85話 日曜日のラブエッチ
平和な日曜日の朝がやってきた。
2階から下りてくるなり、萌えるジスト。
(朝から可愛いんだけど・・・っ!!)
ぺろぺろぺろ。
リビングのソファーで、ヒスイが熱心にペロペロキャンディーを舐めている。
コハクの用事が済むのを待っているのだ。
(大丈夫かな・・・オレ・・・)
前にも増して、ヒスイが可愛く見える。
今朝はコハクのシャツ一枚という訳ではなかったが、薄いタオル地の部屋着。
色はピンクで、パーカーとショートパンツのセットだ。
ショートパンツの方は、裾広がりで、ひらひらとしたフリルがついているので、ミニスカートに見える。
それがとてもヒスイに似合っていた。
太ももから、膝も踵もつま先も丸出しで。思春期少年の視線は釘付け・・・
(ヒスイ、綺麗な足して・・・って、ダメダメ!!)
すぐにハッとし、わざとらしいくらいの大声で。
「あっ・・・どうしたのっ!?それっ!」と、ペロペロキャンディーの話題へ。
「お兄ちゃんに貰った。これ舐めて待っててって」
「待ってて?父ちゃんどこいんの?」
キッチンを覗くが、コハクの姿はない。
大人達は早めに朝食を済ませたらしく、ジストとアクアの分がちゃんと取り分けられていた。
「隣の部屋」と、ヒスイ。
隣の部屋・・・客間だ。
「お医者さんごっこするんだって。お兄ちゃん、朝から張り切ってたよ」
・・・コハクは医療プレイの準備で忙しいらしい。
「お医者さんごっこっ!?」(うわ・・・いいな・・・)
医者×患者か、はたまた医者×ナースか。ジストの妄想が広がる。
(「私のココで治してあげる」とかって・・・)
ナースヒスイに、腫れぼったいペニスの治療をして貰いたい。
ヒスイの膣肉しごかれ、思いっきり射精・・・
(しちゃダメダメ!!)
「ジスト?どうしたの???」
「あっ!!なんでもないよっ!!美味しそうな飴だと思ってさっ!!」
「じゃあ、いる?舐めかけだけど」
「えっ!?いいのっ!?」
思いがけない申し出に、ときめくジスト。
興奮が隠せない・・・ヒスイの舐めかけだからこそ、価値があるのだ。
「うん。もうすぐお兄ちゃん迎えにくるし。はい」
「ありがとっ!ヒスイっ!」
「あっ!」ジストのお礼もそこそこにヒスイが席を立つ。
「ヒスイ、お待たせ」コハクが顔を覗かせ。
「お兄ちゃん!」
ヒスイは、脇目も振らずコハクの元へ走っていった。
「・・・・・・」
残されたジストとペロペロキャンディー。
ジストは熱っぽい眼差しで渦巻きを眺め。生唾ゴックン。
(これって・・・間接キスだよなっ・・・!?)
父ちゃん、ごめんなさい。心の中で一応コハクに謝罪。そして・・・
「いただきま・・・あっ!!」
ぱくっ!横取りされるペロペロキャンディー。
ヒスイのものと知ってか知らずか、通りすがりのトパーズが、丸ごと口に含んだのだ。
「ああ・・・っ!!ひどいよっ!兄ちゃんっ!!」
ジストが涙目で訴えるが、「馬鹿め」と、トパーズはせせら笑いで休日出勤していった。
「うう・・・兄ちゃんの意地悪・・・」落胆する、ジスト。
トパーズに先を越されてしまったが仕方がない。
二番煎じでペロペロキャンディーに口をつける。
もはやヒスイとの間接キスではなく、トパーズとの間接キスだが、ジストはめげない。
基本的に、タフな性格だ。
ちゅっ。ペロペロキャンディーにキスをして。
ぺろっ。舐める。
口の中いっぱいに甘さが広がり、同じ味をヒスイと共有できたと思うと・・・嬉しい。
「はぁ〜・・・幸せ〜・・・」
赤い屋根の屋敷。1階客間。
「なんか・・・すごいね、お兄ちゃん」
プチリフォームされた客間。思った以上に本格的だった。
カルテを置いた机と、回転イスが二つ。衝立と・・・診察台まである。
コハクは、呆けているヒスイにナース服を渡し、着替えるよう指示した。
「ひとりでできる?」
「で・・・できるもん!着替えくらい」
衝立の裏でナース服に着替えるヒスイ。サイズぴったりで、その着心地の良さからコハクのお手製だということがすぐにわかった。しかもナース服は2着目だ。
「・・・・・・」(お兄ちゃん・・・ずっと忙しかったのに)
よくここまで準備できたものだと思う。
(お医者さんごっこって・・・エッチ・・・するんだよね???)
衝立から顔を出すと、コハクは白衣を着用していた。※トパーズの部屋からくすねてきた。医者らしく、首に聴診器をかけている。
(あ・・・お兄ちゃんカッコイイ・・・)
ぽ。赤く染まるヒスイの頬が白のナース服によく映えた。
「ヒスイ・・・」(うん。文句なく可愛い・・・!!)
通常では有り得ない超ミニ丈。股下数センチあるかどうかの、エロちっくナースだ。
今日の見立ても冴えている。コハクはご機嫌だ。
「そこの椅子に座ってくれる?」
「ん・・・」
ヒスイと向かい合わせに座り、右手で聴診器を構えるコハク。
「ヒスイの心臓の音、聞かせてね。服、捲って?」
「ん・・・」
コハクに言われた通り、ヒスイはナース服を両手で持ち上げた。
つなぎになっているので、パンツもお腹も乳房も丸見えだ。ブラジャーは最初からしていない。
「んッ!!」
ヒヤリとする聴診器が、胸の外側から徐々に乳輪へと近付いてくる。
「あッ・・・」
緊張と期待で、ヒスイの乳首がぷくっと膨れた。
それを見たコハクは優しく笑って。
その小さな突起に軽く指を引っかけ、くいっとお辞儀をさせた。
「!!おにいちゃ・・・あんッ!!!」
右手で聴診器を使いながら、左手の親指と中指で桃色の円を摘み、尖ったヒスイの乳頭に人差し指の腹を密着させ、クニクニと弄る。
もう一方の乳頭には聴診器を被せ、グリグリと押し撫でた。
指でのソフトな刺激と、聴診器のハードな刺激。
「んふ・・・ッ!あ・・・あぁ・・・」
上半身の快感が下半身まで伝染し、膣が濡れる。
「っ・・・ひぁ・・・や・・・ぁ・・・ん」
丸椅子の上でヒスイの腰が反った。
次はこっちね。と、コハクは聴診器をヒスイの恥丘にあて。
「あッ!!あッ・・・あッ・・・んッ・・・」
布地の上からクルクル聴診器を滑らせると、愛液の染みがみるみる広がって。
濡れた生地が、ベタッとヒスイの割れ目に張り付いた。
「・・・っ!!」(やだ・・・もうこんなにぬれちゃっ・・・た・・・)
「はッ・・・あ・・・」
聴診器が離れ、ホッとしたのも束の間。
ヌルッと、パンツの脇からコハクの指が入ってきた。
「ひぁ・・・っ・・・おにいちゃ・・・なに・・・」
「触診、だよ。指二本入れるからね〜・・・」
「あッ!!おにいちゃ・・・んあ・・・ッ!!」
ぐりっ!コハクの指先に膣口を抉られ。
「あぁ・・・・・・ッ!!」
愛液がドバッと湧き出る。
その源泉でも掘り当てるかのように、ツプツプツプ・・・ヒスイのぬかるんだ膣肉に、二本の指が深く捻じ込まれていく。
「あうぅ・・・んッんッ・・・」
指二本となると、結構な挿入感があり、腰骨のあたりがじんとする。
「んぅ・・・ッ!!おにいちゃ・・・!!」
堪らずヒスイが腰を振り。ギッギッ、丸椅子も左右に振れる。
「よしよし・・・いい子だから・・・じっとしててね・・・」
ひっくり返らないよう、ヒスイの体を椅子ごと抱き寄せ。
膣に指を二本入れた状態で、コハクは動きを止めた。
そこに神経を集中させ・・・膣診断。
温度・湿度・粘度と、膣圧を調べる。
「ふぁ・・・ッ・・・あ・・・おにいちゃ・・・ん・・・」
「・・・・・・」
銀の一族の女は、繁殖力が弱いがゆえに、それを少しでも補うべく、その膣はより多くの精液を絞り取れるつくりになっているのだと、昨晩メノウから聞いた。
『たぶんヒスイにも遺伝してると思うからさ』
(メノウ様の言う通りかもしれないな・・・)
ザラザラとして、ヒダの数も多く、とてもよく濡れ、吸い付きも抜群・・・つまり、名器なのだ。それも極上の。
(中出しした精液の戻りも少ないって言ってたっけ)
それだけ吸収力が高いということで。思い当たる節はある。が。
コハクの射精量がそれを凌駕して、現在に至っていた。
こうして数分間・・・
「うっ・・・く・・・」
ついにヒスイが涙声を出した。
コハクの指は動かなくても、膣は活動を続けていて。
ぎちっ。ぐちっ。音がする。
「お・・・おにいちゃ・・・まだ・・・?」
コハクの指に対し、膣ヒダが淫らなアプローチをしているのがわかって、恥ずかしいのだ。
「はい、終わり」と、コハクはヒスイの膣から指を抜いた。
べったり付着した愛液を舐め。
「・・・うん、いいね。今日も」
「やだ・・・なにいって・・・」
膣を褒められ、カアッと耳まで赤くなるヒスイ。
「つ・・・つぎは?なに・・・するの?」
「次はね・・・これだよ」
コハクがにこやかに机の引き出しから取り出したのは・・・注射器で。
「・・・・・・」ヒスイ、閉口。
先端の太さはペニスに比べればどうということはないが、普段道具を使わないだけに抵抗がある。
ヒスイが渋っていると。
「注射器の中身はね、僕の精液」と、コハクが言った。
「おにい・・・ちゃんの?」
「うん」
「だったら・・・いいよ」
大好きなコハクの精液を無駄にしたくない。
ヒスイは精液注射を接種することにした。
ドキドキしながら、診察台の上に寝て、両脚を開く。パンツは当然脱いだ。
「あとでちゃんと、コッチで注射するから、ね?」と。
コハクはズボンの上から、自身の膨れたペニスに触れてみせた。
それでヒスイは安心したらしく。
「うんっ!」
「ここをこうして開いて・・・」
「う・・・ん・・・」
ヒスイに陰唇をめくらせ。
くちゅくちゅ。膣口を軽くマッサージしてから、そこに注射器を挿した。
ぶちゅ・・・ぐぐっ・・・
「あッ・・・はんッ!!」(ホントに・・・注射器の先っぽ・・・入って・・・)
数センチのガラス管が膣にセットされ。注入開始。
「んく・・・ッ!!あ〜・・・ぁぁ〜・・・」
ペニスの先ではなく、注射器の先から出る精液が、膣内に溜まっていく。
「ん〜・・・おにいちゃ〜・・・」
空っぽになった注射器を抜かれたあと、唇にご褒美のキスをたっぷり貰い。
「・・・どう?気分は」
「わるくないけど・・・なんか・・・へんなかんじ・・・」
セックスの最後に与えられるものを、早々に与えられてしまうのは不思議な気分だ。
擦られてジンジンしたところに、滲み込んでくる方がずっといい。
「いつもみたいに・・・して」と、恥ずかしいセリフを思わず口にしてしまうヒスイ。
「もちろん。約束したからね」
コハクは笑いながら、ベルトを外し、チャックを下ろした。
「・・・ん?」
くちゅ・・・膣口に亀頭を押し込むが、いつものように吸い込んでいかない。
中の精液をこぼさないよう、懸命にヒスイが締めているのだ。
これでは、入るものも入らない。
「くすっ。いいよ。力抜いて」
「でも・・・」
「いいんだ、こぼれても。ヒスイが望むだけ、いくらでも出すから」
「ホント?」
「うん」
「ふッ・・・あッ!!あぁぁぁッ!!」
ヒスイが力を抜いた瞬間、中の精液がこぼれるより早くペニスが入ってきて。
ブチュッ!!ニチュッ!ニチュッ!
淫音を伴いながら、膣壁を擦り出した。
「あふ・・・ッ!!あッ!!あぁぁぁんッ!!」
温度・湿度・粘度・膣圧も先程よりぐんと増して。本領発揮だ。
結合部はいつにも増してグシュグシュに濡れ。
「すごいよ、ヒスイ。僕の・・・袋の方まで垂れてきた」
と、コハクは甘い声で囁き。ヒスイの膣から更に愛液を引き出す。
「あぁッ!!おにいちゃ・・・おにいちゃぁぁッ!!!」
濡れ濡れになったヒスイは大興奮。快感に悶絶している。
「ヒスイがイッたら、僕もイクからね。もうすぐだよ、もうすぐ・・・」
コハクは射精を仄めかしながら、ヒスイの膣奥を突き、絶頂を煽った。
「あぅあッ・・・あぁぁッ・・・!!」
コハクの精液が膣内に散布される瞬間に向けて、深く深くペニスを受け入れ。
「あは・・・んッ・・・は・・・はぁ・・・おにぃ〜・・・」
中出しを確約されているので、一足先に気持ち良く達するヒスイ。
「は・・・ふ・・・んッ!!」
イッたあとの縮む膣内で、射精を控えたコハクのペニスが激しく前後する。
ズックン、ズックン、震動が膣全体に響いて。
「ああ・・・んッ・・・うぅんッ・・・おにいちゃぁ〜・・・」
生射精を待つヒスイも、幸せいっぱいに甘えた喘ぎをあげる。
「はぁ・・・ッ、あんッ、あんッ・・・はッ・・・あ・・・あぁぁんッ」
診察台の上で大きく両脚を開き、ガクガク揺れながら。
コハクの白衣を掴んで、快感のほどを知らせる。
「あッ・・・いッ・・・!!」
(もういっかい・・・イッちゃいそ・・・)
再び奥が疼き出し・・・
お見通しとばかりに、そこにペニスの摩擦が加えられる。
「うぅんッ・・・おにぃ〜・・あッ・・・あッ、あッあッ!!あ・・・」
ビクンッ!!ヒスイの膣に二度目の絶頂が訪れた。が、次の瞬間・・・
きゃぁぁぁっ!!!
喘ぎが悲鳴に変わった。窓から、見慣れぬ顔が覗いているのだ。
ヒスイは診察台から転がり落ちるようにして逃げ、コハクの後ろに隠れた。
「・・・・・・」(しまった・・・出しそびれた)
射精を焦らしに焦らしているうちに、ペニスが外へと放り出されてしまったのだ。
全く嬉しくない来客で、お医者さんごっこは中断せざるを得なくなった。
「誰・・・このヒト」と、ヒスイ。
「うん、まあ・・・」
ヒスイは知らない。しかし、コハクは知っている。
前髪が異様に長い、この男。
「クハハ!」そして、この笑い声。
グロッシュラー第1王子ファーデンだ。
「見つけたぞ、愛妻家」
ファーデンは窓から不法侵入し、白衣のコハクをジロジロ見て一言。
「貴様・・・医者か」
「・・・今だけね」
引き攣った笑顔でコハクが答える。
ファーデンは、前髪が元の長さに戻ったら〜というコハクの言葉を間に受け、再戦したい一心で。
新月の戦いには参加せず、ひたすらフロント部分の育毛に励んでいたという。※アンデット商会製育毛促進剤使用。
匂いを頼りにここを突き止めたというのだから、何とも野性的だ。
屋敷を守る結界を破ってきたことにも驚く。
「・・・・・・」
(頭、大丈夫なの?このヒト?)ヒスイ、心の声。
グロッシュラーも、第1王子がこれでは苦労しているのではないかと思う。
どのみち他人事だが。
エッチの邪魔をしたこの男は、ヒスイの中で“嫌い”のカテゴリーに分類された。
「いやあ・・・ホントに君・・・死にたいらしいね」
一方、射精の邪魔をされたコハクの怒りも相当なもので。
「プチッと潰してくるから、ちょっと待っててね?」と、白衣を脱ぎ捨てた。
ヒスイに向ける笑顔は爽やかだが、言っていることは怖い。
ファーデンも負けじと拳を鳴らし。
「会いたかったぞ、愛妻家」
お前のことを考えると夜も眠れなかった、云々・・・熱い闘志を語った。
「俺は三度の飯より殺し合いが好きだ」と、ファーデン。
「俺は・・・俺は・・・」
「お前のような男を求めていた!!」
・・・と、コハクを指差し、大声で叫んだ。
「!!!」
(お兄ちゃんを求め・・・っ!?ちょっ・・・何言ってるの!!このヒト!!)
聞き捨てならないと、大きく両目を見開くヒスイ。
(お兄ちゃんは、私のお兄ちゃんなんだからっ!!誰にもあげないんだからっ!!!)
妙な誤解の末、メラメラと嫉妬心を燃やした。
(今気付いたんだけど・・・お兄ちゃんって、もしかして・・・男のヒトにモテる!?)
ヒスイ的に、思い当たることがあるのだ。
智天使のラリマーも座天使のイズもコハクを慕い。
エクソシストの後輩にも熱烈なコハクファンがいる。
「サルファーだって昔から変な目でお兄ちゃんのこと見てたし」※被害妄想。
コハクvsファーデンの再戦が果たされる中。ヒスイの誤解が加速してゆく・・・
(お兄ちゃんが男のヒトにモテモテなんて・・・モテモテなんて・・・)
「そんなの・・・っ!!」
そんなの絶対だめなんだからぁぁぁっ!!
新たな問題(?)を抱えつつ。
ひとつの季節が過ぎようとしていた。