50話 セックスサプリメント
※性描写カット
「ヒスイっ!頑張れっ!!」
上半身を抱きしめ、思わず応援してしまうジスト。
「くすっ、いじめてるように見える?」と、コハクが笑う。
「そうじゃな・・・わっ!!?」
その時―ジストの視界に金色の羽根が現れた。
コハクのものではない。ヒスイのものだ。
といっても、ヒスイは失神寸前で、自覚はないようだったが。
コハクが言うには・・・
「ヒスイは・・・魔力は申し分ないけど、体はあまり丈夫じゃない。こうやって、内側から、“熾天使体質”にしておけば、多少の補強にはなるからね」
もうちょっと我慢してね、と、ヒスイに声をかける。
「あ!そうかっ!」
・・・と、ジストがひとり納得する一方で。
こちら、エクソシストの一団。
王室付きの召喚士・・・名をラピスラズリと言うが、事情聴取を受け、項垂れていた。
「大丈夫ですか?」と、マーキュリー。
落ちていた杖を拾い、ラピスラズリの顔を見ると。
「・・・・・・」(すごい鼻血だ・・・)
この状況下で、鼻血を出している意味がわからない。
「どうかしたんですか?」
「ぼ、ぼく、ああいうの見ると異常に興奮しちゃって・・・鼻血出ちゃうんですぅぅ〜」
そう言って、ラピスラズリが指差した先では。
コハクとヒスイがセックスをしていた。なぜかジストもいる。
「・・・・・・」(どういうこと?)
マーキュリーは、たまたま手にしていた杖をバキッ!と、折り。
「ひぃっ!ごめんなさいぃぃ!!」
思いがけない制裁に、ラピスラズリが平伏す。
「あ・・・こちらこそすみません」(僕は今何を・・・)
うっかり折ってしまった〜と説明するが、ラピスラズリはすっかり怯えて。
「まー怖ぇぇ!!!」アイボリーが影で叫ぶ。
フェア勝負のつもりで、アミダくじに名前を書いたのだが、もしかしたら取り返しのつかないことをしてしまったかもしれないと思う。
(ヒスイとふたりっきりで“向こう側”行って大丈夫なのか!?)