105話 官能に罪はない
無人の街に月が昇りはじめた頃。
路地に現れたのは、手負いのコハク。
脇腹から大量出血している。普通の人間なら死んでいるところだ。
コハクは傷口を手で押さえ、いつもの調子で・・・
「ヒスイぃぃ〜!!待たせてごめ・・・あれ?」
ゴミ箱の中はからっぽだった。
「・・・・・・」
一度蓋を閉め、また開ける。やっぱりいない。
蓋の裏を見てみても、当然ヒスイの姿はない。
「ヒスイを探しに・・・行かないと・・・」
だが、足が動かない。コハクは息を吐き、壁に寄り掛かった。
足元には血だまりができていた。ヒスイがいたら・・・さぞ喜ぶことだろう。
「う〜ん・・・ソーイングセット、持ってくれば良かったなぁ。こんな傷、自分で縫えるのに・・・」
一般的な戦闘で、コハクが負傷することはまずない。
「まさか分身同士で組むとは・・・ね」
ヒスイとのセックスの件で揉め、1:4の争いになり。
同化するのに、かなり手間取ってしまった。
そして不覚にもザックリ脇腹を斬られたのだ。
分身の、タチの悪さといったら。さすがのコハクも懲りたようで。
「しばらく分身魔法は封印しよう・・・うん、そうしよう」
それから・・・沈黙すること、10分。
「さて・・・っと。傷も塞がってきたし、そろそろヒスイのところへ」と、顔を上げるコハク。
しかし、シャツもズボンも血だらけだ。パッと見、ただごとではない。
「ヒスイに何て言い訳しようかな・・・って、それどころじゃない」
とにかく、ヒスイと再会するのが先決だ。
コハクは早足で路地を抜け・・・窓の開いている家を見つけた。
「ヒスイ、今行くからね」
こちら、トパーズ。
眠るヒスイをソファーからベッドに移し、部屋を出て。
咥えた煙草に火を付けようとしているところだった。
「・・・・・・」
(あいつか・・・)
血の匂いで、コハクの接近を察知。
「しつこい男だ」
と、吐き捨てるが、自分も同じくしつこい男だ。
これは、遺伝かもしれない。
ほどなくして、玄関のドアがノックされた。
「・・・何の用だ」
トパーズは何食わぬ顔でコハクを迎えたが・・・
「やあ」
コハクはわざとらしい笑顔で、全身血だらけ。この上なく、不審だ。そして。
「君、家を出るんだってね」
トパーズの顔を見るなりそう切り出した。
「・・・・・・」
トパーズが素直に受け答えする訳がない、が。今夜ばかりは違う。
トパーズにも言わなければならないことがあった。
「・・・ペット代わりに、ジストを連れていく」
「・・・そう」
微かに動く、コハクの表情。しかし、詳細は尋ねなかった。
ジスト自ら望んだことだろうと察したからだ。
「可愛がってあげてね」
「言われなくても、そうする」
「まあ、たまには帰っておいで。子供がひとりもいなくなったら、さすがにヒスイも寂しがるだろうから」
「・・・・・・」
「メノウ様は君がお気に入りだから、ついてっちゃうかもしれないけど」と、笑うコハク。
それから軽く瞳を伏せ、話を続けた。
「僕はね、ヒスイの兄であり、夫であり・・・」
育ての親であり。時には父のように、母のように、また親友のように。
「ヒスイにとって必要なすべての役割を、僕ひとりで果たせると思ってた」
「・・・・・・」
「でもね・・・」
ヒスイの子供にだけは、なれないんだ。
「だから、僕は君に嫉妬する」
「・・・欲張りな男だ」トパーズが吐き捨てる、が。
「君もね」と、コハクに言い返される。
「とりあえず、今夜はヒスイを返してもらうよ」
トパーズの脇を抜け、コハクは家の中へ。
「・・・・・・」
トパーズは煙草に火を付け、家の外へ出ていった。
ZZZzzz・・・
男達の事情など知らず、ヒスイはベッドで爆睡していた。
胸の上で両手を組み、人形のように動かない。安らかな寝顔だ。
コハクはまずシャワーを浴び、血を洗い流した。傷はもう消えていた。
「バスローブか・・・」
着替えになりそうなものは、これしか見つからなかった。
(なんかコレ、エロ丸出しって感じがするんだよなぁ・・・)※コハクのイメージ。
普段着ないものだが、血だらけの服よりはいい。
コハクはバスローブを羽織り、ヒスイのいる部屋へ戻った。
ベッド脇に腰掛けても、ヒスイはぐっすり眠っていて。
(うん、可愛い)ほっこりする、コハク。
「疲れてるんだろうなぁ・・・僕にやられまくって・・・ん?」
(そうだ!!やられまくったんだった・・・っ!!)
思い出し、両手で頭を抱える。
「僕以外の僕にイカされまくったかと思うと・・・やっぱり悔しいなぁ・・・」
ヒスイのスカートを捲り、パンツの上から女性器に触れ、呟く。
「相当中出しされたみたいだし・・・っていうか僕なら中出ししかしないハズ・・・」
ほっこりから、悶々。ヒスイの女性器に添えた手に思わず力が入り。
「ん・・・ッ!!」
ヒスイが驚き、目を覚ます。
「お・・・おにい・・・ちゃん?」
状況を理解できずに、目をぱちくり。
「うん」コハクは返事をして。すかさずヒスイにキスをした。
パンツに手を入れ、昼間のシチュエーションを再現・・・
「続き、してもいい?」と、一応尋ねるが、いつもの如く手は止めない。
ヒスイの回答より早く膣口に指を捻じ込み、いきなり激しく動かした。
ヌチヌチヌチヌチヌチ・・・膣口を鳴かせる一方で、ヒスイの首筋に舌を這わせる。
「ふぁ・・・ぁ・・・あッあ・・・ッ」
ヒスイは両脚を浮かせ、ひとしきり喘いでから。小さな声で「いいよ」と、答えた。
膣口から指を抜き、爪に付着した愛液を舐めるコハク。
まずはヒスイにパンツを脱がせ。仰向けのまま、両膝を立たせた。
それを掴んで、かぱっと開き。割れ目に、熱い視線を注ぎ込む。
その窪みから愛液が湧き出るのを見届け、バスローブを脱ぎ。
月明かりの下、勃起を曝け出した。
「あ・・・」
ヒスイの瞳に映るそれは、親愛なるもので。
一刻も早く膣に迎え入れたくて、盛んに愛液が分泌される。
(なんかもう・・・おなかのなか・・・へん・・・)
たっぷり濡れて、疼いているのだ。
「ヒスイ?入れても平気?」と、コハク。
ちゅっ。ちゅっ。膝の内側にキスをしながら確認すると。
ヒスイは熱っぽい表情で頷いた。
ぷつッ・・・膣口が開いて発する第一声。
「っあ・・・・ッ!!!」
ずっぽり、股間に亀頭が嵌り、下半身に衝撃が走る。
「んぅ・・・ッ!!!」
全神経がそこに集中した。
強い引力で・・・内臓が全部吸い取られてしまいそうだ。
抗うように、足の指を曲げるヒスイ。
「はッ・・・あ・・・!!!」
呼吸もままならない。声も出なくなって。頭がくらっとする。
通算5本目のペニス・・・
(ちがいなんて・・・あるわけない・・・あるわけ・・・ないのに)
本物の、何と愛おしいことか。亀頭を包む粘膜に、強烈な快感が滲み込んでくる。
「っ〜・・・!!!!」
ヒスイはシーツを掴んで引っ張り上げた。
(やだ・・・わたし・・・)
4本のペニスにあれだけ感じておいて。
(それでも・・・これがいちばんなんて・・・)
ペニスに優劣をつけるのは、なんだかとても不実な気がした。一気に恥ずかしくなる。
かぁぁっ・・・いつにも増してヒスイの頬が赤く染まった。
「ご・・・ごめ・・・なさ・・・」
両手で顔を隠すが、耳まで真っ赤だ。
察したコハクは、ヒスイの太ももを掴み、自身の意志で閉じることができないようにしてから、亀頭で手前の膣肉を擦った。
にゅくにゅくにゅく・・・とろ・・・
摩擦に応じて愛液が出てくる。更に擦り続けると、段々そこが泡立ち。
ぐちょぐちょ・・・耳に届く淫音となって、部屋に響いた。
「あ・・・あぁ・・・おにぃ・・・」
「ん?恥ずかしい?ヒスイ」
こく・・・涙目のヒスイが頷いた。そして。
「っは・・・ッ!!!」
大きく、ひと呼吸。もう、我慢できない。
拡げられた股間がゾクゾクする。膣口が引き攣れ、ブルブル全身が震え出した。
(ど・・・しよ・・・)
まだ挿入途中だというのに、絶頂が迫ってきた。
膣肉が勝手に窄まり、亀頭に合図を送る。
するとコハクはヒスイの顔を覗き込み・・・
「いいよ、イッて。できれば失神はしないでもらいたいけど・・・」
官能に罪はないからね。
「我慢なんてしなくていいんだよ」
「お・・・おにい・・・ちゃ・・・あッ!!」
長いこと一時停止していた挿入が再開された。
「あ・・・ぁあッ!!!」
ペニスがゆっくりと膣に入り込んでくる。
「ん・・・あぁ・・・」
ヒスイの肌にじんわり汗が滲む。
本命を恋しがり、体の奥から子宮が下がってきていた。
前進した亀頭がそこを掠める・・・と。
「はふぁぁん・・・」
ヒスイは、甘く痺れる官能に喘ぎ、達した。
「どうかな、僕のは」
コハクは一旦ペニスを抜き、震えるヒスイと唇を重ね。
「格別、だったらいいんだけど」
そう言って笑うと、ヒスイの腰を持ち上げ、改めてペニスを挿入しなおした。
ぶすッ・・・ぐちぐちぐち・・・
「ひ・・・ッう・・・!!!」
呻くヒスイ。
膣奥深く・・・このまま脳天まで貫かれてしまいそうで。堪らず喉が反る。
「んッ、んッ、んッ、ん〜・・・!!!」
ベッドの上で波打つヒスイの体。
「あうッ!あうんッ!!」
ペニスを突き込まれる度、快感の嗚咽を漏らし、目をつぶる。
「あッあッあッあッ・・・」
疾走する馬にでも跨っているような震動だ。
ペニスの入った下腹が激しく上下にバウンドする。
シーツはくしゃくしゃになり、あちこち染みができていた。
「あッあッあッ!!んッ!!」
丘の上で動く茂み。重なってできた暗がりは熱く蒸して。月の光も届かない。
その下の一本道を、猛スピードでペニスが往復する。
「あッあッ!あッあッ!あッあ・・・おにいッ・・・!!!あ!!!」
度々痙攣するヒスイの両脚。絶頂までの間隔がどんどん短くなり。
「ふぁ・・・あ・・・やぁ・・・」
射精を待てないことに罪悪感を覚えながらも、もうほとんどイキっぱなしで・・・戻って、これない。
「あ・・・あ・・・あ・・・お・・・にぃ・・・」
「いいんだよ、それで」
コハクは腰を振りながら、優しくヒスイの耳を舐め。
言ったでしょ?官能に罪はない。快感なら・・・貪って。