World Joker

54話 絶対の快感



 

 

 
「嘘・・・ついちゃった」

屋敷への帰り道、ひとり呟くヒスイ。

(ジストには“怖くない”って言ったけど・・・)

トパーズの時よりずっと、怖いと思った。

「・・・・・・」

ヒスイは立ち止り、ぷるぷる頭を振って。

「お兄ちゃんとこ、いこ」

安心の素が欲しくなったのだ。

ヒスイはコハクを迎えに行くことにした。

 

魔方陣中継地点。モルダバイト郊外。

 

「お兄ちゃん!」「ヒスイ!?」

再会、即、抱擁。

ヒスイはコハクにべったりとくっついて。頬をスリスリ。

「・・・ヒスイ?えっちしたいの?」

声に出して言った訳ではないが、コハクには伝わるのだ。

ヒスイが頷くとすぐ。

「よっと」

コハクは、ヒスイを抱き上げ歩き出した。

「え?おにいちゃん?どこでするの??」

 

 

「ヒスイが望むなら、どこでだって」

 

 

そして・・・

「・・・・・・」ヒスイ、閉口。

「で、どっちにする?」爽やかな笑顔でコハクが指差す先には。

公園のトイレ。男子か女子かの選択らしい。

「たまにはこういうのもいいよね」

ヒスイの回答を待たずに独断で男子トイレへと連れ込み、扉を閉めるコハク。

フタ付便器・・・もとい、陶器の椅子に腰掛け、膝の上でヒスイをお姫様だっこする。

一応個室になっているので、服は全部脱がせた。

ちなみに自分は着たまま。その時が来たらチャックだけ下ろす予定だ。

コハクは、「迎えに来てくれて、嬉しいよ」と、ヒスイの小さな体を抱きしめてから。

「待ちきれなかったのかな?ココが」と、陰部に食指を伸ばした。

「あ・・・おにいちゃ・・・」

かぁぁっ・・・それを期待して来たものの、やっぱり恥ずかしく、真っ赤になって俯くヒスイ。

 

それを見たコハクは・・・萌えた。

 

(ああっ!!そんな可愛い顔されたら・・・苛めたくなっちゃうじゃないか!!)

えっちは『優しく・甘く・丁寧に』をモットーとしているものの、根が鬼畜なので、たまに抑えがきかなくなってしまう。

(あ・・・なんかまずいかも・・・)

 

 

「んはッ・・・はぁッ・・・おにい・・・ちゃ・・・」

ぬちゃぬちゃ・・・指を二本挿入された膣口が鳴る。

「触って欲しいのはココかな?それともコッチ?」

「あ、ンッ!!んぁッ!!んん・・・ッ!!」

膣内のありとあらゆる場所をコハクの指が撫で回す。

その指にヒスイは進んで蹂躙され、股の間をたっぷりと濡らした。

「あ、あン・・・」

「すごいよ・・・もうこんなに柔らかくなって、とろとろしてる」

くぱっ・・・二本の指で膣口を拡げ。

「あ・・・ッ・・・!!」

「ほら、こんなに開く」

溜まった愛液が流れ出す様子を眺めながら、「さて、ココに何を入れようか」と。

最終的に入れるモノは決まっているのに、そんなことを言って苛めてみる。

「っ・・・!!」

ヒスイは言葉責めにも弱く、すぐ真っ赤になるのだ。

ついでに感度も良くなる。

(うん・・・可愛い・・・)コハク、心酔。

膝の上に乗せたヒスイの肩を左手で抱き、右手はふやけるほどヒスイの中に浸けて。

触れる場所はすべて触る。

(こんな風にじっくりヒスイの中を触るのもいいな)

間近で反応を見ながらというのもいい。

(ああ・・・じゅくじゅくしてる・・・)

濡れた肉の手触りに、ついつい夢中になってしまう。

「あッ、あッ、おにいちゃ・・・ッ!!」

狭い個室で体を丸めながら感じているヒスイ・・・今日も堪らなく愛おしく。

 

 

ヌプッ!ヌプッ!

「あ・・・あぁッ・・・」

ペニスと同じリズムで二本の指を出し入れするコハク。

「あ・・・おにい・・・」

「気持ちいい?ヒスイ」程よく低く甘い声で囁く。

「見て、こんなに糸引いてる」

「あぁッ・・・んんッ」

コハクの指が離れるのを引き留めるように、愛液がいやらしく糸を引いて。

「はッ・・・はァ・・・」

「もっとして欲しいのかな?」

愛撫を催促する粘り。

繰り返し長い指をねじ込まれるのが気持ちよく。

「あんッ・・・んぁッ・・・ふぁ・・・んッ・・・」

腰が痺れてくる。

「あッ・・・おに・・・ちゃ・・・!!」

「ん?」

きゅうきゅう、ヒスイの膣肉がコハクの指を締め付けてきた。

(かっ・・・可愛いぃぃぃ!!)心の中で萌え叫びながら、首筋にキス。

それだけで。

「んッ・・・!!あッ!!」

ヒスイは再び痙攣を起こし。

(あ、またイッた)

人差し指と中指を根元までヒスイの中に入れたまま、ぐにぐに、親指で前方の肉粒を擦る、と。

「ひっ・・・うっ!!」

しゃくりあげるような声をあげ、瞬時に到達・・・ビクンビクン、ヒスイの体が震える。

中を弄られ続けたせいなのか、異常に過敏になって、何をされてもイッてしまうのだ。

「あ・・・おにいちゃぁ〜・・・」

ヒスイの目尻に羞恥の涙が浮かぶ。

「ああ、イキ癖がついちゃったね」

よしよし・・・と、あやしながらヒスイの体を自分に向かせ。

正面でチャックを下ろす・・・見るからに硬く雄々しいペニスが飛び出した。

 

 

「そろそろコッチでイカせてあげようね」

 

 

ヒスイの腰に手を添え、受け入れ口を誘導する。

「・・・奥に届くまで我慢できるかな?」

「ひゃうんッ!!」

ずくんっ・・・亀頭を押し込まれただけで、強い刺激を感じ、小さな体が跳ね上がる。

「あッ、あ・・・!!」

早くもそこでギブアップ。

ヒスイは内側をヒクつかせながら、涙目で。

「あ・・・ぅ・・・ごめ・・・なさ・・・またイッちゃ・・・」

「・・・・・・」※コハク、胸キュン中。

(やばい・・・今ので頭のネジが・・・)

軽く2、3本飛んだ気がする。

(イキまくってるヒスイも可愛いぃぃ!!)

内心、大興奮のまま。

コハクは、「いいよ」と、優しく声を掛け、乱れた息を吐くヒスイの唇を塞いだ。

「ん・・・ぁ・・・」

舌を絡ませながら、髪と背中を撫でて。

「・・・もっとこっちにおいで」と。

両手でヒスイのお尻を引き寄せた。

「!!あぐッ・・・」

ずぷん・・・挿入の甘美な音が内に響く。

「あッ・・・うぅぅンッ!!」

片道開通しただけで、往復行為もまだなのに、どこからともなく快感が込み上げる。

「だ・・・だめ・・・うごかさな・・・あっ!!」

ずくんっ・・・!!

言い終えないうちに、下から激しく突き上げられ。

今度は淫らに擦れる音が鳴り響く。

「あっ!!やっ・・・!!イッちゃ・・・イッちゃぁ・・・」

叫びながら、コハクにしがみつくヒスイ。

その体はブルッと震え上がり。

愛液でどろどろになった股間で続行不能を告げる、が。

コハクのペニスは止まらず動き続けた。

「あッ・・・あッ!!あン、あンッ!!」

イッてもイッてもペニスを抜いてもらえず。

「イ・・・イッ・・・ふッ・・・うぅンッ!!」

強制的な快感で、気が狂いそうになる。

 

 

「もう抜いて欲しい?」

 

 

ヒスイの支柱となっているペニスでグイグイ天井を押し上げながら、コハクが尋ねる。

「・・・っあッ・・・はんッ・・・!!」

ヒスイはイキかけの霞んだ瞳でコハクを見て。

「やっ・・・まだ・・・おにいちゃ・・・ん・・・が」

一回もイッていないのだ。ヒスイはそれが気がかりでならなかった。

「ああ、そうだったね」にっこり、微笑むコハク。

言ってすぐ、膝に跨ったヒスイのお尻を掴み。

結合部をしっかりと密着させてから。

「あ・・・ッ・・・ンンッ!!」

ヒスイの中で勢いよく噴き上げた。

「あ・・・おにいちゃぁ〜・・・」

やっと得た安心の素。ヒスイが満たされてゆく。

 

 

「すごい量でしょ」と、コハク。

「ん・・・」

「ずっと我慢してたんだ」

ペニスの事情を明かして、キスをする。

「好きだよ、ヒスイ」

「わたしも・・・す・き」

唇を重ねながら、幸せいっぱいに笑って。

 

 

(快感といえば、コレだよね)

 

 

しみじみと思う、コハク。

コレを知ってしまったら、戦いで得る快感など馬鹿馬鹿しくなってくる。

(愛あるセックスこそが、絶対の快感だ)

 

 



・・・と、それにしても。

ヒスイが自分からえっちしたがる時は大抵何かあるのだ。

コハクもそれをわかっていて抱いた。

(・・・留守番中に何かあったのかな)

「・・・・・・」

(えっちで解消できる悩みならいいけど、そうじゃないなら・・・)

  

その時だった。

 

「あ・・・おにいちゃ・・・ん」

「ん?」

「なかで・・・また・・・硬くなってきたよ・・・」

言われてみれば・・・ヒスイの中に入れたままだった。

「くすっ、どうする?」

続行か終了か。コハクはヒスイに判断を委ねた。

「どうするって・・・あ・・・」

ちゅっ。ちょこんと尖った桃色乳首にコハクのキス。

「んッ・・・」

続けて舌で舐め上げられると、じわっ・・・自身の入口が温かく濡れていくのを感じて。当然それは中のコハクに伝わる。

こうなったらもう頷くしかない。

「ん・・・いいよ」

 

 

「じゃあ今度はこっちでしようか」

向きを変え、背面座位。

ヒスイの体を持ち上げるようにして一旦ペニスを抜き、反転させてから改めて挿れ直す。

「あ・・・・・・ンッ!!」

ヒスイの細い腰を掴み、上下に揺すりながら更に突き上げ。

じゅぷ!じゅぷ!じゅぷっ!

ペニスが出入口を通過する度、愛液が飛沫を上げる。

「ふぁ・・・ッ!!あッ!ああぁン!!」

通行の摩擦に耐えられない。

「うッ・・・あッ!!おっ・・・おにい・・・」

ヒスイは早くも昇りつめ・・・それでも必死に堪え、コハクを呼んだ。

「よしよし・・・これがないと安心してイケないかな?」

次の瞬間。

「あくんッ!!う・・・あぁン・・・」

ヒスイの望み通り、たっぷりの精液が注ぎ込まれた。

「は・・・あ・・・おにいちゃ・・・」

 

 

「ああ・・・こぼれてきちゃったね。多過ぎたかな」

 

 

コハクは、結合部から漏れ出した精液を見たあと、後戯・・・といえるのか、ヒスイをペニスで繋いだまま、後ろから首筋を舐めたり、胸を揉んだり。

性感の肉粒を手探りしたりして。

「んっ・・・おにいちゃ・・・そんなことしたらまた・・・あんッ!!」

「このまま・・・新記録、つくろうか」

「あッ・・・おにぃ・・・」

 

 

 

コハクの性質上、ヒスイとこうしていると、他のことはどうでもよくなる。

(そう、どうでも・・・ん?)

どうでもよくない、何かとても大事なことを忘れているような気がする。

それは本日の戦利品、“工場への地図”だ。

今後の展開を左右する重要なアイテムである。

帰りがけモルダバイト城に届ける予定だったのだが、剣と一緒にトイレ外に放置したままエッチに勤しんでしまった。

(ちょっとマズイかな・・・)

「・・・・・・」

(うん、まあ何とかなるよね・・・)

 

 

ところが。

 

  

最後に一回ヒスイをイカせてからトイレを出る、と。

「・・・・・・」

(地図が・・・なくなってる・・・)

 

 

 
ページのトップへ戻る