ママのことだからぁ〜、ど〜せなんかやらかしたんでしょぉ?」
「そうなんだよね」と、笑いを堪えるコハク。
話の続きが聞ける!と、覗き組3名が身を乗り出した、その時。
「あ、そうだ」コハクが席を立つ。
キッチンの床下収納から、コハクは一冊の本を取り出し、それを子供達に託した。
なぜそこから、それが出てきたかは、とりあえず置いておいて。
それは・・・映像音声記録能力を持つ特殊な魔本だった。※詳細は番外編『ホワイト・マジック』にて※
「あとは、それを観ればわかるよ。僕は外で洗濯物を干してるから、何かあったら呼んで」


こうして、残された三人は期待に胸を躍らせ、魔本を開いた――





――そこは、見慣れた夫婦の部屋。

ランジェリー姿のヒスイが、ひとり、姿見の前に立っていた。
その手に、軟膏※缶入り※らしきものを持っている。

“コハク”で、もっと気持ちよくなるために。

ヒスイはなんと媚薬を自作していた。
「急だったから、材料足りなくて軟膏になっちゃったけど・・・大丈夫・・・だよね?」
ブラジャーを外し、左右両方の乳首に軟膏を塗り込む。しかし。
「ん・・・・・・あれ???」
特に変化がない。
「おかしいわね」
ヒスイは首を傾げながらショーツを脱ぎ、今度はクリトリスにたっぷりと軟膏を乗せた。
媚薬軟膏は、消えるようにヒスイのカラダに馴染んだが、やはり何の変化もない。
「こんなはずじゃなかったんだけど・・・」
ブツブツ言いながらベッドへ潜り込むヒスイ。
頭から上掛けを被り、配合成分の確認をしているうちに、家事を終えたコハクがやってきた。
「ヒスイ」コハクが優しく名前を呼ぶと。
ヒスイは上掛けから顔を出した。
その唇に、ちゅっ。キスをして。
「えっち、する?」
「ん!」



ヒスイの上に乗り、コハクが再び口づける。
「ん・・・は」
ヒスイは、コハクの唇と舌を順に受け入れ。
「はっ・・・はっ・・・」
導かれるままに、舌と舌で唾液を練り合わせた。
くちゅ、くちゅ、ちゅっ・・・
懸命に舌を使うヒスイの頭を、上手上手と撫でながら、コハクは空いている方の手をヒスイの割れ目へと差し入れた。
「ん・・・ッ!!」
あたたかな肉の亀裂に沿って指を動かし、そこが愛液でヌルついてきたところで、膣口をつつくように指先を浅く入れる。
つぷッ!つぷッ!つぷんッ!ちゅくッ!ちゅくんッ!
「ん・・・あぁ・・・」
ヒスイの膣口から、たちまち愛液が溢れる・・・
すると今度は、中指と薬指を膣内に滑り込ませ、激しく擦り上げ始めた。
「んッ!!あん・・・ッ!!はぁはぁ・・・あッ・・・はッ!!」
ぬぢゅッ!ぬぢッ!ぬぢッ!じゅぷッ!じゅぷッ!
指を根本まで入れ、膣肉を突きながら、手のひらで陰唇を撫で擦る。
「んッ・・・んんッ!!は・・・!!」
コハクとキスを続けながら、ビクッ!ビクッ!と、股間を反応させるヒスイ。
「ん・・・ふ・・・」(ナカ・・・どんどんひらいて・・・く・・・)
そこが、コハクのための“穴”になっていく感覚に、悦びの愛液が止まらない。
「はっはっ・・・おにいちゃ・・・!!」
ヒスイは昂ぶり、コハクと淫らなキスを交わした。
恥じらい、内側を向いていた膝は、いつしか外側に開き。
シーツの上の愛液溜り、それができる様までも、いやらしく晒していた。


「このまま一回イく?」


唇を離し、コハクが尋ねる。
「あッあッ・・・」
膣肉を裂く、コハクの指・・・鋭く甘い悦楽に、カクカク腰が揺れてしまう。
「あッんッ!!あッ・・・も・・・イキた・・・い・・・」
「いいよ。じゃあ――」
微笑んだコハクの指先が、膣奥の輪をゆっくりと撫でる。次の瞬間。


「あふぁぁ・・・ッ!!!!」


瞳の中をハートだらけにして達するヒスイ。
・・・だったが。
「ん?」と、そこで異変に気付くコハク。
「んぁ?」ヒスイもまた、自身の違和感に上体を起こした。すると。


「え――?」


乳首がいつもよりだいぶ大きく膨れ上がっている。
快感を孕んでも、ここまでにはならない。
正直、見たこともない大きさだ。
「な・・・」(なにこれえぇぇ・・・!!!!)

[後編]

「あ・・・おにぃ・・・」

コハクが左右両方の肥大乳首を摘む。
「どうしたの?これ」(まあ、大体予想はつくけど)
「あん・・・ッ!!」
ヒスイは羞恥の涙を浮かべ。
「あ・・・じぶんで・・・びやく・・・んッ!!」
「いつもの3倍くらいかな?」
コハクはくすりと笑い、摘んだ指先を動かした。
「ふ・・・うぅん・・・」
太さも長さも格段に増した乳首が捻じれる様がはっきりと見える。
深い皺が寄った、それはとても卑猥で。ヒスイの乳肌にじっとり、興奮の汗が滲んだ。
「うッ・・・あ・・・しっぱい・・・しちゃっ・・・」
「うん、まあ、いいんじゃないかな。これはこれで」と、コハク。
凄くエッチだよ――ヒスイの耳元で囁いた後、改めて摘み直し。
それを裏返すようにして舐めた。じっくり、時間をかけて。
「あッ・・・ふぁッ・・・」(おっぱい・・・きもちい・・・)
コハクの舌の感触。唾液で濡らされる感覚。
それらが、いつもより広い範囲で伝わってきている。
「はッ・・・あッ・・・あぁ・・・」
3倍ほどに肥大していた乳首は、コハクの愛撫によって更に肥大し。
「お・・・にぃ・・・ちゃ・・・あッ!あぁッ!!」
「くすっ。こんなに大きくなったら、僕の指、入っちゃいそうだね」
コハクは、真っ赤に熟れたヒスイの肥大乳首を握り、乳頭に指を沈めた。
「――っあぁッ!!」
これまで体験したことのない、初めての快感。
そもそもの体格差があるため、さすがに指先だけだが。
つぽッ、つぽッ、と、それが濡れた乳穴に出入りして。
「んひッ・・・あ・・・あぁッ!!」
その光景に嫉妬でもするかのように膣が疼く。
「あッあッあッ・・・!!」
乳穴を弄られながら、コハクの下で淫らに脚を拡げるヒスイ。
「あッ!あッ!んッ!んん・・・ッ!!」
何度か腰をビクつかせ。
「――んぁぁぁッ!!!!」
イキ潮らしきものを勢いよく噴いた。


すると・・・


「ん?」コハクが次の異変に気付く。
「んぅ?」ヒスイもまた自身の違和感に上体を起こした。
「あ・・・」なんと今度は、クリトリスが肥大していた。
包皮を突き破り、コハクに向けて勃っている。
こちらも通常の3倍ほどで、乳首と同じ肥大率だ。
媚薬軟膏の効果であることは明らかだった。
「っ・・・!!」
ヒスイは恥ずかしそうに俯いたが。
「よしよし」と、コハクがキスであやし。
「じゃあ、こっちはこうしようか」
そう言って、自身のペニスに手をかけた。


「あッ・・・あうんッあうぅぅん・・・」


肥大クリトリスとペニスが擦り合わされ。
コハクの蜜により、ぬっちょ、ぬっちょ、とそこが鳴る。
「あッあ・・・」
血液が集まることにより強まる、脈動と脈動。
似た者同士の触れ合いに、股間が甘く痺れ、嬌声が止まらない。
「あぁん・・・ああぁ」
その快感はカラダの奥まで届き、逆にざわざわとしたもの――女の欲が湧き上がってくる。
「はー・・・はー・・・」
ヒスイは、膣口から大量の愛液を流し出し、愛らしい上目遣い。
だが今は視点が定まらず、どこを見ているかわからない。
「ヒスイ――」
コハクは親指をヒスイの口に入れると、軽く口角を引き伸ばし、更に表情を崩させた。


「もっとエッチな顔、見せて?」


「んぁぁ・・・」
涎を垂らし、ヒスイが幸せそうに微笑む。
「――うん、今日も可愛いね」





「よっ・・・と」
膣口が上を向くよう、ヒスイを逆さに抱きかかえるコハク。
肥大クリトリスの裏筋を舐めたりと、しばらくの間、舌での愛撫を加え、仕上げに優しく口づけ。
それから膣口に窄めた舌を入れ、膣内で大きく開いた。
「!!ふぁ・・・おにぃ・・・」(した・・・いつもよりおっき・・・)
ヒスイを介し、コハクにも媚薬軟膏の影響があったのだ。
「・・・・・・」(うん、いつもより深く入ってる)←コハク、心の声。
想定通りの二次感染。ヒスイほどの効果はないが、それでも充分だった。
コハクは、ヒスイの膣肉にゆっくりと肥大舌を這わせた。
「・・・・・・」(これなら全部届くな)


ヒスイが、僕のカタチを覚えてくれているように。
僕も、ヒスイのカタチを覚えよう。


(舌で――なんて最高じゃないか)
ヒスイは失敗と言ったが、むしろ大成功。お手柄だ。
「あ・・・あ・・・」
膣を隅々まで舐め回され、ヒスイも腰を震わせ悦んでいる。
にゅるにゅる・・・膣内でコハクの舌が動く度、甘くトロけた音が響いて。
「は・・・ぁ・・・」
子宮が迫り出していくのを感じる。
そこに――


「―――!!!!!」


コハクの舌が触れた。
「ひ・・・ッ・・・あ・・・!!」
本来有り得ない愛撫に、子宮が戸惑ったのは最初だけで。
「あ・・・は・・・」(だめ・・・これ・・・)
愛しい舌熱に、トロけて、トロけて、トロけきって。
柔らかく湿った舌先で子宮口を穿られる度、眉間で白い光が弾け、脳まで達してしまう。
「へぁ・・・あ・・・ふぁ・・・んへ・・・ぁ・・・」
そのカラダは強烈な浮遊感に包まれ。ベッドの上にいるはずなのに、どこにいるのかわからなくなる。
「ふぁ・・・っへぁ・・・っ」
絶頂液を舐め取られ、綻んでゆく子宮口。
「へぁぁ・・・」
コハクの舌の根が入っている膣口から溢れた、泡混じりの愛液がヒスイの下腹を濡らし、次々と臍の窪みに入り込んでいた――





ヒスイを仰向けへと戻し、紅潮しきった頬を撫でるコハク。
ヒスイの唇を優しく啄みながら。
「そんなによかった?」と、尋ねた。
「ん・・・」
恍惚の極みといった表情でヒスイが答える。
コハクはヒスイの太もも裏を掴み拡げ、その膣にペニスを挿入した――
ぐちゅぐちゅぐちゅ・・・ッ!!
「!!んはぁ・・・あ・・・」(お○ん○ん・・・すご・・・)
アヘり疲れて、もう声なんて出ないと思っていたのに。
ペニスは別腹とばかりに鮮烈で。
ぞくぞくとカラダが悦んでいる。
尾てい骨から背骨に沿って、至高の快楽が駆け上り、ピンッ!と、ヒスイの瞳を爪弾きにする。
「あ゛ぁ・・・ッ!!」
「大丈夫?」
ヒスイと額を合わせ、再びコハクが尋ねる。
「あッあッ」
与えられたペニスで、ヒスイはひとり、イキ続けていた。
もはや自分ではどうすることもできないのだ。
コハクがもたらす愛の快楽に身を委ねるしかない。
「・・・ね、ヒスイ」
コハクは、左手を太もも裏に添えたまま、右手でヒスイの頭を掬い上げ、唇を重ねた。
くちゅくちゅくちゅ・・・唾液が滴る甘いキスの後。
「僕の方はあまり時間をかけないようにするから、いちばん奥でイカせてね」
そう話すと、色っぽく尻を締め、ペニスをより奥へと送り込んだ。
次の瞬間。


「―――!!!!!!」


ヒスイが声にならない声を上げる。
子宮口をヌルリ、コハクの亀頭が抜け。続けて竿がヌルヌルと通ってゆく・・・
気持ちいい、という言葉では表現しきれない。
トロトロから、ドロドロ。より熱く、より官能的な感覚だった。


「なんて贅沢な夜なんだろうね」


ヒスイの腰を両手で掴み、子宮内を穂先で撫で回しては、蜜を落とすコハク。
天井を押し上げるようにすると、ヒスイは気も狂わんばかりによがり。
膣を激しく収縮させながら、子宮の快楽を貪った。
「ありがとう、ヒスイ」


今夜もキミに愛を誓うよ――







――パタン。

と、そこで魔本を閉じる3人。
「「「はぁ・・・」」」
揃って溜息、だ。
「すげぇエロいとしか言いようがねー・・・」と、アイボリー。
「アヘ顔まで可愛いとかぁ〜、ずるいよね〜、ママ〜」と、アクア。
ジストも興奮気味に頷いている。


するとそこに。


「あれ?もう観終わった?僕も一緒にと思ったんだけど」
コハクがアフタヌーンティーの用意をしてやってきた。
アンティークなティーポットにカップ。
紅茶は勿論のこと、ケーキスタンドに様々なスイーツを乗せて。
「・・・・・・」×3
魔本に続きがあるのは、3人ともわかっていた、が。
必然的に煽られる、性的興奮。
“栞”を挟むことによって一時停止しながら、何とかここまできたのだ。
「まだ続きがあるはずだよ」というコハクに。
「アレ観ながら、優雅に茶飲めるなんてコハクぐらいのモンだっての」
アイボリーが言い返す。も・・・
コハクはさらっとこう答えた。
「問題ないよ。だってアレは――」



『芸術だから』



「そうだよっ!ヒスイも父ちゃんもすごく綺麗だったし!オレっ!なんかイケる気がしてきたっ!!」
納得しかかるジストの隣で。
アイボリーは思った。




(コハク・・・やっぱ頭おかしーわ)

+++END+++

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