World Joker

111話 いったり、きたり。

「はぁはぁ・・・は・・・」

向かい合わせの座位のまま、唇を重ね、舌先と舌先を遊ばせる。
ペニスを挿れられた膣が、ヒスイの意識の外でぐちゅぐちゅと鳴っている。
穴まわりが波打ち、“もっと愛して”と、甘えているのだ。
「んふぁ・・・おにぃ・・・」
コハクだからこそできる絶妙な力加減。
乳頭を爪先でカリカリと掻かれ、繊細な快感が乳管に流し込まれる。
それがたちまち内部に広がって・・・熱い。
乳肌には汗が滲み。
「はぁ・・・ん」
そこを、限りなく優しく、揉まれる。
「ふぁ・・・ん」
唇と、乳房と、膣と、すべての悦楽が混ざり合う。
しかも後ろが壁のため、逃れる術がない。
「んぁ・・・おに・・・ちゃ・・・なんか・・・きもちいの・・・くる・・・あ!うっ!!」
コハクの肩につかまり、短く呻いて、達するヒスイ。
「あ・・・またイッちゃ・・・あぁん・・・っ!!」
その股間からは、ちゅくちゅくと、ペニスを美味しそうに味わう音が聞こえた。
「だめ・・・ぬいて・・・おにいちゃ・・・お○ん○ん・・・ぬいて・・・わたし・・・おかしくなっちゃ・・・!!」
淫魔の媚薬に冒されながらも、恥じらう素振りを見せるヒスイに。
「いいの、いいの」と、コハク。
ちゅっ。ちゅっ。愛しいヒスイの額へと、何度もキスを浴びせた。



「はぁはぁ・・・」
ペニスで繋がれたまま、ヒスイの背中は枕から滑り落ち、シーツの上へ。
「ひぁっ・・・おにぃっ・・・!!」
ヒスイの腰を引き寄せ、コハクも腰を使い始めた。
「あっ・・・んぅっ!!」
濃厚かつ、官能的なピストン。
亀頭の上で子宮が弾んでいる。
最奥の小さな肉の輪が今にも抉じ開けられてしまいそうで。
「いっ・・・あ!!あぁん!!」
握ったシーツを引っ張り上げて、よがってしまう。
「あっ、あっ、あっ・・・」
愛情たっぷりに突き上げられて。
子宮の中に極上の快感が芽吹き、たちまち花開く。
そこから、蜜が垂れて。
「あぁぁぁぁ!!!」
頭の中が真っ白になる。
「――!!」
ヒスイは、声にならない声を上げ、達した。



「はーっ・・・はーっ・・・」
意識が朦朧としているヒスイに代わり、膣が意志を持って精を絞り取ろうとする、が。
絶頂の締め付けを「可愛いね」と、言って、器用にかわすコハク。
収縮に掴まる前に引き抜いて。また入れる。

ずぷぷぷぷ・・・!!

「ひっ・・・!!」
膨れ上がった膣肉が、ヒスイより先に甘く叫ぶ。
「ふぁぁぁ!!!」
何度かそれを繰り返しているうちに、ヒスイは潮を吹き始めた。
「あ・・・あ・・・」

ぬぢゅっ!ぬぢゅっ!

抽送の度、愛液が太腿に飛び跳ね、潮が上向きに吹き上がる。
「そこ・・・も・・・こわれちゃっ・・・た・・・よう」
「大丈夫。ちゃんと治るから」
「ほ・・・んと?」
「うん。だから今は、いっぱい、ぴゅっ、ってしようね」
火照った頬を撫でながら、そう言い聞かせ、ヒスイの中のペニスを揺らす。


「あっ・・・また・・・くる・・・おにぃちゃ・・・おく・・・きもちいいのきちゃうっ・・・あ!!」


イッてもイッても、快感に追われるヒスイ。
「きちゃう・・・きちゃう・・・いっちゃう・・・ああ・・・」
パニックに陥り、髪を振り乱しながら、度々そう口走る。
「よしよし」
コハクはその唇で、ヒスイの涙を吸って。
「そのまま受け入れて。奥まで・・・そう、いい子だね」
耳元で囁く。それから。
ヒスイの脚を両手で更に拡げ、深く腰を落として射精した。


「あああああ!!!!」


「はふ・・・おにぃちゃ・・・」
子宮に浴びる精液。女の幸せとばかりに微笑んで。
「あ・・・はぁ・・・」
吐精するコハクを乗せた腰がガクガク震える。
ヒスイもまたイキ続けていた。



互いの性器が激しく脈動することでできた隙間から、互いの体液がどろどろ出てくる。
「おにいちゃ・・・」
「ヒスイ・・・」
二人は一向に構わず。熱いキスを交わしながら、揃って腰を動かし続けた。
ぬちょっ・・・くちょっ・・・
最初はゆっくりと。
ぱちゅんッ!ぱちゅんッ!
徐々にスピードを上げて。
ずちゅずちゅずちゅ・・・っ!!
本気モードに突入する。
「あ!あ!あっ!おにぃっ!!おにぃちゃぁ!!」
両目をぎゅっとつぶり、懸命に兄を呼ぶヒスイの口の中へ、コハクはそっと舌を差し込んだ。



(愛してるよ、ヒスイ)



いったり、きたりしながら。

今夜は二人で溺れよう。どこまでも――



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