World Joker

116話 極まり、極まる。


「んッ・・・」

枕を手繰り寄せたヒスイが、恥ずかしそうに顔を埋めている。

「あ・・・おにぃちゃ・・・!!」
ヒスイの愛液を掬っては飲み込むコハク。
膣から直接吸い上げたりもして。
誰よりも綺麗に整ったコハクの口元が、ネチネチと淫らな音をたてる。
「ふぁ・・・ッ・・・んぅ・・・」(こし・・・ぬけちゃいそ・・・)
汗でしっとり濡れた素肌に、銀髪が絡み付く・・・ヒスイは艶めかしい姿で喘いだ。
「あッ・・・はぁ・・・んッ・・・はぁっ・・・はぁっ・・・」
膣の中まで舐められて。次第に息も上がっていく。
「あッ!!」
入れられた舌が上下に動き、それに合わせて膣肉が揺れる。
「んッ・・・あ!!」(これ・・・きもちよくて・・・あそこしまっちゃ・・・!!)
ヒスイがそう思ったと同時に、膣がきゅっと窄まった、が。
くすり、コハクの柔らかな笑い声が聞こえ、舌戯は続行された。
「んんッ・・・!!」

気持ちいい・・・けれど、もどかしい。

「はぁはぁ・・・」
もっと強く、もっと激しく、もっと奥まで、掻き混ぜて欲しい。
ペニスの領域を持て余した膣が、捻じ切れるかと思うほどうねり、ヒスイを追い詰める。
「っ!!はぁ・・・っ!!はぁ・・・っ!!」
(だめ・・・おにいちゃんに・・・もっとたくさん・・・ごちそう・・・しなきゃ・・・)
自分が血液を飲みたがるのと同じで、コハクも愛液を飲みたがるのだろうと、若干おかしな解釈で。
コハクの蜜吸いリクエストに応えようと必死だったが。
「んく・・・ッ!!」
イク寸前のところで指を抜かれたため、焚き付けられた子宮までも疼く。
「あッ・・・!!はぁはぁ・・・!!」
枕に顔を擦り付け、耐えるも。
鼻先まで赤く染まり、涙が出てくる。
「ヒスイ?我慢してるの?」
コハクの問いに、ヒスイはフルフルと頭を横に振った。
“NO”のサインだが・・・一目で嘘だとわかる。
「ん・・・ふッ!!」
膣から零れる愛液も、捲れてヒクつく肉ビラも、自分ではどうすることもできず。
そこをコハクに舐め上げられる度・・・
「ひぁ・・・ッ!!んあ・・・ッ!!あ・・・ひ・・・」
酷く敏感に反応するのだ。
「んー!!!」
奥の疼きが段々大きくなり、枕を噛みしめるヒスイ。


「欲しいなら、欲しいって言っていいんだよ?」


ちゅっ。コハクがヒスイの尻肉に口づけて言った。
「欲しいの?」
こくり。ヒスイが頷くと。コハクは上着を脱ぎ捨て、ペニスを出して。
よしよし、と、片手でヒスイのお尻を撫でながら、後背位で挿入した――
「あ!!あぁ・・・ッ!!」
枕から顔を上げ、ヒスイが喘ぐ。
グチュグチュと膣肉を掻き分け入ってきた亀頭に、物凄い勢いで子宮口が吸い付いて。愛し合いが始まる。
「ひッ・・・あ!!あああ・・・ッ!!!」
感激の潮を大量に吹き上げながら、ヒスイは達した。
「イッちゃったね」
「ん・・・」
イッたまま続けるのも珍しいことではなく。二人はキスを交わし。
「少し動かすね」
それからコハクが腰を使い始めた。
「んんッ!!あッあッ!!ひぁ・・・あ!!!」
そんなに早いスピードで動いているわけではないのに、感じて堪らない。
ずちゅッ!ぬちゅッ!ずちゅッ!ぬちゅッ!
深く練り込むようなピストン。
一突き、一突き、快感が快感を凌駕する。
「あッ!あッ!は・・・んぁッ!!あッあッ・・・あぁッ!!!」
ヒスイの視界に白い光が雪のように降ってきた。積もって、頭が真っ白になって。何も考えられない。
「おにぃちゃぁ・・・きもちいよぅ・・・あッあッ・・・もっと・・・あッんッ!!」
突かれるたび、快感に酔った子宮が絶頂液を吐き出して。
「ん・・・・・・あ・・・・・・」
ヒスイはイキっぱなしになった。
するとそこでコハクが一旦腰を止め。
ヒスイの膣から出た、泡まじりの愛液が伝う自身の陰嚢に触れた。


「ああ、僕の袋の方まで垂れてきちゃったね」


そう言って、美しい伏せ目で微笑む。
「はぁっ・・・はぁっ・・・」
ヒスイはメロメロになっていて、声も出ない。
枕を握る指先がピクッ!ピクッ!小さく跳ねている。
「はーっ・・・はーっ・・・」
涎と共に吐く息は、限りなく甘く。
膣肉だけが精をねだって、絶えずペニスを絞っていた。
ヒスイの背中に軽く乗り掛かり、うなじに口づけるコハク。
「出すね」一言、耳元で囁いて、射精――
「ああッ!!おにいちゃ・・・!!!んふぁぁぁぁ!!!」
心底“気持ちいい”という表情で舌を伸ばすヒスイ。
「あ・・・あ・・・」
膣肉がぴったり張り付いているため、射精の脈動で襞が震え、繰り返しイッてしまう。
「ひッ・・・う!!」
「ヒスイ、好きだよ」
「はぁはぁ・・・おにい・・・ちゃ・・・」
コハクに顎を持ち上げられ、唇を重ねる。
「ん・・・んん・・・」(わたしも・・・すき・・・)



唇を離し、「もう一回ね」と、コハク。
ヒスイの膣深くから、硬いままのペニスをゆっくりと引き出す。
「!!ひぐ・・・ッ!!あ・・・!!ああ・・・」
ヒスイはまた達して。
支えをなくし、完全に伏した体が、ビクンビクンと痙攣している。
「よっ・・・と」
コハクは、ヒスイの体を仰向けにして、ちゅっ。と、額に口づけてから、ふたたび挿入した――
ぐぷぷぷぷ・・・ッ!!
「あッ!!ああ・・・ッ!!あぁ・・・」
両脚を拡げ、喉を反らしたヒスイの表情が更に蕩ける。
「んふぁ・・・ぁ・・・ぁ・・・」
「そういえば、こっちがまだだったね」
コハクがヒスイの乳房を手にした。
「あんッ・・・」
シーツに擦れ、すでに勃っていた桃色乳首がぴくぴくしている。
「あう・・・んッ・・・」
そんなところを見られて、恥ずかしい筈なのに。
蜜吸いから、あっという間に快楽に堕とされ。
羞恥に抗う理性はもう、ヒスイには残されておらず。
「おにいちゃ・・・おにいちゃ・・・あッ・・・ふぁッ・・・!!」
与えられたペニスでイキ続けていた。
「いい子だね、ヒスイ」
上気しきったヒスイの頬を撫で、コハクが抽送を開始する。
「んッ!!あッあッ・・・!!はぁ・・ッ!!」
ずッぷ!ずッぷ!ぱちゅんッ!ぱちゅんッ!
肉々しく、瑞々しい音が入り乱れ。
「あッ!あッ!は・・・ッ!!あッ!んッ!!あぁ・・・んッ!!」
ピストンの衝撃で膣肉が波打ち、外へと勢いよく飛び散る愛液が二人の下腹を濡らした。
「んッ!!は・・・!!おく・・・あたって・・・んんッ!!あ!!!」
官能が子宮を這い回り、内側から開いてしまう。
「っあッ!!おにいちゃ・・・!!」
そのままコハクの穂先を迎え入れ、ヒスイは二度目の射精を受けた。
「あ!!あぁぁぁぁ!!!!!」




「何回くらいイッたかな?」コハクの声。
ヒスイの返答は、ない。聞こえるのは微かな息遣いだけだ。
快感に塗り潰された瞳。
両手両足を力なく投げ出し、うっとりしているヒスイ。
膣口からは、飲み残しの精液がとりとろと流れ出していた。
意識はもう、ほとんどない。
そんなヒスイの頭を片膝に乗せ、優しく髪を掬い上げるコハク。

「くすっ、僕が嫉妬してないとでも思った?」

「これで帳消しだけどね」

苦笑いを浮かべ、コハクはヒスイの唇にキスをした。

その頃――

一族の平和を揺るがす事件が、モルダバイトで起ころうとしていた。



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