World Joker

112話 離れられない。離れたくない。


こちら、アイボリーとチャロの連合軍。
マーキュリーも同席しているが、参加拒否。
脱ぎたてパンツをめぐるアイボリーの作戦に、呆れて物も言えない。

「脱ぎたて許可取れたら、まーにもやるから、そんな怖い顔すんなよ!」

と、アイボリー。
マーキュリーの表情はいつもと変わらない穏やかなものだが、不機嫌であることは明白で。
双子故に、誤魔化しがきかない。

「僕はいらないって言ってるよね。それにもう何日経ったと思ってるの?」

アイボリーが淫魔の媚薬をヒスイに盛った日から、なんと3日が過ぎていた。
その間、ヒスイの姿もコハクの姿も見ていない。

「よっ!」

そこで現れたのは、頼もしい味方、メノウだ。
元祖悪戯少年祖父メノウは、チャロと旧知の仲らしく、脱ぎたてパンツ獲得作戦の協力者でもあった。
“面白そうだから”という、毎度の理由だ。

「そんでどうなったの?」
「まだ出てこねーんだけど」

鍵が掛かっているため、状況がよくわからないのだ。

「淫魔の媚薬は強力だからなぁ」

と、メノウ。
続けてチャロが。

「あの男のことじゃ、ここぞとばかりにヤリまくっているに決まっておるわ」
「だとしたら、俺らの勝利確定じゃね?」

というアイボリーの言葉に。

「だといいけどな」

メノウは意味深に笑った。


そしてこちら、夫婦の部屋。

「あ・・・はぁ・・・おにい・・・」

下からコハクの背中に腕を回し、腰を上下させるヒスイ。
絶頂のリズムを刻む膣肉でペニスを挟み込み、お尻をマットに沈めるようにして精液を引き絞っているのだ。
バスタイムを挟み、何度かアナルセックスを行ったため、綻んだままのお尻の穴からは、中出し精液が滲み出ていた。
「あ・・・ん・・・」
何回射精してもコハクのペニスは硬く、熱く、魅力的で。おねだりを止められない。
膣内はもう白濁液でいっぱいだというのに。まだ欲しくて。
「んんっ!!ふ・・・!!」
ぶるッ・・・!!自らの振る舞いで達し、震えながらも、懸命にしごき続ける・・・が。
散々酷使したため、膣圧はだいぶ弱まっていて。
陰唇が、ヌルヌルといやらしい舐め跡を残すだけだった。
「うぅ・・・ん・・・」
もどかしげにヒスイが眉を顰める。
すると、コハクがヒスイの顎を持ち上げ、唇と唇を軽く合わせ。そのまま笑って言った。
「そろそろ腰、疲れてきたでしょ?あとはもう――」


「脚だけ開いててくれればいいから」


唇が離れた、次の瞬間。
コハクが腰を突き出す。

ぐちゅちゅちゅちゅッ!!

「ひぁうっ!!」
熟した穴を通過するペニスは、さらに硬く。
そのあまりの気持ち良さに、眩暈がする。
ぶちゅッ!ぶちゅッ!
「あっ!あっ!あっあっあっ・・・!!」
脚を拡げ、ペニスの抽送を受けながら、反らせた顎・・・そこから快感の唾液が伝ってゆく。
「あっ・・・あんっ!あんっ!」
貫通の振動で乳首とクリトリスが弾み、先端から艶めかしい肉汁が飛ぶ。
「あぁっ!あ!!!」
甘美な痺れが腕や脚に絡み付き、湿ったシーツの上、磔になって。
「あ・・・ふぁぁぁんっ・・・」
熱く蕩けた中心をペニスで突き刺されては、悦びの声を上げる。
「ふぁ・・・あ・・・きもちぃ・・・お○ん○ん、きもちぃよう・・・」
快感に狂ってゆくヒスイ。
喘ぐ口元がだらしなく崩れていたが、それもまた愛らしく。
「・・・・・・」
(僕には淫魔の媚薬は効かないけど、ヒスイとは相性いいみたいだな・・・うん、可愛い)



「はぁはぁ・・・んっ!!」
にゅくにゅくにゅく・・・力なく膣肉が鳴る。
そこはもう開ききって、ペニスに奉仕する本来の機能を失っていた。
ピストンに対する反応も弱い。けれども。
「!!っあっ!!あ!あぁ・・・んっ!!」
それとは裏腹に、奥の感度はどんどん良くなり、快感が途切れることはなかった。
「そろそろ、こっちでえっちしようね」と、コハク。
ゆるゆるの奥・・・子宮口を亀頭で愛し始めた。
「あぁっ・・・ひっ!!」
やんわりと擦られただけで、腰が浮く。


「ほら、開いてきたよ」


低く甘いコハクの声がして。亀頭が子宮口を抜ける・・・
「あ・・・あああああ!!!!!」
いつもより、ほんの少し深く入っているように感じた。
そこを許すことは、ヒスイなりの愛であり、究極の快感でもあった。
「ひぁっ!!あぁぁぁ・・・っ!!」
一気に昇り詰めるヒスイを更に高みへと押し上げるように、コハクが射精する。
「んぁぁぁ!!!おく・・・いっぱいきちゃ・・・あぁぁぁ!!!」
色濃く頬を染め、瞳を潤ませ、ヒスイは子宮を激しく痙攣させた。
「あぅ・・・ん・・・」
続けてご褒美のキスをたっぷりと貰い。
ヒスイはしばらくの間、とろんとした顔をしていたが・・・


「おにいちゃんの・・・のみたい・・・くち・・・いれて・・・」


いつもならあり得ない要求をした。
「・・・ちょっとだけだよ」
正直、ヒスイの顔を精液で汚すのは好きではない。

“精液を飲みたがる”

(淫魔の媚薬はこれがネックか・・・)
ヒスイの片脚を持ち上げ、膣からゆっくりとペニスを引き抜いて。
口元に持ってゆくと、ヒスイはそれを両手で包み。嬉しそうに先端を舐めた。
「ん・・・おいし・・・」




精液を飲ませると、ヒスイはすやすや眠り始めた。
3日目にして、やっとだ。
ヒスイの体を丁寧にタオルで拭き、「お疲れ様」と、瞼にキスを落とす。

「・・・離れたくないなぁ」

ヒスイがくれた幸せな倦怠感・・・このまま一緒に眠ってしまいたい。けれど。

「あーくんが待ってるだろうなぁ・・・なにせコレが狙いだろうし」

コハクも苦笑いだ。
それからひとりでシャワーを浴び。服を着て。
竹刀を手に、部屋を出ようとした時だった。

「おにいちゃん」

と、不意に呼び止められる。

「ヒスイ?」

コハクがベッド脇に戻ると、ヒスイが抱き付き・・・ガブリ。
コハクの首筋から、ごくごくと血を飲み始めた。

(ああ、そうか)
「いっぱいえっちしたからね」

喉が渇くのは当然、と。
ヒスイの髪を撫でながら、惜しみなく血を与えるコハク。
一方で、ヒスイの内腿に愛液が伝っていることに気付く。
割れ目に触れると、そこはねっとりと熱く濡れていて。
何でも呑み込んでしまいそうだった。
試しにコハクが指でつつくと。

「んっ・・・」

吸血中のヒスイが、ぴくんっ!新鮮な反応をした。

「あ・・・おにぃちゃ・・・」
「くすっ。えっちする?」
「ん・・・する」


・・・と、そこまでは良かったが。
自分で言っておいて、あれっ?と、思う。
3日前と同じやりとりになっている。
吸血→えっち→吸血→えっち→吸血→えっち→
そこに淫魔の媚薬の効果が加わって、サイクルが早くなっているようだ。

「・・・・・・」

セックスのループ。
(それはまあ、いいとしても)
「僕の血が足りないよね、ははは・・・」
(そうだ、これって・・・)


死に目に遭うルートだ。







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