World Joker

119話 感じて、愛を。


――夜が明けて。
まだ早朝ともいえる時間。
赤い屋根の屋敷。
夫婦の部屋にて。
「はぁはぁ・・・あ・・・おにぃ・・・」

ベッドの上、美しい裸体で性器を繋げている、コハクとヒスイ。
「あ・・・はぁ・・・」
拡げた両脚の間に、コハクの腰を乗せ、ヒスイは息を乱していた。
「は・・・んんッ!!」
何度かイッた後らしく、その両脚は絶えず小刻みに震え。
シーツには、大量に潮を吹いた跡が残っていた。
「あッ・・・うッ!!うぅ・・・んッ!!あッあッ!あん・・・ッ!!」
ぢゅくッ!ぢゅくッ!ぐぽッ!ぐぽッ!
ひどく濡れた音をさせながら、ピストンを受けているヒスイ。
「あひッ・・・ん!!ひッ・・・あ!!あは・・・んッ!!」
更にはそれが子宮まで届き、淫らな喘ぎを押し出される。
大きく口を開けると、端から気持ち良さげな涎が零れた。
「ん・・・ふぁ・・・あぁ・・・」
絶頂に次ぐ絶頂で、ヒスイの表情は蕩け。
ハートの光が瞳の奥に深く刻まれていた。
(おにいちゃ・・・の・・・お○ん○ん・・・だいすき・・・)
けれども。
コハクはまだ一度も射精をしていなかった。
硬いままのペニスをヒスイの中で動かしている。昨晩から、ずっと。
「あッ・・・ふぁんッ!!おにい・・・ちゃ・・・は・・・うぅッ!!」
膣粘膜から入ってくる快感が、全身の細胞に行き渡り、ヒスイの体を甘く痺れさせていた。
「あふ・・・ぅ・・・」
「好きだよ、ヒスイ」
ヒスイの頬を両手で包み込み、唇へのキスを交えながら、腰を振るコハク。
ブチュブチュ・・・ブチュッ!ブチュッ!
「んッ!!あッあッ・・・あッあッ・・・あ!!」
中心を突かれれば突かれるほど、官能が呼び覚まされ、際限なく刺激を求めてしまう。
「はッ!はッ!あ!!はぁ・・・ッ!!」
ヒスイは自ら膣を開き、無意識にベッドから腰を持ち上げた、が・・・
「あうッ!!」
ズプンッ!!亀頭を押し込まれ、あっさり落ちる。
「あッ・・・!!おにいちゃ・・・!!あッはッ!!あッあッあッ・・・」
そのままピストンが続き、マットに沈むヒスイの腰。
ギシッ、ギシッ、スプリングが鳴る。
「ん・・・ふッ!!あ・・・!!おにいちゃ・・・おにいちゃぁ・・・」
コハクは柔らかな微笑みで。
「たくさん感じてね、愛を」
そう言いながら、律動を強めた。
「!!あ・・・あぁッ・・・!!」
ペニスが通過する度、グチュグチュ波打つ膣肉。
その波間にヌルヌルとした泡が浮く。
「はぁッ!はぁッ!あぁッ!あ!おにい・・・」
「ヒスイの中にある、コレが愛だよ」
と、続けて囁かれ。
「あ・・・うッ!!!」
胸と膣が同時にキュンとする。
内側がより敏感になり、ペニスに擦り上げられるのが気持ち良くて堪らない。
「あぅあ・・・あ・・・!!あッ!!や・・・!!」
あまりの快感から、ぷしゅッ!潮か小水か定かではないものが飛沫き。
ベビーフェイスが真っ赤に染まる。
「よしよし」
そんなヒスイにコハクがそっと口づける。
「ん・・・んん・・・」
前髪が捲れて見えるおでこ、目に涙をいっぱい溜めて。
与えた舌を吸う姿が何とも愛らしい。
(ああ・・・今日も可愛いなぁ・・・)←コハク、心の声。
しばらくして、コハクが唇を離す・・・と。
「んふぁ・・・ッ!!!!」
キスを終えた唇から糸を引いたまま、ヒスイが達する。
「ひッうんッ!!んんッ!!」
その全身に大きな震えと小さな震えが同時に起こった。
ビクンッ!!ビクッ!ビクッ!ピクピク・・・
あちこちが引き攣れ、コハクの下で体が躍る。
「あ・・・あ・・・」
「それじゃあ、僕も」と、コハクが腰にスピードを乗せた。
ぬぢゅッ!ぬぢゅッ!ぬッぬッ・・・ぬぢゅんッ!
「――!!んッふッ・・・は・・・あうッ!!あぅぅんッ!!」
イッているヒスイの膣内を往復しながら、徐々にカタチを変えてゆくペニス。
幹が少しずつ太くなり、血管が張り巡る・・・射精の気配。
「あぁ・・・ッ!!」
子宮口はもうずいぶん前から開いていて、ペニスの出入りを許している。
そこにコハクが熱を放った。
「あぁぁぁぁ!!!」
0.8秒間隔、膣収縮と精液噴出のリズムがぴったり合って、男女の性器がひとつになった。
「おにいちゃ・・・!!あッあ・・・」
射精をされている間、ヒスイは両脚をコハクの腰に絡め。
両腕を首元に回しながら、コハクの金髪を掴んで喘ぎ続けた。
「あぁ・・・ん・・・はぁ・・・」
「今日は下のお風呂※家族風呂※でゆっくりしようか」
ヒスイの脚の付け根をテッシュで拭いながら、コハクが言った。
「うん」と、返事をするヒスイにシャツを着せ。
「沸かしてくるから、リビングで待ってて」
と、笑顔でキス。
それからジーンズを穿き、コハクは一足先に一階へと下りていった。
「ふぁぁ・・・っ」
欠伸をしながら、一階の廊下を歩くヒスイ。
(最近私、えっちしかしてない気がするんだけど・・・大丈夫なのかな)
「ま、いっか」
リビングの、パウダービーズのクッションにうつ伏せで埋まり、目を閉じると、すぐに眠気がきた。
そして、いつもの光景――
Zzzzzz・・・
そこに忍び寄るは、双子兄弟。
先陣を切るのは勿論、アイボリーだ。
コハクとの賭けに勝ったアイボリーは、ヒスイの脱ぎたてパンツを入手する気満々だった。
「うし!いただくぜ!悪く思うなよ、ヒスイ」
両手を構え、爆睡中のヒスイのお尻を凝視する。
「・・・あーくん、変態感が半端ないよ」と、マーキュリー。
「変態は血筋じゃんか」
アイボリーは開き直り。
ヒスイが着用していたコハクのシャツの裾を捲った。
「!!」(穿いてねぇ!!)
その目に映るは、艶やかなヒスイの生尻。
アイボリーにとっては、脱ぎたてパンツ>生尻、なのだ。
これは結構な衝撃だった。
「大体いつもそうじゃないか」
淡々とした口調で、マーキュリーが言った。
「・・・・・・」(ムッツリめ)
内心そう思いながら、アイボリーは気を取り直し。
「こうなったら、一度穿かせて、脱がせるっきゃねぇ!ちょっと待ってろ!今パンツ取ってくっから!!」
と。二階の自室へ駆け上がっていった。
「・・・・・・」
マーキュリーは溜息を洩らし、それからヒスイを見た。
当然ヒスイは、これくらいで目を覚ましたりしない。
シャツの裾はアイボリーが捲ったまま・・・ヒスイはお尻を出しっぱなしで寝ている。
「むにゃぁ〜・・・おにぃちゃぁ〜・・・」
「・・・・・・」(叩きたくなるお尻だ・・・)←疼くS気質。

赤い屋根の屋敷、門前――
そこにはトパーズが立っていた。
今まさに門をくぐろうとしていたところだ。
「ヒスイのこと、迎えに来た?」
背後からしたメノウの声に、足を止めて振り返る。
「“またジジイか”って顔、すんなよ」
と、笑うメノウ。
ノリの軽さは今日も健在だ。
「コハクとヤッたばっかで、使い物になんないと思うよ?」
「・・・・・・」
「それにさ、コハクの目を盗んで、ヒスイを連れ出すのはムズカシイだろ?」
「・・・・・・」
メノウの言う通りだった。
黙って攫おうものなら、大騒ぎになる。
思案がてら、トパーズが煙草を咥えると。
メノウが下から覗き込み、言った。
「俺が、ヒスイの代わり、してやろうか?」

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