World Joker

―外伝―

TEAM ROSE



[ 03 ]

ドキン、ドキン、ドキン・・・高鳴る胸。
(これ絶対オニキスに聞こえて・・・)
見ると、目が合う。
事情を察したオニキスが頷いた。
ヒスイは、コハクの変化に弱いのだ。
少し雰囲気が変わっただけでも混乱してしまう。
「じゃあ私、今日はオニキスのところに泊ま・・・」
「だめだよ、ヒスイ」
コハクもまた事情を察したうえで、譲らない。
「ちょっ・・・おにいちゃ・・・!?」
ヒスイを腕の中に引き込み、耳元でこう囁やいた。
「ドキドキえっち、しようね」
「っ!!いつもドキドキしてるってばぁっ!!べつに今じゃなくたって・・・もぉぉっ!!お兄ちゃんっ!!聞いてるの!?」
必死の抵抗虚しく、ヒスイはコハクに連れられていった。



エクソシスト正員寮。夫婦の部屋。

えっちの前に――ちょっといいかな、と、コハク。
ベッドの上、向き合うようにヒスイを抱っこし、言った。
「ヒスイの血を吸ってみたいんだけど」
「あ・・・うん、いいよ」
ヒスイが返事をすると、背面のファスナーが下ろされ、首も肩も、ブラジャーをしている胸もすべて露わになった。
「ありがとう。痛くないようにするからね」
コハクはヒスイの髪に指を絡めながら、首筋に唇を寄せた。
ちゅっ。一度吸って。舐める。
オニキスがヒスイにするのと同じように。
それからゆっくりとヒスイの血管に牙を沈めた。
「あ」
初めてとは思えない出来。本当に痛みはなかった。
「ん」
ドキドキえっちが先延ばしになり、ホッとしていたはずなのに。
ひどく扇情的で。ドキドキする。
(お兄ちゃんが・・・私の血、飲んでる・・・)
こんな日が来るなんて。貧血とは別の意味でくらっとした。
「――ごちそうさま。すごく美味しかったよ」
コハクが吸血を終える頃には、ヒスイはすっかり逆上せてしまって。
肌が更に赤味を帯びていた。

「ヒスイ?」
くたっと、もたれかかるヒスイの背中を撫で。
「えっち、できそう?」コハクが尋ねる。
するとヒスイは小さな声で答えた。


「わかんない。おにいちゃん、いつもとちがうから」


「いつもと違う、ねぇ・・・」
コハク、苦笑い。
(照れ屋なところも好きだけど)
下手をすれば、逃げられてしまう。そこでこう提案した。
「できるところまででいいから、してみようか」
「ん・・・」




「ん・・・ぅ」
唇を合わせ、舌と舌をぬるぬると擦り合わせる。
大抵いつもヒスイの口の中で行われる行為だった。が・・・
「あ・・・んん・・・あぅ・・・」
いつにも増して気持ちよく。
コハクの腕の中、キスだけで声が出てしまう。
「よしよし」
そんなヒスイをベッドに寝かせ、おでこにキスをするコハク。
「は・・・ぁ・・・おにいちゃ・・・あッんッ!!」
ヒスイの捲れたスカートから覗くショーツに右手を滑り込ませた。
「あぁ・・・ッ!!」
そこはだいぶ蒸していて。すぐさまコハクの指先を愛液が濡らした。
「はッ・・・あッ・・・んんッ!!」
中指をヒスイの膣に入れて、クチュクチュと動かしながら、人差し指で優しく陰唇の縁に触れる。
「あ・・・あんッ・・・はぁはぁ・・・ん・・・ッ」
淫らな愛撫に、早くも膣内が蕩けかかっていた。
「ね、ヒスイ、こっち向いて」
吸血鬼化したコハクの顔を直視できず。
横を向き、恥かしそうに肩を竦めるヒスイの頬に、ちゅっ。うちゅっ。ちゅ。重ねて何度もキスをして。
「僕は僕だよ。それに――」


任務中はもうずっとこの姿だし。


「はぁはぁ・・・そ・・・うなの?」
ヒスイが恐る恐るコハクを見るも。
「あッうッ!!」
膣にもう一本指が入ってきて。
「あぁ・・・」
滲む愛液と共に、ヒスイの表情が甘く崩れる。
「だから、早く慣れてね」と、続けてコハクがヒスイを上から覗き込んだ。
「っ〜・・・!!」
ヒスイがまた顔を背けようとしたので、すかさず顎を掴み、キス。
そのまま、指をもう一本追加する。
「!!ひぐッ!!あ・・・」
指を三本に増やされ、ヒスイは大人しくなった。
今にもイッてしまいそうで、他のことに気を遣る余裕がなくなったのだ。
グチュ・・・グチュ・・・膣が鳴る。
「あッ・・・あ・・・」
コハクの指の束に沿って、陰唇が捲れているのがわかる。
「は・・・ふぅ・・・」
息を吸って、吐いて。吸って、吐いて。
膣を緩めながら、愛しい三本の指を幾度となく招き入れ。
「あ・・・はぁ・・・」
そこから、愛液と快感をたっぷりと掻き出されて、腰が痺れる。


「くすっ、音、すごいね」


ヒスイの胸元に耳をあて、コハクが言った。
「!!やだ・・・オニキスに・・・きこえちゃう・・・よぅ・・・おにいちゃぁ〜・・・」
それは“今回に限って”ではないのだが、何故か今回に限って、それが気がかりで。
ヒスイが泣きべそをかく。セックスを渋っていた理由は主にこれだった。
「オニキスにはあとで一緒に謝ろう」と、コハク。
上気しきったヒスイの頬と、そこに流れる涙を優しく舐め上げた。
「ん・・・」
コハクの言葉にヒスイが頷く・・・するとコハクは「いい子だね」と、微笑んで。
ご褒美あげないとね――そう言って、ふたたびヒスイの唇を塞ぎ。
三本の指で、ヒスイのお腹の裏側を撫でた。
「んん・・・ッ!!けふ・・・ッ・・・あ・・・ふぅ・・・」
ヒスイは、足裏を向かい合わせにビクビクと震え、官能の涎をコハクの口の中へ吐き出した。




「ここは、あーくんとまーくんにとっておかないとね」
ブラジャーごし、ヒスイの乳房に、コハクが軽く口づける。
「残った分は貰うけど」と、話しながら、ショーツを脱がせた。
自身もベルトを外し、屹立したペニスを出す・・・それからヒスイの両脚を拡げ、腰を近付けた。
「はぁはぁ・・・おにぃ・・・」
ヒスイが見上げる。
「あ・・・」(きれい・・・)
金髪から覗く深紅の瞳は魔性の輝きで。たちまち魅入られる。
ヒスイの鼓動がいっそう早くなった。そして。
「はぁっ・・・はぁっ・・・あッ――」
つぷ・・・亀頭が膣に入った瞬間。
「んあぁ・・・んッ!!」
腰から下をガクガクさせて、全力で絞ってしまった。先に進めないほど、強く。
「こらこら」と、額を合わせ、コハクが笑う。
「ごめ・・・いれにくい・・・よね・・・」
「まだ恥ずかしい?」
「ん・・・ちょっと・・・」
「じゃあ、今回は後ろからにしようか」(また機会はあるし、ね)
「ん・・・」




ヒスイが四つん這いになると、後ろからコハクが腰を掴み、引き寄せた。
「好きだよ、ヒスイ」
「わ・・・たし・・・もっ・・・!!あ・・・はぁッ!!」
にゅぐッ・・・ヒスイの膣肉が柔らかな音をたてて。
にゅぷぷぷぷ・・・硬いペニスを飲み込んだ。
「ん・・・ふッ!!」
挿入されて、ブルッ・・・
「は・・・あ・・・」
ピストンが始まると、ゾクゾク・・・
ペニスが生み出す快感の虜になってゆく。
「もっと気持ちよくしてあげるからね」
ヒスイの腰に片腕を回し、華奢な体を支えつつ、ペニスを送り込むコハク。
ヒスイの好きな速度も角度も無論、心得ている。
にゅちッ!にゅちッ!にちにちにち・・・
「はっ、はっ・・・あ、あ、あんッ!!」
安定した快感の中に、より“悦い”ものが混ざり、だんだんそれが増えてくる。
「あッあッ・・・あ・・・ああ・・・」(きもち・・・い・・・)
ピストンの度、膣口から漏れ出る愛液が、ヒスイの太腿にいやらしく絡み付いていた。


「ふぁ・・・あ・・・」


しっとり濡れた亀頭で子宮口を擦られ、内側が愛に満ちてゆく。
そこがハートでいっぱいになった気がした。
「ふぁぁあ・・・あっんッ!あぁんッ!!おにい・・・ちゃ・・・」
ヒスイが腰をくねらせる。
子宮口がヒクヒク・・・開いて欲しがっている。
「ココでイキたい?」と、コハク。
「う・・・ん・・・イキた・・・い・・・イキたいよぅ・・・おにいちゃぁ〜・・・」
じゃあ――と。コハクが上体を低くする。
小さなヒスイの背中に覆い被さるようにして、しっかりと頭を抱き込み。
腰の逃げ場をなくしてから、ペニスを深く奥に入れた。
「あ!あ!ああー・・・ッ!!」
コハクの温度が子宮いっぱいに広がって、蕩け落ちそうだ。
押し込まれた快感に、瞳を小刻みに震わせながら、イクイクとヒスイが口走る。
「っ!!あ!!あぁぁぁッ!!」
シーツを握り締め、間もなく達し。
「あ・・・は・・・」
もう自分がどこを見ているのかもわからない。
すると、コハクの指が口の中へと入ってきて。
涎まみれの舌をクニクニと扱かれた。


「ヒスイ、キスしよう」


甘い声が聞こえる。
「ん・・・ぁ・・・」
口の中の指に導かれるまま、顔を上げ、コハクと唇を重ねるヒスイ。
激しくイッている膣で、続けて何度も射精を受けた。
「――!!!!!」




「もう少し付き合ってね」
だらんと力なく折れ曲がるヒスイの体を両手で持ち上げ、ヌチュヌチュ、膣内のペニスを動かすコハク。
「はー・・・はー・・・」
ヒスイの意識は浮き沈みしていて。
伸びきった膣口から愛液と精液を垂らしながら、うっとりした顔で、時折喘ぐ。
「あ・・・・・・んッ・・・あ・・・・・・・ふ」


その時、扉を叩く音がした。


「はーい」
コハクが返事をし、ペニスを抜く。
「へぁ???」
快楽漬けになっていたヒスイは、状況を理解できずに、“伏せ”の姿勢でぽー・・・っとしていた。
(おにいちゃ・・・の・・・お○ん○ん・・・どっかいっちゃった???)
自分の腕を体の下に入れ、指先で割れ目を探る。
「???」(ない・・・)
「またすぐ入れてあげるから、待っててね」
コハクはヒスイの頭を撫でたあと、乱れた制服を着直し、扉を開けた。



「先日はどうも。そろそろ来る頃かと思いましたよ」



―――さん。


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