30話 筆あそび〜大人編〜
※性描写カット
お手製フルーツパフェを運んできたコハクが覗き込む、と。
ヒスイは、眠っていた。
「・・・ん?書けたのかな?」
半紙を翳して・・・ははは!爽快に笑うコハク。
(“好き”とか“愛”とか・・・ちょっと期待してたんだけど)
「せめて“恋”にして欲しかったなぁ」
書かれている文字は、なんと“変”。
漢字の得意なヒスイが、書き間違えたとは考えにくく。
「“変”ねぇ・・・まあ、“恋”と大差ないか」
コハクは自身の言葉に頷き、締めの一言。
「うん、名筆」
それから数日後のこと。
「お兄ちゃんっ!!何よ、これぇ!!」
ヒスイ直筆“変”の書が、立派な額に入れられ、飾られている。
「っ〜!!お兄ちゃんの変態っ!!」
これにはヒスイも牙を剥いて怒ったが、うやむやにできるレベルと判断したコハクは、ヒスイを抱き上げ、ところ構わずキスを浴びせた。
「怒らない、怒らない、今に始まったことじゃないでしょ?」
「そうだけど・・・も・・・おにいちゃ・・・てばぁ・・・」
窓の外は快晴。
コハクは、風になびく洗濯物を眺めながら。
(やっぱり2人だと、減るのが早いなぁ)
と、苦笑いを浮かべた。
「お兄ちゃん?どうしたの???」
「うん、ちょっとね」
「?」
「そうだヒスイ、買い物に行こうか」
「買い物?どこに?」
「ランジェリーショップ」