番外編
愛でたいティータイムのサイドストーリー
欲しがり
コハク×ヒスイ
ある日曜日の朝。
ベッドの中、ヒスイが目を覚ます・・・と。
「おはよう、ヒスイ」
ちゅっ。キスをして、コハクが微笑む。
「おはよ、おにい・・・あれ？」
すぐ隣にコハクがいる。それはとても珍しいことだった。
エッチのあとは、肌を寄せ合って眠るのが常だが、朝はコハクの方が遥かに早く起きている。
子供達の世話※ヒスイ含む※をはじめ、朝食の準備、お弁当作り、その他諸々・・・とにかく忙しいのだ。
現在AM7：30
こうして同じ時間まで肌を合わせていられるのは、近年稀だ。
「あーくんに頼んだんだ」と、コハク。
トパーズの元で修業中、みっちり家事を仕込まれただけあって。
（結構使えるようになったんだよね）
「今日は日曜日で学校もお休みだし。ヒスイとのんびり朝の時間を過ごしたかったから」
「うんっ！」
ヒスイはとても嬉しそうに、裸のまま裸のコハクに抱きついた。
互いの身体の心地良さに、くすくすと笑いながら目を細める。
「ね、ヒスイ。このままもう一度寝る？それとも・・・」
えっちする？
「うん、あ！！」
そこでヒスイが何かを思い出したように体を起こした。
「ん？どうしたの？」
コハクも一緒に体を起こす。
「お兄ちゃん、あのね・・・」
ベッドの上、向かい合わせになり、少々照れ臭そうにコハクを見上げるヒスイ。
「子供の性別ばかりはどうしようもないけど、セレに頼まれたし、頑張らなきゃって。だからその・・・協力、してくれる？」
「もちろん」と、コハクは最高級の笑顔で答えた。
勘違いしたまま子づくりに及んでしまうヒスイを、不憫に思わないこともないが・・・
（可愛いからいいよね、うん）
立てた両膝の間にヒスイを囲い。
「ヒスイ――」
微笑んだままの唇で、ソフトなキスを繰り返す。
ちゅっ。ちゅっ。
甘い吸い音が部屋に響いて。
「は・・・ぁ・・・」
すっかり力の抜けたヒスイの唇を撫で、そこに本気の唇を寄せるコハク。
ところがその時。
「おにいちゃんの・・・くちでしても・・・い？」
「したいの？」
「ん・・・」
コハクの両脚の間、ヒスイが姿勢を低くする。
フェラチオは久しぶりで緊張する・・・けれど。
子宝が授かるよう、願いを込めて。
両手をペニスに添え、サオの部分を舐める。
たどたどしい舌つき・・・とはいえ、唾液をたっぷりと纏わせ。
ちゅっ。先端に口づけ。ちゅるちゅる。男の蜜を吸い上げる。
こくんと飲み込んで・・・たちまち発情してしまう。
「はぁはぁ・・・ん・・・」
夕べ散々濡れた場所がまた濡れている。
膣口から垂れ下がっている、粘り気の強い愛液に引っ張られ、子宮が出てきてしまいそうだ。
愛する亀頭で、ぐいぐい押し戻して欲しい。
（ほしい・・・）
欲しい、欲しい、これが欲しい。
頬張ったまま、もうほとんど無意識に。
“ちょうだい”と謂わんばかりの上目遣い。
慣れないことをしたばかりに、思いもよらない快感に翻弄されるヒスイ。
（可愛いなぁ・・・）
しみじみそう思いながら、コハクはヒスイの頭を撫で、言った。
「脚、開いて」
「ん・・・」
ペニスから口を離し、ヒスイが両脚を拡げた。
割れ目に寄せられたペニスからは、ヒスイの唾液が滴り、フェラチオをしながら、どれだけ欲したか丸わかりだ。
くすりとコハクは優しく笑い。
「欲しがり、だね」
そう耳元で囁いた。
「っ！！」
ヒスイが顔を赤らめるのを見ながら、膣口を亀頭で押し破る――
ぶちゅ・・・
「ああ・・・ッ！！」（なに・・・これ・・・やらし・・・）
ヌルヌルとした膣の中へ、ビショ濡れのペニスが入ってくる。
ぬちゅぬちゅぬちゅ・・・
「んんッ・・・あ！！」
コハクの右手に支えられながら背を反らせ、そのまま仰向けに倒れるヒスイ。
「あッ！んッ！！」
コハクが腰を動かすと、膣内で愛液と唾液が混じって。
いやらしく官能的な滑りをみせた。
ぬちゅッ！ぬちゅッ！
濡れ肉同士が、擦れて。甘い熱を生みながら、ひとつに溶けてゆく・・・
「ああ・・・ん・・・」（きもち・・・い・・・）
感じて、うっとりと吐く息が唇をも溶かす。
そこにコハクが親指を置くと、ヒスイが舌を出して。
「よしよし、いい子だね」
コハクが舌を重ねる。
くちゅくちゅ・・・
口の外で唾液を捏ね合い。
美しくも淫らなコハクの顔を、間近で見つめるヒスイの瞳にうっすらハートの光が浮き上がる・・・
（おにいちゃ・・・すき・・・）
次の瞬間。
「――！！」
ペニスが深く突き込まれた。
「ひぁ・・・んッ！！」
当然、亀頭が子宮口へと届き。コツンと音がした。
「！！！！」
同時にそこが弾け飛びそうな快感に見舞われる。
ブレる視界の中、ハートの光が一層濃くなった。
「ひッ・・・あ！！おにいちゃ！！おにいちゃぁぁ・・・あッ・・・はぁぁんッ・・・んッ・・・ん」
ヒスイを煽るキスを続けつつ、ピストンを激しくしていくコハク。
ぢゅぷッ！ぢゅぷッ！
絶え間なく抜き差しされるペニス。
左右に開いたヒスイの膝が、小刻みかつリズミカルに跳ねる。
「んッんッんッんッ・・・！！」
押し込まれれば、内側に。
引き抜かれれば、外側に。
ギシギシとベッドを軋ませながら、寸分の狂いもないペースで繰り返され。
しきりに捲り返される肉ビラは、朱に色づき、幸せそうにぴくぴくしている。
「はッはッ・・・あ・・・！！」
コハクの手に包まれた乳房が、早まる呼吸と共に弾む。
「んんッ！！ん・・・ッ・・・ふ！！」
（きもちい・・・きもちいよぅ・・・）
あまりの快感に、尿道口が時折飛沫いていることにも気付かない。
そして・・・
「あああぁぁッ！！！！」
長いキスを終えた唇から、極上のイキ声を発し、達した。
「はぁ・・・はぁ・・・あ・・・ああん・・・」
コハクがピストンのスピードを落とした。
イッているヒスイの中をゆっくりと掻き混ぜながら、汗の滲む乳房を揉みあげ、その先端を口に含む。
舐め転がし、たっぷりと唾液を絡める・・・と。
ヒスイの乳頭から透明な母乳が出ているように見えた。
ヒスイ自身も錯覚するほどの仕上がりで。
「ふぇッ！？おっぱい・・・ふあッ！！あ・・・ああッ！！」
乳房と膣で続け様に達し。
子宮口から、トロトロ・・・途切れることなく絶頂液を流し始めた。
待っていたのだ、これを。
するとヒスイが、はぁはぁと息を切らしつつ、こう言った。
「おにいちゃ・・・このまま・・・いちばんおくまで・・・いれて・・・」
「いいの？」
「うん・・・あ・・・ひらいて・・・きた・・・よ？」
「そうだね、嬉しいよ」と、コハク。
ヒスイの体を抱き起こし、両腕の中に収めたあと、亀頭で子宮口を探る。
「あんッ・・・おにいちゃ！！」
ヒスイのそこは驚くほど柔らかく。
ぶちゅ・・・っ・・・
ひと押しで、挿入が済んだ。
「――！！」
天を仰ぎ、伸び上がったヒスイの体を抱きしめる。
「いっぱい出すからね。好きだよ、ヒスイ」
「あッ・・・あ・・・」
返事をしようとしても、ビクン！ビクン！と震えるばかりで、言葉が出てこない。
すべてのものが、快感に支配されてしまっている。
「いつもより感じてる？いいよ、僕もだから」
そう言って、ヒスイに口づけるコハクもまた、首筋に色っぽく汗が伝っていた。
「大丈夫だとは思うけど、ちょっとでも痛かったら言ってね」
慎重にヒスイの腰を引き寄せ、挿入を深くして。
蜜に濡れた亀頭を使い、子宮壁を撫で回す。
「！？へぁッ・・・あ・・・！！」
そこから壮絶な快感が沸き起こり、一瞬にしてヒスイの全身が痺れる。
「あ・・・あ・・・」
頭の中、連続してフラッシュを焚かれているみたいで。
半分意識が飛び、ついに何もかもがわからなくなった。
「！！ひ・・・ッ！！あ！！」
そこにコハクの射精が加わって、快感が更に膨れ上がる。
「あああぁぁぁ！！！！」
ヒスイは蕩けきった顔で、子宮でのオーガズムを迎えていた。
ベッドにて。エピローグ――
「ね、お兄ちゃん、できた？」
「う〜ん」
無邪気なヒスイの質問に、コハクは困った笑みを浮かべた。
（妊娠予告してあげたいところなんだけど、作者の都合がね・・・）
もう少しかかるかもしれない、コハクがそう告げると。
「そっか」
ヒスイはがっかりした様子もなく。
「また頑張ればいいもんね！」と、笑った。
「・・・・・・」
（今なら女の子ができそうな気がするんだけどなぁ・・・）
「・・・ね、ヒスイ」
「ん？」
「もう一回、しようか」
（たぶん・・・）
“欲しがり”は、僕の方。
（・・・なんてね）
+++END+++
