World Joker

―外伝―

TEAM ROSE



[ 29 ]


「あッ!あッ!あぁ・・・ッ!!」
ベッドの上、ヒスイが喘ぐ。
拡げた両脚の間、コハクJr.を乗せ、二本のペニスを迎え入れていた。
「はぁッ・・・あッ・・・あぁッ!!おにいっ・・・」
特有の拡張感に乱れる呼吸。
「あッあッあッ・・・」
激しく揺らされ、目の端から涙、口の端から涎。
膣からは愛液が、ごぽッごぽッ、と音を立てて零れている。
「は・・・んんッ・・・!!」(も・・・イキそ・・・)
倒錯的な快感に導かれ。
「――あぁぁ・・・ッ!!」
ペニスを膣に入れたまま、爪先立ちで腰を浮かせるヒスイ。
その時だった。


「ふぇっ・・・?」


子宮口を亀頭で塞がれた。
それはいつもの行為と同じようで、何かが違っていて。
「あッ・・・」(なんか・・・おかし・・・)
子宮が絶頂液を吐き出せない。
「っあッ!!あ・・・!!あああ!!」
弾けるはずの快感が引き戻され、行き場を失ってしまった。
「あ・・・あ・・・」
それはヒスイの内側に留まり続け。
「あぁ・・・」
溶かされる、脳と瞳。
「おにい・・ちゃ・・・くるし・・・」
視界が極端に狭くなる中、涙声でヒスイがそう口にすると。


「本当に、苦しいだけ?」


コハクJr.が聞き返した。
両手でヒスイの尻肉を掴み、持ち上げ。
結合をより深くして、子宮を更に刺激する。
「ひッ・・・い゛ッ・・・あ・・・!!」
コハクJr.は――
二本のうちの一本、血液で精製したペニスの形状を、意図的にほんの少し変えていた。
ヒスイのカラダは、それを異物と認識し、混乱・・・そのため達しにくくなっているのだ。
「あッんッ!!」(だめ・・・これ・・・)
しかしそれは、全身の血液が逆流するかのような。
ゾクゾクと、寒気にも似た悦楽をヒスイのカラダにもたらした。


「こういうのも悪くないでしょ?」


隙のない美少年顔で、コハクJr.が覗き込む。
それからヒスイの顎を持ち上げ、その唇を優しく吸った。
「―――ッ!!」
コハクJr.の下、ヒスイはビクッ!ビクッ!と、あちこちを震わせ。次の瞬間――

ぷしッ!!ぷしゃぁぁぁッ!!

どうにもならない快感が、潮となり。ヒスイの小穴を内側から突き破った。
「んッ・・・あッ・・・はぁはぁ・・・」(こんな・・・イキかた・・・しらない・・・)
一気に“飛ぶ”のではなく、ほどほどの距離で繋がれている、半イキ状態。
「んッ・・・んぁッ・・・!!」(きもち・・・いい・・・けど・・・)
溜りに溜まった快感を、潮と共に放出し、何度も何度も達する。
とはいえ、意識を攫うほどのものではなく。
いつまでも快感から解放されぬまま。ついに枯れ果て。
小穴がヒクヒク動くだけとなった。
潮を吹き続けたそこは、とても柔らかくなっていて。
コハクJr.が、指を入れ、愛撫すると。
「ふぁ・・・おにぃ・・・あああ」
感じたヒスイが甘えた声を出し。
そして最後に、コハクJr.の射精を受けた。
「―――」




「さすがに眠いでしょ、先にベッドに入ってて」

ヒスイがシャワーを浴びている間にベッドを整え、コハクJr.が言った。

「うん〜・・・」

パジャマに着替えたヒスイは、欠伸をしながらベッドに潜りこんだ。
そこから、ひょこっと顔を出し。

「ね、おにいちゃん」
「ん?」
「日記、続いたことないんだけど・・・小さいお兄ちゃんのことは、あとでちゃんと書いておくね」
「それは嬉しいね」

ZZZZZ・・・

眠るヒスイ。コハクJr.は、その手に一枚のメモを握らせた。

「オリジナルに会ったら渡して」

聞こえていないのは承知の上で、そう告げ。
コハクJr.は、ヒスイの額にそっとキスを落とした。

(ありがとう、“僕”を受け入れてくれて)

「最後までキミのために生きるよ」

そうしてコハクJr.はバルコニーから飛び立っていった。



その後、数分と経たないうちに部屋の扉が開かれた。
そこに立つのは――トパーズだ。
行方不明の双子を探しにきたのだ。
オニキス、コハクへの報告も兼ねている。
ところが、湖の古城の住人は大半が出払っており。
やっとヒスイを見つけたところだった。

「・・・・・・」

ヒスイは目下、快眠中。

「おい、起き・・・」
「ちょっと待って」

背後から声をかけたのは、コハク※オリジナル※だった。

「事情はジストから聞いたよ」
「どうする?」

・・・と、コハク。
その意味はトパーズも理解できた。
ヒスイにこのことを伝えたところで、事態が好転するはずもなく。
それこそ暴走でもされたら、たまったものではない。
ジストを庇いたい気持ちもあり。

「・・・・・・」
「・・・・・・」

両者、無言でアイコンタクトを取った。

ここは上手くやり過ごそう――という。

そのためには、迅速に双子を見つける必要がある。
珍しく、協力モードの二人。
連絡手段を決め、それぞれ捜索に出ようと扉を開けた、その時。
赤毛の狼、カーネリアンが飛び込んできた。
続けて怒声が響く。

「あんたら、何やってんだい!!」

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