パラレル<先生×生徒シリーズ>

短編(No.03-2)

トパーズ×ヒスイ



キーンコーンカーンコーン・・・。
午後の授業開始を告げるチャイム。

 「・・・・・・」
 (おにいちゃんのばか・・・)

案の定、間に合わなかった。

「オニキスの教科だから・・・まぁ、いっか」

ヒスイは空に向かって深呼吸した。
それから下に落ちていた制服のスカートを拾い上げる。
屋上は通常閉鎖されていた。
コハクが職権乱用で鍵を手に入れ、ヒスイに合鍵を持たせたのだ。
以来、昼休みには必ずここでセックスをしていた。

ガチャ。

「え?」
「・・・見つけたぞ」

開くはずのない扉が開いて、現れたのはトパーズだった。
右手に鍵をぶらさげている。
ヒスイは反射的に胸を両手で隠した。

「何でトパーズがその鍵を・・・」
「・・・アイツからスッてきた。隙だらけだったんでな」

トパーズの話によると、授業開始ギリギリにベルトを締めながら走ってきたという。
 
「・・・・・・」
(お兄ちゃんよっぽど慌ててたのね・・・)

いつものことながら呆れる・・・が、そんな所も愛おしい。
一人勝手にほのぼの気分。

しかしそれどころではなかった。

「・・・この時間オレの授業はない。相手をしろ」
「へ?」

上着を着る間もなく背後から数学教師に襲われる運命が待っていた。

「わ・・・ちょっと!?や・・・っ!!」


※性描写カット


「う・・・」
(嘘・・・でしょ・・・お兄ちゃんの指とそっくり)

違和感がなかった。体が誤認。コハクと判別できない。

(こんなことって・・・ある・・・の・・・?)
「あ・・・おにぃ・・・」

思わずそう口走って、超赤面。
快感を意識しないよう必死になるが、コハクと勘違いした体が勝手に悦んでいる。

「この涙を見てかわいそうとか思わないの!?」

ココロとカラダのギャップに戸惑い涙するヒスイ。

「思わない。むしろ燃える」

意地悪な微笑みでトパーズが答えた。
(こんなのっ!!ずるいよ・・・っ!!)


※性描写カット


 妙な言い争いが続く・・・
「お兄ちゃんとしたばっかりで敏感になってただけだもんっ!!」
・・・その言葉が、拙かった。
 途端にムッとした顔でトパーズが牙を剥く。
そして・・・噛み付かれた。

 「あ・・・」

 真夏の屋上。炎天下。たちまち貧血。
ヒスイの視界は真っ暗になった。 

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