World Joker

65話 こっちへおいで。



 

 


「彼からあなたのことを色々と聞きました。半吸血鬼であることも」

カルセドニーは話を続けた。今回はコハクとアクアも一緒だ。

コハクの背から降りたアクアは、ラムネ菓子の蝶を追いかけ、3人の周りをぐるぐる回っている。

フリーになったコハクは、早速ヒスイをその両腕で保護した。

「私もハーフなのですよ」

カルセドニーは笑顔でそうカミングアウトしてから、更にこう言い足した。

 

 

「しかし、魔力はありません。見た目こそエルフですが、私は人間と同じです」

 

 

「え?」(人間と同じ?)

少々耳に引っ掛かる発言を、ヒスイが掘り下げる間もなく。

「メノウは素晴らしく優秀な術者です」

ここもメノウが設計し、短期間で造り上げたものだと、熱く語るカルセドニー。

メノウを相当気に入っている様子だ。

「彼こそ世界に残すべき人材!不老不死となるべき人物なのです!」

拳を振り翳し訴える・・・リアクションが案外子供っぽい。

大人びた面と子供じみた面が混在しているように思えた。

「彼の寿命は残り僅か数十年・・・失うにはあまりに惜しいと思いませんか」

カルセドニーはコハクの腕の中にいるヒスイに向け言った。

「・・・・・・」

いつもなら口を挟むところだが、コハクは黙ったまま。

ヒスイの答えを聞くつもりだった。

するとヒスイは。

「うん、そう思う」と、あっさり同意。そのあとこう続けた。

「だからって、永遠を望む訳じゃないわ」

 

 

『一日でも長く一緒にいたい』

 

 

「ただ、それだけ」

ぶっきらぼうなヒスイの物言い・・・対するカルセドニーは満足そうな表情で大きく頷き。

「あと一日、もう一日・・・そうして明日を求める気持ちが、永遠へと繋がるのです」

 

 

『先の知れない一日と永遠、何が違うというのですか』

 

 

「・・・・・・」

カルセドニーの問いかけにヒスイはしばらく黙り。

「・・・そんなの、こっちが聞きたいわ」眉間に皺を寄せ、呟いた。

それを見たコハクは。

(まずいな、ヒスイが・・・)

口達者なカルセドニーのペースに乗せられつつある。そこで。

「同じものだというのなら、どちらを選ぼうが構わないよね」と、コハクが口を開いた。

「ヒスイ、いいんだよ」

 

 

一日でも長く一緒にいたい。

それは、世界に愛する人がいれば当然の・・・ささやかな願いだ。

 

 

「僕もそう思うよ」

「お兄ちゃん・・・」

「それで?君の狙いは何?」ヒスイに変わり、コハクが尋ねた。

カルセドニーは肩を竦め、「不老不死の研究チームに加わって貰いたいだけですよ」と、笑った。

総務人事部の部長であるというメノウ・・・どうも今はその気がないらしい。

メノウをその気にさせるため、カルセドニーはヒスイの協力を得ようとしていたのだ。

「彼は迷っている。あなた方と共に生きるか否か」

「お父さんが・・・?」

「あなた方にはわかるまい。人ならざる者の中で、人であり続けることの難しさが」

「・・・・・・」

「考えてみてください」

 

 

人が、人ならざる者と、同じ世界で、対等であるためには、何が必要か。

 

 

 

 

・・・カルセドニーと別れ、歩き出すコハクとヒスイ。

アクアは蝶を追い、ずいぶん先へ行っていた。

「何が必要かって・・・それが不老不死ってこと?」と、難しい顔のヒスイ。

「それだけじゃないと思うけどね」

「ん・・・」

あまり考え過ぎないようにと、キスでヒスイの気持ちをほぐすコハク。

キスを終えると、ヒスイは上を向いたまま言った。

「あ・・・見て、お兄ちゃん」

白くサラサラしたものが空から降ってきたのだ。

それは・・・シュガーパウダーの雪。

「頭冷やすのにちょうどいいかな・・・って、冷たくないけど」と。

ヒスイは笑って雪空を仰いだ。それからしばらくして。

 

 

「あ〜、トパ兄〜」

 

 

先頭のアクアが前方を指差す・・・そこにはトパーズがひとりで立っていた。

甘い粉雪舞う中、家族の再会、だが。

「やあ、会いたかったよ」即、コハクが詰め寄り。

「抜いてくれないかな、コレ」

もちろんそれは、ヒスイの尻尾を指している。

「君なら簡単に抜ける筈だよね?」

「お・・・おにいちゃ・・・?」

ヒスイも怯えるほどの笑顔を見せるコハク。

「・・・来い」と、トパーズはヒスイの腕を掴んだ。ところが。

「ちょっと待って」と。

今度はコハクがトパーズの腕を掴み。

「僕の目の前でしてくれる?」爽やかに言い放つ。

「・・・・・・」コハクの監視付きとは。トパーズにしてみれば、ウザイことこの上ない。

「ヒスイ、僕にしっかり掴まって」

「うん」

ヒスイはコハクの胴体に両腕を回し、これからくるであろう衝撃に耐えるべく体勢を整えた。

 

そして・・・

 

「んーっ!!んんっ!!んっ!!」

一息に抜いて貰えるかと思いきや長期戦で。

トパーズの手により、引き戻しが繰り返されるうち、咥え込んだ穴の周りが驚くほど柔らかくなり。

にちゅっ!にちゅっ!生々しい音が森に響く。

「んぁっ!あっ・・・!!」

コハクにしがみつき、紅潮した顔で髪を振り乱すヒスイ。

その姿は絶頂時にも似て。コハクの嫉妬心を煽る。

「・・・・・・」

見るとトパーズはほくそ笑み、ヒスイの尻尾を強く引いてはパッと手を離すという、明らかな焦らし行為に及んでいた。

(わざと抜かないで楽しんでるな)

「・・・いい度胸じゃないか。僕の目の前で」

ボソッ、小声で呟くコハク。

トパーズに負けない快感をヒスイに与えなければと思う。

コハクは、ヒスイの上半身を左腕でしっかりと抱き、下半身へと右腕を伸ばした。

 

 

「ヒスイ、こっちだよ」

 

 

「ひぁんっ!」

まだ隠れている性感の肉粒をコハクの指が捕らえた。

「お兄ちゃんが気持ち良くしてあげるからね〜・・・」

人差し指と薬指で恥骨側の皮膚を強引に引っ張り上げ、現れた突起を中指で擦る。

それから、肉粒の付け根まで指を入れ、下から掘り返すようにして全体を撫で転がした。

「ふぁっ・・・!!んはっ・・・!!あぁぁんっ!!」

後ろだけでなく前からも責められ、ヒスイは困惑の声を漏らしたが、次第に前の・・・コハクの指に感じ始めた。

「はぁ・・・あ・・・あんっ」

「そう・・・こっちへおいで」

ヒスイの意識を後ろに持っていかれてなるものかと、肥大した肉粒を執拗に愛撫し続けるコハク。

「あ・・・んぅ・・・おにぃ・・・」

「・・・・・・」

そうなると、面白くないのはトパーズで。

抜く気はますます消え失せ、そっちがその気なら受けて立つと言わんばかりにラブアイテムを使い出した。

「!!ひっ・・・んはっ!!」

反対に尻尾を押し込み、グリグリとヒスイの奥を突く。

コハクのペニスが届かない場所まで、ラブアイテムを捻じ込む気らしい。

「こっちだ。こっちへこい」

「いっ・・・いやっ・・・はぅんっ!!」

コハクとトパーズの間で、小刻みにヒスイの腰が前後する。

「あっ、あっ、おにぃ・・・っ、トパ・・・っ、やめ・・・おねが・・・」

しかし、熱くなった男達の愛撫は激しくなる一方で。

「や・・・ぁ・・・あはんっ!!」

クニクニ・・・ズッ、ズププッ・・・

前と後ろを好き勝手に弄り回され、訳のわからない快感に翻弄されるヒスイ。

中立の窪みから、大量の愛液が雫となって地面へ落ちた。

「うっ・・・っ・・・あ・・・」

 

ここでアクアが言葉責めで参加。下からヒスイの体を覗き込み。

 

「わぁ〜、ママのアソコ、ヌルヌルしてる〜」

「!!やっ・・・あぁぁんっ・・・」

ヒスイは嫌がりながらも、大声で喘ぎ。泣きながら、腰を揺らした。

「あっ・・・あぁん・・・あんっ・・・はんっ・・・」

 

 

 

丁度、その時。

 

「のあぁぁっ!!何だ、アレは!!」

壮絶な蹂躙風景・・・3:1の濡れ場を発見したシトリンが仰け反る。

(はっ!こうしてはおれん!)

早くヒスイを救出せねばと、シトリンは声を張り上げた。

 

 

「おい!何をやっている!!」

 

 

「・・・・・・」「・・・・・・」

その声で男二人の動きが止まった。

我に返った・・・とでもいうべきか・・・露骨に“しまった”という顔をしている。

「・・・早く抜いてやれ」

軽く目を覆うような仕草でオニキスが言うと。

「・・・・・・」

トパーズはヒスイの尾てい骨あたりをトンと指で突いたあと、ゆっくり尻尾を引き抜いた。

ぶちゅっ・・・ぬぽ・・・

何ともいやらしい音と共に、尻尾はヒスイの体外へ・・・と、同時に。

「ふぁ・・・んっ!!」

ブルッ!と、ヒスイは小さな体を大きく震わせた。

これまで必死に堪えてきたのだが、最後の最後でイッてしまったのだ。

「っ・・・!!」

5人もの前でイキ顔を披露するハメになり、さすがに今回はヒスイのダメージも大きかった。

地面に崩れ落ち、突っ伏したまま動かない。

足に力が入らないというのもあるが、恥かしくて顔を上げられないのだ。

「母上・・・」

ひたすら同情の眼差しを向けるシトリン。

「・・・・・・」

人のことは言えないと自覚しつつも、オニキスは溜息混じりに一言。

 

 

「お前達・・・やりすぎだ」

 

 

 

 
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