World Joker

―外伝―

TEAM ROSE



[ 13 ]

102号室――ロイヤルスイートルームにて。
コハクとヒスイが共にシャワーを浴びていた。


「あッ、あッ、あッ!おにいちゃ・・・!!」


ヒスイは浴室の壁に両手をつき、立ちバックでコハクに突き上げられている。
なにせシャワーの途中なので、二人とも、髪も肌も濡れているが、再会の喜びから、激しさに拍車がかかっていた。
(良かった・・・無事で)
戻ってきたヒスイをしっかりと抱きしめ、コハクが腰を振り上げる。
「ああッ!!は!!」
その度に、ヒスイが喘ぐ。
「あッ!うッ!あ!!あぁ・・・ッ!!」
ぢゅぼッ!ぢゅぼッ!一突きごとに肌が朱に染まっていくような、熱い官能。
「はぁっ、はぁっ、あ!!」
抗うことなく、受け入れてゆく。
そこで・・・
「意地悪して、ごめんね、ヒスイ」と、コハク。
「わたし・・・こそ・・・いうのわすれてて・・・ごめんね」
「ヒスイ――」
「おにいちゃ――」
コハクの胸元に、頭を擦りつけるように上を向き。
二の腕に掴まって、唇を重ねる。
んちゅ・・・ちゅっ・・・
「は・・・ぁ・・・」
逆向きで、しばらく唇を触れ合わせたあと、舌を入れ合う。
「ん・・・ぁ・・・」
頭の中に、淫蕩な熱が広がり。
「んっ・・・ん・・・」
キスをしながら、気持ち良さげに腰を揺らすヒスイ。
すると愛液が、結合部からトロトロ漏れ出した。泡や、いやらしい塊も混じっている。
「あ・・・うぅん・・・」


「いっぱい気持ちよくなってね」


分身3P諸々のお詫びの意味も込めて、コハクが言った。そして・・・
「あ・・・おっき・・・」
ふたたび両手を壁についたヒスイが、うっとりと口走る。
「この方が好きでしょ?」と、コハク。
射精の気配がするペニスで、何度もヒスイの肉襞を捲り返した。
「――!!あッ!あ・・・あぁッ!!あ!!ひぐ・・・ッ!!」
(このお○ん○・・・すき・・・っ)
膣が完全に発情し、感度が跳ね上がる。
「ん・・・ッ!!!!」
ビリッとした刺激が全身に走った。
「はぁっ!はぁっ!あッ・・・あぁぁッ!!」
シャワーの雨音の中、度々ヒスイの体を打つ雷の主成分は、快感。
連続で落ちてくるため、体の芯は焼け焦げ、すっかり帯電してしまっている。
(あつい・・・あつい・・・あつい・・・よう・・・)
しかしそれは、狂おしいほど愛おしい感覚だった。


「!!ふぁッ!!あ!!あぁぁぁー・・・!!!」


「あッ・・・ああ・・・」
蕩けた膣肉と蕩けた瞳が同時に収縮した。ヒスイに絶頂が訪れたのだ。
「よしよし、いい子だね」優しく微笑むコハク。
ヒスイの喉元を撫で上げ、上を向かせる。そのまま顎に手を添え、キス。
一方で、腰を押し付け射精した――
「!!!!!」
コハクの唇の下でヒスイの唇が震える。
「――――」
子宮に精液を注ぎ込まれる度、声にならない声で、ひたすらハートを飛ばしていた。


「はぁ・・・はぁ・・・あッ!?ふぁ・・・」
射精を終えたペニスを、コハクがゆっくりと動かし始めた。
「ね、ヒスイ」
後ろから握った手、その指先に唇を寄せ。
「あと何回欲しい?好きなだけあげる」
「っ!!」
鮮明に思い浮かべたのか、ヒスイは耳まで赤くなり。
そこへ、ちゅっ。コハクが口づけ、返事を待つ。
「いつもと・・・おなじ・・・がい・・・んッ!!あッ!!」
ちゃんと言えないヒスイの代わりに。
「くすっ、お腹がぱんぱんになるまで?」
「う・・・ん」
「了解――」





時刻は深夜。

102号室からコハクが出てきた。
「どうも、ご心配をおかけしました」
待機していたカーネリアンに向け、そう口にする。
「まったくだよ」と、息をつくカーネリアン。
「そんで、ヒスイは?」
「ぐっすり眠ってます」
「付いててやってもいいかい?」
「もちろん」
よろしくお願いします、と、お守りを交代し、ラウンジへと向かう。
そこには、メンバーが集合していた。
今後の作戦会議をするために、だ。
メンバーと言っても、コハクと、オニキス、セレ、トパーズ・・・4名のみ。
ジストは引き続き、双子兄弟の面倒をみている。
「お待たせしました」
合流時、コハクはセレを一瞥したが、言及はしなかった。
シャワーセックスに及ぶ前に、ヒスイから、何があったかを聞いていたからだ。
(この船の“特徴”を彼に話すべきじゃなかった)←話したのはメノウ。
「・・・・・・」
(体よく利用されたとしか思えない。ひとまず安心したけど・・・油断できないな)


「さっさと話を始めろ」


トパーズが言った。ヒスイを取られ、当然不機嫌である。
電話に出る間も惜しんで、仕事を片付けてきたものの、そう余裕はない。
ホーンブレンドに直接乗り込んだところで、問題が解決する訳ではないのだ。
それは皆、理解していた。
「うん。まずは、この吸血鬼にコンタクトを取ってみようかと」
コハクは、リストから一名、リアルガーという名の吸血鬼を指差した。
「人間を好んで喰らうことで有名な一族のひとりです」





その頃――ホーンブレンドは夜明けを迎えていた。

ヴァンパイアハンター教団本部。
夜通し吸血鬼狩りを行い、帰還した一団の中に、サルファーの姿があった。
セレの采配により、先駆けて潜入していたのだ。
度胸があり、程良く非情。合理的で機転の利くサルファーは、諜報活動でも活躍をみせていた。
この手の任務は特別手当てが出るため、サルファーも進んで引き受けていた。
そして・・・現在、胸に光るエンブレムの羽根の数は、四枚。見事な“米”だ。
(ふん、案外チョロイのな)


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