World Joker

裏部屋T No.10

狂愛blood

生理ネタ。
[前編]

人間界で暮らす吸血鬼の間で、摩訶不思議な病が流行った。

内臓機能が、人間そのものになる病。
命に関わるものではなく、特に治療は必要としない。
数日で元に戻るが、中には稀に、人間女性特有の出血・・・生理の症状が現れることがあるという。

その病に、ヒスイは感染して――いなかった。





コスモクロア。三階建ての家。


「ヒスイ、こっち来い」
「うん?」
名前を呼ばれ、傍に寄ろうとしたヒスイだったが・・・トパーズの顔を見て足を止める。
「・・・・・・」(なんか嫌な予感がするっ!!)
近頃、危険察知が早い。
トパーズは、その手に注射器を隠し持っていた。
例の病に、人為的に感染させるためのものだ。
「なんで!?なんでそんなことするの!?」


感染した状態で、セックスを行う。


表情ひとつ変えず、トパーズが言い放つ、と。
「!!嫌だってば!!」
ヒスイは本気で逃げ回り。
「トパーズのへんたい!きちく!どえすっ!!」
物陰に隠れ、ささやかな罵声を浴びせた。
「ならいい」
あっさり引き下がるトパーズだったが・・・

夕食時のことだった。

「・・・・・・」(あれ?)
ヒスイが軽く首を傾げ。
「これだけ?」と、テーブルを指す。
いつもより、おかずが一品少ない気がする。
「これだけだ」と、トパーズ。特に変わった様子はない。
「・・・・・・」(たまたま・・・だよね?)
気のせい〜で、済ませようとしたヒスイだったが・・・

更に次の日の夕食時。

「・・・・・・」(やっぱり減ってる・・・)
しかも昨日より、もう一品、少ない。
ヒスイの好きな前菜とスープが間引かれていた。

更に次の日の夕食時。

「トパーズぅ・・・デザートは?」
「ない」
「・・・なんで?」
自分で考えろ、と、意地悪に笑いながら、ヒスイの鼻を摘むトパーズ。
「う〜・・・」
理由はだいたいわかっている。
トパーズのセックス要求に応じないからだ。
「・・・・・・」(なんでわざわざ血が出てる時にえっちしたいのかな???)
非常に疑問だったが。
(でもこのままじゃ・・・)
食卓から、おかずが全部消え。
(パンかゴハンだけになる!!)
それはヒスイにとって深刻な問題だった。そして・・・


「・・・わかった。えっちする」


「わかればいい」
トパーズはヒスイの耳元に唇を寄せ、言った。


大人しくオレに抱かれろ。





ベッドルームに連れ込まれ、「脱げ」と、命令される。
ヒスイは素直に従った。
トパーズは一糸纏わぬヒスイを抱き上げ、ベッドへと放り込み。
ヒスイの上に乗ってから、シャツを脱ぎ、上半身を露わにした。
それから・・・キス。
ヒスイの顎を持ち上げ、唇を奪う。
「は・・・ぁ・・・トパ・・・」
ちゅっ。ちゅっ。唇が触れ合う音と、合間に吐く息の熱さに気持ちが昂る。
「ん・・・ふ・・・」
惜しみなくキスを与えられるのは珍しく。
トパーズの首元に腕を回し、愛らしく頬を上気させ、キスに夢中になるヒスイ。
混ざり合った唾液が口の端から溢れ、ヒスイの顎を伝い、首筋まで流れてきていた。
「はぁはぁ・・・ん・・・」
唇を幾度となく重ねながら、トパーズの指がヒスイの割れ目をまさぐる。
そこはぬるぬるとして、肉ビラが開きかけていた。
「あ・・・ん・・・」
トパーズの指が膣前庭を撫で。
つぷんッ・・・ヒスイの中に入ってきた。
「っあッ・・・んッ!!」
キスに溺れていたヒスイは、驚きの声を出したが。
「ん・・・・・・はぁ・・・」
睫毛を伏せ、長く息を吐き、内側の力を抜いて。
トパーズの人差し指と中指と薬指・・・三本同時に受け入れた。
するとすぐその指が動き出し。
「あッあ・・・あんッ・・・!!」
お腹の裏側を掻き回され、腰が反る。
「んん・・・ッ!!!」
子宮を呼び寄せるような快感が、一気に膣内へ広がった。
「んッ!!は・・・はぁ・・・」(なんか・・・しびれ・・・)
トパーズの首元に回していた腕がほどけ、ぎりぎり肩に掴まってキス続行。
「ん・・・」
口づけに酔い痴れながらも、ぐちゅぐちゅと股ぐらに響く音を聞いて。
鼓膜でも快感を得るヒスイ。
「はっ・・・はっ・・・あ!!!」
ぐちゅっ!ぐちゅっ!
指の抜き差しが繰り返される。
さすがに指三本となると、膣全体が揺らぐ。
「ん・・・んふ・・・」
挿入が浅い時はキスに応えることができるが・・・
「あぁ・・・ッ!!」
深くなると、ヒスイの唇は離れ。そこから喘ぎが漏れる。
トパーズはそれを楽しむかのように、ヒスイの膣を愛撫した。

[後編]

「ああ・・・」
内側の襞という襞を捲り返され、細やかな快感が群れを成してヒスイの背筋を這い上がってくる。
「あ・・・んん・・・ッ!!んぁ・・・あ!!」
(だめ・・・これ・・・あそこ・・・ひろがりすぎて・・・すぐイッちゃ・・・!!)
ひくん・・・っ・・・、感じたヒスイの唇が震える。
「・・・・・・」
キスで察してか、トパーズが退いた。
「はぁっ・・・はぁっ・・・トパ・・・?」
ヒスイが潤んだ目で追う。
トパーズはベッドを下り、すべてを脱ぎ捨て戻ってきた。
そしてヒスイに一粒の白い薬を見せた。
「錠剤にしてやったぞ」
そう言って、自身の舌に乗せ、口の中へ。
「お前の意志で飲め」
「ん・・・」
ヒスイは体を起こし、トパーズの胸元に両手を添え、自分から唇を重ねた。
舌と舌で受け渡し行い・・・こくん、と、ヒスイの喉が小さく鳴った。
「飲んだな」「うん」
「挿れる」「うん」
ベッドの上、ヒスイが横になると。
両脚の間にトパーズが腰を入れ、そのまま沈めた。
「ひっうッ・・・あ!!あぁ・・・ッ!!」
突き込まれた反動で、両脚が更に拡がり、亀頭がより奥まで入り込む。
「ふぁ・・・あ・・・あんッ!!」
子宮を押し上げられ、ヒスイの声が一段と色めく。
「あッあ・・・トパぁ・・・」
けれども、トパーズは一向にピストンを開始せず。
結合部を眺めながら。
「薬が効いてくるまで待ってろ」と、言った。
「そ・・・なこといわれても・・・んッ!!」
蕩けた膣肉が、トパーズのカタチを取り始める。
「は・・・はぁ・・・」
その蠢きが、快感で。
堪らず腰を振ってしまいそうになる。
「ト・・・トパぁ・・・も・・・だめ・・・」
「待て、だ」
浮いたお尻をペチッ!と軽く叩かれる。それにすら感じて。
「ひぁ・・・あ・・・あん・・・」
目を細め、“気持ちいい”涙を溢す。
「これで我慢してろ」
肩に膝が付くほど折り曲げてから、ヒスイの足首を掴み上げ、そこへ唇を寄せるトパーズ。
「な・・・なにす・・・あぁ・・・ッ!!」
ちゅっ。足の裏にキスをされ。
指の付け根に舌が這う。
「!?ふぁ・・・ッ!!」
親指を口に含まれると、腰が抜けたようになって。
思うように動かせない。
「はぁっ・・・はぁっ・・・」
ペニスを咥えながら、足の指を咥えられる・・・倒錯的かつ淫らな光景に。
「あ・・・あ・・・」
シーツに愛液染みを作りながら、軽く意識が遠のく。


「う・・・ん・・・」
間もなく、出血が始まった。
「・・・きたか」
ヒスイの生温かい血液がペニスを伝ってくる・・・トパーズはこの瞬間を待っていた。
本来なら目にすることのできない、ヒスイの破瓜を思わせる、これが見たかったのだ。
「・・・・・・」
こんなことで喜びを感じるのは、異常かもしれないが。


「どこまでも狂ってやる、お前に――」


「トパ?なにかいっ・・・あ!!!」
トパーズがピストンを解禁した。
「あッ!!んぁッ!!あ!あッ!あッ!あッ!あー・・・!!!!」
ぐちゅん!ぐちゅん!ぐぷん・・・ッ!!
血液と愛液で濡れた肉が激しく動く。
伸びきった膣ヒダが奥へ手前へ引っ張られ。ところ構わず快感が弾けた。
「んんッ・・・ふッ・・・!!あ!!」
股間が密着するたび、血液が銀の茂みに流れ込む・・・
「あッ・・・!うッ・・・!あ・・・!ふぁ・・・ッ!!」
そこに気を遣る余裕もなく。
振動によって、乱れた顔が上向きになったり、下向きになったり。
視界もぐるぐると、安定しない。
そんな中、跳ねるヒスイの乳房を捕まえ、揉みほぐすトパーズ。
「!!んぁッ・・・!!は・・・!!」
張り詰めた桜色の先端を摘むと、ひときわ強くヒスイが反応した。
「あッー!!!!」
きゅぅぅぅっ!膣全体が萎んだどころを、ここぞとばかりに擦り上げられ、達する。
「あぁぁぁぁ!!!!!」


「はぁはぁ・・・あ!!」(あ・・・おっきくなって・・・きた・・・かも・・・)
止まらない律動。徐々に内側からの圧迫感が強くなる。
「もらったぞ」
熱っぽく、甘い声で一言そう囁いて。トパーズが射精した。
「あ・・・あぁぁぁ・・・ッ!!!」
子宮に撃ち込まれ、じわぁんと、トパーズの熱が広がる。
「あ・・・あ・・・ん・・・」(あつ・・・)
トパーズに対しては特に子宮が愛情を示す。
宿していた記憶が残っているのかもしれない。
「トパー・・・ズ・・・はぁ・・・あ・・・」
吐精するトパーズの腰に両脚を絡め、ゆっくと奥を擦り合わせ。
ヒスイは悦びに浸っていた――





そして次の日の夕食時。

「わ・・・」
豪華なフルコースが食卓に並んだ。
「またしてもいいよ?」
おかずが増えるなら。と、ヒスイはご機嫌だ。
「バカめ」
食い意地の張ったヒスイにデコピンを一発お見舞いし。
「あれは一度きりだ」と、トパーズ。
錠剤に抗体も配合しておいたのだと話す。
「二度と感染しない」
「そうなの?」
「そうだ」
“破瓜”は一度でいいのだ。
「・・・・・・」




(鈍い女)





愛故の悪態をつきながら。



幸せな日々は続いてゆく――



+++END+++

[ 世界はキミのために世界に愛があるかぎり世界に咲く花世界に春がやってくるWorld Joker / Side-B ] + 番外編 + 読切短編

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